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『他山の石』と『対岸の火事』

2017年12月20日 水曜日

日本の3大メガバンクのリストラについては、このメルマガでも何度か触れてきましたが、今少し詳細に見てみます。

 

大学生の就職ランキングでは、常に上位に位置してきたメガバンクですが、時を同じくして3大メガバンクが人員の削減に言及しています。その要因はイノベーションによる環境変化です。

 

  1. ビットコインのような仮想通貨の登場
  2. フィンテックによるイノベーション
  3. 融資審査業務の人工知能(AI)による代替
  4. ペッパー(ロボット)による顧客対応業務の代替
  5. 新業態銀行の参入(楽天・セブン・イオン・ソニー)
  6.  

人間が担ってきた業務がAIやロボットに取って代わられ、仕事が消えていく例を挙げれば切りがありません。アメリカでは融資業務の98%はAIに置換わるといわれており、ゴールドマンサックスのトレーダーは、2000年の在籍数600人に対し現在は2人という記事もありました。既に、銀行への来店者も大きく減りはじめ、ATMも今後は利用者の減少が囁かれています。AIは24時間働き、ミスをすることなく、文句を言うこともなく、銀行員のように年間1,000万円のコストが発生することもありません。

 

最近の三菱東京UFJ銀行の動きを見てみます。

【9月】

国内の事務はAIやIoT、RPAによる自動化技術を活用し、「従業員の3割9,500人相当の労働力を生産性の高い業務に配置転換したい」と発表。

【10月】

480前後ある店舗の1~2割の統廃合を検討していることを表明。

【11月】

2023年度までに全従業員の1/8に相当する6,000名の人員削減を発表。これまでは配置転換による効率化という表現に留まっていたが、人員削減という表現を使用。加えて、70~100店舗をセルフ型の無人化店舗へ転換する方針。\\

 

金融業界はバブル崩壊、リーマンショックと厳しい環境を潜抜け、生残る術を心得ていますが、医薬品業界にはその経験がありません。業界全体が、未だに護送船団でなければ動けない体質にあります。環境は厳しさを増していますが、誰かによって導かれるのを待っているように見えてしまいます。動きの遅い業界に対し、国は高コスト体質にメスを入れようとしています。大量のMRでシェアオブボイス(SOV)を競った生活習慣病の市場は姿を消し、MRのKPI自体も見直す必要性が取りざたされ、新しいMR像の代表例として下記の2つが言われています。

 

・新的新薬に対応する情報提供能力

・地域包括ケアシステムのコーディネーター

 

革新的新薬の薬価は高くとも患者は少ないうえに、AIによるイノベーションが起こります。AIで診断が可能となれば、適切な情報の素早い提供はAIに取って代わられるでしょう。さらに、地域医療のコーディネーターはMRが担うべき役割でしょうか。別事業とするのであればまだ理解できますが、それでもMS、CSO、医療コンサルタントとの競合は避けられません。結果、この2職種で必要とされるMRは大幅に減少するでしょう。私は65,000名のMRは半減するものと考えます。

 

医療業界は閉鎖的で、環境の変化に鈍感です。仮にその状況でもコンサルが務まるのであれば、MRに拘ることなく幅広く医療の世界で活躍できるでしょう。その努力ができないならば、他業種への転職が必要になります。

 

明確に定義ができる職業ほどAIに置き換えやすいそうです。手に職を付けたスペシャリストを高く評価する発想は、AI時代では逆に危うくなります。むしろ商品の企画も、イベントも、セールスも行うといったジェネラリストが生き残れる条件です。

 

皆さんにとって、メガバンクのリストラは、『他山の石』なのか『対岸の火事』なのか。問われる時代がそこまで迫っています。

 

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ベーシックインカム

2017年11月22日 水曜日

ベーシックインカム(BI)という言葉を聞いたことがありますか?

 

先の衆院選では、希望の党の小池元代表が公約に掲げていました。ただし財源の裏付けのない人気取りでしかないと、自民党から批判され、メディアからも無視されてしまいました。確かに唐突ではありますが、産業界がAIを中心とするイノベーションを進める中で、BIも真剣に検討すべきという社会学者が増えています。

 

<ベーシックインカムとは>

ベーシックインカムとは、「国民に必要最低限の生活を保障する収入を無条件に支給する制度」です。生活保護や税の還元といった社会保障の貧困対策ではないため、給付制限はなく、誰でももらえるというシステムです。共産主義と異なるのは、生活に必要な最低限度額のみ支給され、働いて稼ぐのは自由であり、市場原理も残っているところです。

 

<メリットとデメリット>

 メリット

  1. 絶対的貧困の減少
  2. 社会問題の解決(少子化・犯罪数・ブラック企業)
  3. 労働意欲の向上
  4. 社会保障事務の簡素化

デメリット

  1. 財源の確保
  2. 相対的貧困の増加
  3. 労働意欲の低下
  4. 企業の人材選別

 

是非相反する意見も見受けられますが、日本が導入するには財源の確保が難しく、実現性は乏しい思われます(国民に全員7万円/月を分配すると100兆円必要となり、国の一般会計の規模となります。特別会計を加えても社会保障を再構築する必要があります)。

 

それでも尚この政策をあえて検討すべきなのは、AIによる仕事の減少が始まったからにほかなりません。大学生の就職環境は大きく改善されましたが、AIによるイノベーションはそのスピードを増しています。前にも紹介しましたが、野村総研から日本の仕事の49%がAIに置換わると報告があります。アメリカでもオックスフォード大学は、アメリカの総労働人口の47%がAIに置き換わる可能性があると発表しています。OECD平均では57%、中国に至っては77%と報告されました。また、職種としては銀行業務(融資担当)が98%を筆頭に、受付・弁護士補佐・販売員・運転手が90%を超えています。この結果を反映してかどうかわかりませんが、日本のメガバンク3行が揃って窓口業務のリストラを発表したのはご存知でしょう。

 

この時代に求められる価値ある仕事の源泉は、3つのキーワードに集約されます。

  1. クリエイティブ
  2. マネージメント
  3. ホスピタリティー

しかし、すべの人がこのキーワードにまつわる仕事に携われるはずもなく、既にヨーロッパではベーシックインカムの導入が検討されています。

 

さて皆さんは、現在の仕事がこの先どうなるか考えたことはありますか?

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新規参入者

2017年10月25日 水曜日

医薬品メーカーの体質転換が叫ばれていますが、生活習慣病の時代が終わり、MRの存在価値が問われるようになっています。16年度のMRの総数は約63,000名で前年と比較してほぼ横ばいです。しかし、各社ともMRの方向性が明確ではなく、MRのプロモーション活動にも新しい参入者が現れるようになりました。今回のメルマガでは、この参入者についてみてみます。

新規参入者は、2種類に大別されます。
1 協力関係から競合関係へ(卸・CSOの新規事業)
2 新しいテクノロジー(WebやAIの活用)

1 協力関係から競合関係へ(卸・CSOの新規事業)

・シミックは、複数メーカーの同一領域における非競合品を同社MRがプロモーション活動を行う「シンジケートセールスフォース」を本格展開しています。メーカーは、MRを減らし、オンコロジーやバイオへリソースを割く傾向が強まると予想し、手薄となるプライマリー領域のプロモーションを請け負うことで、メーカーにおいてプロモーション量の確保を提案しています。

・メディパルは、医薬品のプロモーション代行業務を開始しています。MRの資格を持つMSが、メーカーのMRと同様に医療機関にプロモーション活動をします。医薬品卸は、利益率が1%と低迷する中、プロモーション代行事業を新たな収益源と考えています。メーカーは基幹病院を中心にMRを配置し、中小病院やクリニックは卸が請け負うという発想です。全国の供給網を医薬品のプロモーションに活用できると考え、この3月時点で2000人のMR資格者を抱えています。

・アルフレッサは、MSの医療経営士認定試験合格者が500名に達しました。地域包括ケアの考え方や用いる専門用語をMSも身に着けることで、地域で生じる課題やニーズの解決に積極的に対応できるようにするのが狙いで、今後も増員を図る方針です。この方針はメーカーのエリア担当の方向性とも重なり両者が業務で重なることになります。

卸・CSOの新規業務は、MR業務の代替を目指すものであり、メーカーMRとの直接の競合関係が発生することになります。今までの業務の協力関係が、棲み分けのボーダレス化による競合関係へと変質するかもしれません。

2 新しいテクノロジー(WebやAIの活用)

・エムスリーは、在宅医療の医師に特化した医薬品のプロモーションサービスを始めました。MRが接触しにくかった在宅医にネットで代替し、メーカーから販促費を得る事業モデルです。在宅医に特化した医師向けサイト「在宅君」を展開します。今後、地域全体で高齢者を支える「地域包括ケア」の進展で在宅医の役割は拡大すると見ています。

・日本IBMは、武田薬品にAIでMRの業務を支える仕組みを提供します。AI技術を使うコンピューター「ワトソン」を使ったシステムを開発しました。AI活用で医薬品情報の検索にかかる時間を導入前に比べて半減でき、MR活動の効率化が図れます。同様に第一三共には木村情報技研を通してコールセンターのシステムを提供しています。

・エイザスは、AIサービス「Forecast-A1」のターゲティング医師分析でMRの生産性向上を目指します。「Forecast-A1」が発見したディテール反応度が高い医師をより多くカバーすることで、売上が予測以上に上昇することが証明されたと発表しました。この機能により、MRはより効率的な活動が可能になるとしています。

新しいテクノロジーは、人間の仕事を大きく変えるといわれています。野村総研の推計では、日本の仕事の49%がAIの進展で消滅するといわれています。上記はMR業務の効率化をうたっていますが、その先はMRのプロモーション業務の代替にたどり着きます。

テクノロジーでMR業務の効率化を進め、プライマリーやエリアのプロモーションを外部に委託すれば、メーカーのMR数が大幅に削減されることになるでしょう。これは、製薬メーカーに限ったことではなく、一般企業では今までも行われてきたことです。今後MRとして生き残るのか、活躍の場を広く求めるのか、選択を迫られる時期がそこまで来ています。

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ワトソン先生

2017年9月27日 水曜日

前回はITによるパラダイムシフトを取り上げましたが、AIの進化は、人間の職業に大きな変化をもたらします。野村総研のレポートでは、今後20年以内に日本の労働力人口の49%に当たる職業が消えると報告されています。

その具体的な例として、三菱東京UFJ銀行では、「事務作業の自動化やデジタル化で9,500人相当の労働量の削減を実現したい」と明らかにしています。人数は三菱東京UFJ銀行の国内従業員の約30%に相当します。一方で、従業員をよりクリエーティブな仕事に振り向けるとしています。つまり、生産性の低い職種はAIに積極的に置き換わっていくという実例です。このような現象は今後増々加速していくものと思われます。

 

この流れは、医師の世界でも現実のものになりつつあります。大学入試で医学部は最難関といわれ、優秀な成績でなければ入学できません。しかし、(法律の改正が必要ですが)AIの発達は医師の仕事の80%を奪い看護師や母親で代わりができてしまいます。AIを活用することで、通常の診察はAIの判断をより早く正確に実施できる能力が求められます。80%の医師はブルーワーカー化し、現在とは大きく異なる医療現場になります。

 

日本でも、大塚製薬がIBMのAIワトソンを活用した精神科治療支援ソフトを発売し、数値化しにくい精神疾患の症状などの医療データを有効活用し、医師の治療を支援しています。精神科では症状や病歴など重要な医療情報は、電子カルテに自由に記述されているため、数値化がしにくく、閲覧や分析に時間がかかっています。言語処理が得意なワトソンを活用することで、膨大なデータを分析し、有効な治療法などの情報を共有できます。もう一歩進むと、AIが最適な治療法を選択し治療方針まで決めることができるようになります。

 

既に隣の韓国ではAI診断を実施している病院があります。

『「Ask Watson(ワトソンに尋ねる)」――。医師がモニター画面上のこの表示をクリックすると、男性患者は思わず身を乗り出した。映し出されたのは、数年先までの詳細な治療や投薬の計画。医師は一言だけこう付け加えた。「ワトソンによると、これがあなたのベストな治療法です」韓国ソウル郊外、仁川市にある嘉泉大学ギル病院は昨秋、米IBMの人工知能(AI)「ワトソン」を国内の病院で初めて導入した。助言の対象となるのは、乳がんや肺がんなど8種類のがん。昨年12月には、病院の1階に「人工知能がんセンター」を開設。約半年で、既に400人の患者が「ワトソン医師」の助言を受けた。 ワトソンに尋ねるときは、患者の属性や過去の手術・治療経験など、20~30の情報を入力した後に、「Ask Watson」をクリックする。ワトソンは世界中の論文や治療データなどを元に、複数の治療方法や投与する薬の情報を導き出し、優先順位をつけて表示する。最新の研究成果も迅速に反映できるのがワトソンの強みだ。』(日経からの抜粋)

 

韓国では、ワトソンの導入には反対意見も存在しますが、すでに数病院での導入が決まり、今後も増えていきそうです。特に医師不足の地方の病院での導入は、質の高い専門医療が受けられる点でメリットと考えられています。日本でも、地方の医師不足が叫ばれる中、導入は地方から進むかもしれません。その先には、ワトソン教授やワトソン部長が医療方針の決定に大きく関わってくることが予想されます。その時に求められる医療はなんであるか、今と異なった映像が見えてきます。

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パラダイムシフト

2017年8月30日 水曜日

今回のメルマガは、Medical&Pharmaから離れてITの世界を覗いてみましょう。ITの発展は、しばしばパラダイムシフトを引き起こすといわれています。

 

パラダイムシフトとは

その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化すること。

 

その端的な例が自動車の自動運転といわれています。現在の自動車産業のトップに位置付けられているのはトヨタ・VWですが、EV(電気自動車)が主流になることでコモディティー化(同質化)が進み、参入が容易になり差別化が難しくなります。その時の競争は、自動運転をはじめとするIT技術だといわれています。そのため、トヨタの競合はVWといった旧来からの企業に加えて、グーグルやMSといったIT企業へと広がっています。当然、トヨタもこの分野に多額の投資を行い、シリコンバレーにTRIという研究所を設立し、200名以上の研究者を集めていますが、どの企業が勝者になるか全く予断を許しません。

 

このようなITを駆使したパラダイムシフトは、あらゆる産業で起こっています。製造業だけではなく、金融や不動産といった非製造業も無縁ではありません。フィンテックやリテックといった言葉で業界ごとのビジネスイノベーションを表現しています。

 

その根幹をなすコンピューターも、従来型のコンピューターの1億倍の演算速度(3年分を1秒で処理)を持つ量子コンピューターがカナダのベンチャーから発売され、日本のグーグルを目指すリクルートが購入したと話題になりました。今後は、IBM・グーグル・MSといった企業が開発を急ぎ日本も国の予算がつきました。このことからAIや自動運転の開発が大幅に進みそうです。

 

ここまでは、ヘルスケア以外を取り上げてきましたが、ヘルス(バイオ)テックという派生語も出てきました。ITの進化は、医薬品開発のパラダイムシフトを後押します。

米MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏によれば、ネット・AI・ブロックチェーンと来て、次に続くのはバイオテックだと述べています。

現在の創薬は、FDAが定めたプロセスで多額の費用が掛かります。しかも、従来型の開発手法だけでは成果が出せないので、ベンチャー買収でしのぐようなことも行われています。一方、グーグルやアップルはデータさえ解析すれば最適解が見つかると見誤り、方向性を失っています。バイオは複雑系なので、コントロールされた長期の実験と分析が必須となり、ただデータを集め解析しただけでは役に立ちません。そこは、他の産業で起こっているパラダイムシフトとは異なるところです。そして勝者は、従来の製薬企業なのかITの巨人なのかこれから新しい土俵での競争が始まります。

 

さて皆さんは下記の言葉をどの程度知っていますか。知識欲の旺盛な医師との会話に用いると喜ばれますよ。

 

「ブロックチェーン」 ビットコインの基盤技術。廉価でリスク回避できる分散型システム。

「ビットコイン」 従来の金融機関で掛かった手数料(運営コスト)が要らない仮想通貨。

「シンギュラリティー」 人工知能が人間の脳を超えるタイミング。

「AI」 人工知能。artificial intelligenceの略。

「IoT」 internet of thingsの略。あらゆる物にインターネットが組み込まれ繋がる。

「ディープラーニング」(深層学習) 人工知能の学習方法。機械学習から代替わりで飛躍。

「自動運転」 5段階で進化。現在は第3段階。2025年に最終の第5段階到達を目指す。

「フィンテック」 金融を司る新たなITテクノロジー。

「ライドシェア」 Uberが広めたタクシーの相乗りシステム。シェアリングエコノミー(遊休資産の有効活用法)のひとつ。

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中分子医薬品

2017年7月26日 水曜日

次世代の創薬技術として注目を集める「中分子医薬品」に、製薬各社が名乗りを上げています。中分子は聞き慣れない言葉ですが、核酸医薬品に代表されるペプチド医薬品となります。

「オプジーボ」「キイトルーダ」などの抗体医薬品は、分子のサイズが大きい高分子医薬品で、効果は高いのですが、製造に手間がかかり価格が高くなります。また開発も難しく1品目創生するのに数年かかるといわれています。標的への特異性や結合力が強く、タンパク質同士の結合を阻害するのは得意です。しかし、その大きさゆえ細胞内に入ることはできません。経口投与ができないというデメリットもあります。また、標的分子の枯渇という現実に開発競争は熾烈を極め、限界も見え始めました。

一方、以前からある薬の多くは、分子サイズが小さい低分子医薬品となります。化学合成でき安価かつ経口投与が可能で、分子量が小さいので細胞内に入り込め、細かな標的を狙うのに適しています。ただ様々な細胞に広く作用するため、切れ味は悪くて副作用も多く、生活習慣病を中心に画期的な医薬品の創生は終了したといわれます。

その中で注目の集まる中分子医薬品は、両者の中間の大きさで、高分子医薬品の効果を持ち、低分子医薬品のように経口投与も可能で、化学合成できるため製造コストも安く抑えられると期待されます。

低分子・中分子・高分子の明確な定義はないようですが、低分子医薬品は分子量500以下、高分子医薬品の分子量は15万程度で中分子医薬品はその中間の数千といわれています。

分子量による特徴
    副作用 特異性 経口剤 合成 コスト
低分子  ×   ×   ○   ○   ○
中分子  ○    ○   ○   ○   ○
高分子  ○    ○   ×    ×   ×

では、このようにメリットを併せ持つ中分子医薬品の開発が、今まで進まなかったのはどうしてでしょう。それは、体内での安定性に問題があり、目的の細胞まで到達する前に分解されて効力を発揮できないことにありました。

この開発を可能にしたのは、東大発の創薬ベンチャーペプチドリームです。ペプチドリームは、体内でも溶けにくいペプチドを大量合成する技術を確立し、高分子化合物の数十倍のスピードで有望な医薬品の候補を見つけだすことに成功しました。

また、このペプチド自体はシクロスポリン等の医薬品で商品化されていますが、これは天然由来で化学合成されたものでなく、合成にはコストがかかりました。この合成技術が確立されたことで注目を集めるようになりました。

今後は、新薬=高価という方程式を覆し、副作用とコストに優しい中分子医薬品の開発に期待したいと思います。そのことが、医療制度の安定的維持にも貢献するからです。

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費用対効果

2017年6月28日 水曜日

政府の骨太の方針に関して日経新聞から抜粋します。
『政府は9日夕に臨時閣議を開き、経済財政運営の基本方針(骨太の方針)と新たな成長戦略「未来投資戦略2017」を決定した。骨太の方針では、幼児教育の早期無償化に取り組むなど「人材への投資」を強化し、生産性の向上を目指すと明記した。素案で示していた特許切れ新薬の価格を後発薬の水準まで引き下げたり、患者負担を増やしたりする方針は自民党の議論を踏まえ、盛り込まなかった。』
薬剤費の削減に関する事前の情報では、2つの施策が盛り込まれる予定でした。
1. 長期収載品の薬価を後発品の薬価まで引き下げる。
2. 後発品がある新薬を選択した場合、差額を患者負担とする。

しかし、自民党や製薬会社の反対で削除したと解説されています。長期収載品の薬価引き下げに新薬メーカーが反対するのは当然と考えていましたが、新薬と後発薬が同等の薬価になることで後発薬が使われなくなると、今回は後発品メーカーが反対の立場をとりました。いろいろな団体の利害が絡み合って、具体的な施策に踏み込めなかったのが本音です。

そんな中で、厚労省から、骨太の方針に盛込まれた薬剤費の適正化の施策として、薬剤の費用対効果の大規模調査を実施すると発表がありました。
『1年の延命にかかるお金として適切な水準を探り、薬の効果と価格の関係を示す「費用対効果」を判断する材料の一つとする。一般の見方からあまりにも離れた高額の医薬品には値下げを促すことで、医療費の適正化につなげる』

この考え方は、多くの先進国で検討されていますが、既に英国では導入済みで、英国立医療技術評価機構(NICE)が「患者が1年間生きられるために公的保険が投じる推奨ラインは2万~3万ポンド(約280万~420万円)」などと設定し、それを超える高額薬は公的医療保険から外すなどしています。その手法はオプジーボの価格にも反映され、発売当時の英国の価格は日本の薬価の20%以下、日本の薬価が半分になった現在でも40%以下となっています。更に、肺がんの適応追加で値下げを検討しているそうです。費用対効果の判断基準に一般の国民を引き入れることで、患者目線の施策として議論への理解を得たいという思惑が見えてきます。

しかし、この施策は一面的で、新薬開発の視点が抜け落ちています。イノベーションの価値をどこに見出すのかも大事な要素となります。医療費の削減を薬剤費だけに押付け、薬価を下げることだけ追求していけば、次の新薬を開発する原資を失い難病で苦しむ人のための技術革新は滞ることとなります。社会保障費の負担とメーカーの利益のバランスをとることが最も求められる課題と言えます。

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メガファーマ

2017年5月31日 水曜日

2016年度医療用医薬品売上(億円)

  1. ファイザー                57,072
  2. ノバルティス             53,384
  3. ロシュ                       44,308
  4. メルク                       40,596
  5. J&J                               38,648
  6. サノフィ                      36,955
  7. ギリアド                      35,097
  8. アッヴィ                      29,609
  9. GSK                             28,767
  10. アストラゼネカ            26,565
  11. アムジェン                   26,552
  12. テバ                             22,828
  13. BMS                            22,436
  14. イーライリリー            20,862
  15. バイエル                      19,910

参考

〇 武田薬品                     15,689

〇 アステラス製薬           13,117

※16年末の為替レートで換算

 

この中から気になるメーカーをピックアップしてみます。

 

〇ファイザー

4年ぶりに医療用医薬品の売上でトップに返り咲き。ただし、エッセンシャルヘルス部門の比率が高く、イノベーティブヘルスでは3位以下に位置付けられる。

トップ商品の「プレベナー」は、米国での高齢者接種が一巡しマイナス。既存薬は厳しい。

一方で、オンコロジーの「アイブランス」が急成長し補っている。

今後も全方位で事業を展開するが、オンコロジーの抗体医薬品などが成長のキーとなる。

 

〇ロシュ

この5年間、着実に売上を伸ばす。イノベーティブヘルスでは売上No.1。その特徴は、成長のキーワードであるオンコロジーと抗体医薬にある。

強さの源泉である「リッキサン」「アバスチン」「ハーセプチン」は盤石に見えるが、バイオシミラー各社はこの3剤を標的に開発を進めている。そのため、1兆3,000億円を超えるトップの研究費をオンコロジーに集中特化する。

 

〇メルク

生活習慣病が中心で、売上は長期にわたって減少。しかし、オンコロジーのPD-1抗体薬「キイトルーダ」の開発に成功し、この流れを断ち切った。

一方で、既存薬の後継品開発にはほぼ失敗し、「キイトルーダ」の成長にすべてを託す。先行する「オプジーボ」とはまだ売上に差があるが、FDAから肺がんの併用療法が承認され優位に立つ場面も出てきた。現在約400本の治験を実施しており、8,000億円を超える開発費の大半を「キイトルーダ」につぎ込んでいる。

 

〇ギリアド・サイエンシズ

以前からHIVやインフルエンザなど抗ウィルス薬に強かったが、C型肝炎の「ハーボニー」と「ソバルディ」を発売し、売上を3倍規模に伸ばした。

健在患者には行き渡った感があり、既に売上は下降線に入ったが、従業員は少なく効率的な運営を行っている(日本では300人の従業員で売上3,000億円)。純利益は1兆5,000億円を超え、利益率45%を誇る。

今後は、肝がんなどのオンコロジー分野への参入を予定。

 

〇アストラゼネカ

日本では、「クレストール」「シムビコート」「ネキシウム」と低分子薬が堅調に推移するが、世界的には減少に転じ、今後本格的なパテントクリフでもう一段の苦戦を予想する。

元来、オンコロジーに強いイメージであったが、新薬に恵まれずその勢いが失せていた。ここにきて、PD-L1抗体をはじめ有望なオンコロジー製剤の治験が進んでいる。順調にいけば3~5年後にV字回復も見込める。

 

〇ブリストル・マイヤーズスクイブ

数年前にパテントクリフで苦戦を強いられたのを機に、アメリカ版ロシュに大変身(オンコロジーと抗体医薬に特化)して成果が表れている。

日本では小野とコプロしている「オプジーボ」の東アジア以外の販売権も有し、開発品も豊富。それだけに、ファイザーのM&Aの対象ではないかと噂されたことがある。

 

〇武田薬品

オンコロジーと消化器の開発拠点を日本からアメリカに移し、日本にはCNSの開発チームとiPS細胞のチームしか残らない。

市場の伸びが期待できない日本から海外へと大転換を図るが、苦戦を強いられている。最近になって有望な新薬がM&A先から育ってきたが、まだまだ予断を許さない。

国内1位の冠は第一三共に渡したが、未練は無いようだ。世界企業として生き残る最後のチャンスにかけている。

 

〇アステラス製薬

合併や選択と集中といったキーワードでここ10年にわたり国内で評価されてきたが、全てが中途半端に終わろうとしている。次の合併話もあったが結局動けず、選択と集中も徐々に参入領域が拡大してしまっている。

「イクスタンジ」の成長に陰りが見える前に、次の施策がうまくいくか試されることとなる。

 

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中小調剤親父のため息

2017年4月26日 水曜日

皆さんはこの数字が分かりますか?

24,000 
55,000 
58,000

 

日本全国を津々浦々カバーする郵便局は24,000軒、今や生活の糧となるコンビニは55,000軒です。調剤薬局がそれを上回る58,000軒となります。政府の号令の元、1990年代から医薬分業が急速に進み、現在では分業率が70%を超えるまでになりました。コンビニは大手3社に集約されつつありますが、調剤薬局は上場4社を合計しても10%に満たず、最大手のアインホールディングでさえ1,000軒程度に留まっています

 

1980年代に病医院での薬剤の使い過ぎが医療費増大の原因とされ、薬剤は薬剤師が管理する医薬分業が推奨されました。結果、開業医は懇意のMRと組むことで、息の掛かった門前薬局を大量に誕生させます。大病院の門前にも薬局が林立していますが、これだけ増えると当初の目的であった医療費削減が果たせたのか疑問が残ります。ここにきて調剤薬局にも規制が掛けられることとなり、「門前薬局の報酬規制」「GE薬剤への誘導」「かかりつけ薬局の推進」といった新たな報酬体系に対応できなければ存続が厳しくなってきました。

 

開業医の高齢化とともに廃業する門前薬局も少なくありませんが、中小のチェーン薬局も「薬剤師の確保」「システム投資」「後継者育成」と、それぞれ難しい課題に直面しています。

 

M&Aキャピタルパートナーズ(MACP)によると、調剤薬局はもっともM&Aの多い業種だそうです。再編の進んだ英国ではブーツ社が圧倒的なシェアを持ち、親会社のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスの総資産は、日本でトップのアインホールディングズの55倍となっています。これからの日本でも、「調剤薬局の集約化」と「非効率な中小薬局の統廃合」が進むとともに、外資による大手のM&Aも視界に入ってきます。益々、中小調剤薬局の親父のため息が聞こえてきそうです。
 
調剤薬局ランキング
1位 アインファーマシーズ
234,843百万円(前年対比25.0%増)  2016/4
2位 日本調剤
219,239百万円(前年対比20.6%増)  2016/3
3位 クオール
124,957百万円(前年対比 9.3%増)  2016/3
4位 総合メディカル
120,776百万円(前年対比11.9%増)  2016/3
5位 メディカルシステムネットワーク
87,715百万円(前年対比16.1%増)  2016/3
6位 ファーマライズHD
39,506百万円(前年対比 3.4%増)  2015/5
7位 メディカル一光
29,305百万円(前年対比11.1%増)  2016/2
※非公開のクラフトの売上高は、1,635億円(2016/3)

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数学と医療(未病2)

2017年3月29日 水曜日

2015年の7月に未病についてのメルマガを書きました。その時に紹介した東京大学生産技術研究所の合原教授が、3月11日のテレ東の番組クロスロードで取り上げられ、未病へのアプローチが着実に進化していることを知りました。

 

番組の紹介ページからコピペした内容です。

「数学を社会の役に立てたい!」そんな思いを抱き研究に勤しむ世界的数理工学者、合原一幸(62歳)。内閣府が支援する最先端研究者30人にも選ばれた“日本の頭脳”の1人。脳、人工知能、自然災害、医療、経済など社会の様々な問題が研究対象で、数学を駆使して様々な問題を解決している。合原は2012年に「病気になる前に病気の予兆を見つける手法」を数学的に開発。これは漢方の世界では「未病」で知られる考え方で、漢方研究の最先端をいく富山大学で実証実験中だ。さらに前立腺がんの治療においても画期的な数式を生み出していた。

教授はカオス理論における日本の第一人者とされ、カオスを『混沌』の解釈で留めるのではなく、アルゴリズム(計算方法)が存在することを実証されています。ただしこの理論を理解できる人は、世界でも天然記念物のトキの羽数(100名)にも満たないと推測されています。その成果は、AIの開発、風力発電の効率的運用といった産業技術にとどまらず、服飾デザイナーが実現できずにいた「煙」をモチーフにしたウェディングドレスをも完成させています。ちなみにこのドレスは、東京コレクションで発表され、歌手の倉木麻衣さんがステージ衣装として愛用されています。

 

さて本題である病気とのかかわりですが、HIV感染による死亡推計モデルから10年で死亡数が急減すると予想した通り、治療薬を飲み続けることで死を前提としない病気となりました。最近では、インフルエンザの死者数を最小限に抑えるためのワクチンの最適数量モデル、今回番組で紹介された未病モデルや前立腺癌の間欠的ホルモン療法(ゾラデックス)の投与間隔モデルといった多岐にわたるものがあります。

 

未病に関してですが、「動的ネットワークバイオマーカーによる病気悪化の予兆の検出」を2012年12月10日にネイチャー・パブリッシング・グループの総合科学雑誌「Scientific Reports(サイエンティフィック・リポーツ誌)」(オンライン版)に発表し、研究会が発足しました。また富山大学和漢医薬学総合研究所で実験が進んでおり、マウスの遺伝子解析からアルゴリズムに基づく結果が出ています。正常なマウスと病気のマウスの中間帯にゆらぎ(波)を見つけ漢方薬を投与したところ、多くのマウスが正常化して病気の発症を抑えられました。研究者も驚くべき結果だったようです。この研究が進めば、生活習慣病などの病気の発症を防ぐことが容易になります。

 

病気の治療が複雑化する中にあって新しいアプローチを知ることは、知的レベルの高い医師と付き合うMRにとって武器の一つとなります。今回のメルマガを話題として活用していただければ幸いです。

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3万分の1の戦い

2017年3月1日 水曜日

薬価制度改革が決まり、製薬会社は体質の改善を求められています。

 

医療用医薬品が上市に至る確率は3万分の1。この10年で研究開発費は倍増し、売り上げに占める研究開発費は11.7%と、全産業平均の3.3%に比べて突出しています。

 

それでも先発メーカーは新薬を創出し続けなければ先細りは免れません。しかしながら、新薬開発の難しさは増すばかりで、メガファーマによるバイオベンチャーのM&Aも活発に行われてきました。

 

そこで、今後の売上に影響を与える企業別に国内の開発案件を数えてみました。「P3~申請」と「P2~申請」を下記に列挙します。これを見て、MRの皆さんはどのように感じられるでしょうか。

 

          P3~申請 P2~申請
ノバルティスファーマ 26    36      
ファイザー      26 (P2+P3) 26    
アストラゼネカ    24    31      
小野薬品       22    27      
MSD          20    26      
中外製薬       19    23      
バイエル薬品     18    25      
アステラス製薬    15    18      
武田薬品       15    19      
第一三共       15    18      
イーライリリー    14    17      
アッヴィ       12    17      
サノフィ       12
GSK          11    17      
ノボノルディスク     9     10      
ヤンセンファーマ   9     13      
大塚製薬       8     17      
塩野義        8     10      
セルジーン      7      9
大日本住友      7      9        
ブリストルマイヤーズ 7      8        
キッセイ薬品     6      7        
帝人ファーマ     6      9        
NBI          6
EAファーマ      5     6        
協和発酵キリン    5     10      
大鵬薬品       5      9        
田辺三菱製薬     5      9        
マルホ        4        
持田製薬       4      5        
杏林製薬       3      4        
三和化学       3        
ゼリア新薬      3      5        
久光製薬       3      3        
MeijiSeikaファルマ 3      5    
メルクセローノ    3      6        
旭化成ファーマ    2      3        
エーザイ       2     10      
興和         2      4        
参天製薬       2      3        
千寿製薬       2      4        
日本新薬       2      3        
UCBジャパン      2          
生化学工業      1      2        
帝国製薬       1      2        
トーアエイヨー    1      2        
東レ         1      2        
富山化学       1      2        
あすか製薬      0      2        
科研製薬       0      2        
大正製薬       0      2        
日本たばこ産業    0      3        
富士フィルムファルマ 0      1        

 

 

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武田薬品の逆襲は成るか

2017年2月1日 水曜日

昨年末はオプジーボに始まった薬価問題が薬価改革に飛火し、年1回の薬価改定が現実のものとなりました。この動きにより、医薬品メーカーは改革を迫られています。  

 

そんななか動きを活発化させる武田は、ウェーバー社長の元、日本企業では類を見ない思い切った改革に着手しています。

 

昨年の主だった動きを紹介します。

 

○開発中の呼吸器薬をアストラゼネカに700億で売却

○開発初期の糖尿病薬・肥満治療薬を中止

○重点領域を『がん』『消化器系』『中枢神経系』『ワクチン』に絞る

○特許切れ薬をテバに移管し『テバ武田』を設立。事業譲渡益約1,000億円

○世界5か国にある研究所を日米に集約。再配置に750億円投資

○英クレシェンド・バイオロジックスにがん治療薬で最大810億円投資

○武田薬品、京大・横浜市立大とiPS細胞で共同研究(8件目の研究)

○子会社の和光純薬を富士写真フィルムに約1,500億円で売却

○カナダ・バリアント胃腸薬部門買収(1兆円超)が破談

 

今年に入ってもこの動きは激しさを増しています。

 

○米アリアド・ファーマシューティカルズを6,200億円で買収、がん分野を強化

○米バイオVBに140億円出資(がん治療の技術で提携)

○湘南の研究員を3分の1程度に削減(1,000名→300~400名)

 

アリアドの買収が注目されますが、武田は過去にも大きな買収を実行しています。

 

○2008年 米ミレニアム・ファーマシューティカルズ(約9,000億円)

○2011年 スイスのライコメッド(約1兆1,000億円)

 

2007年当時、武田の営業利益率は30%強もあり、潤沢な手元資金によってミレニアムの買収を賄いました。今回のアリアド買収額は、ミレニアムより3,000億円も少額ですが、4,600億円以上を借入金で賄う予定です。主力4製品がパテントクリフを迎え、営業利益率が8%弱と低迷している上、米国で訴訟の和解金を支払ったことが影響しています。

 

借り入れをしてまで買収を決めたのは、この10年で唯一の成功体験がミレニアムの買収だったからです。数年前に湘南の新研究所が完成し、盤石な研究体制が整ったかに見えましたが、日本の研究所からは生活習慣病の改良薬しか創成できていません。今の売上トップである「ベルケイド」をはじめ、ブロックバスターの期待が高い潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬の「エンディビオ」や、血液がんの「ニンラーロ」はミレニアムの開発です。アリアドは、白血病や肺がんの新薬候補を持ち、がん治療薬を充足できると期待しています。もっとも、この新薬候補がブロックバスターに育つかどうかは未知数です。しかし、そこには他の選択肢がなかったとも言えます。

 

結果として『がん』と『消化器系』の研究所はミレニアムの実績があるボストンに集約し、湘南には日本でも創成可能な『中枢神経系』(大塚や大日本住友が成功)と、京大発の『iPS細胞』の研究だけが残ることとなり、湘南研究所は600名以上の大リストラが実施される運びとなりました。

 

武田は重点領域に特化した戦略を打ち出し、今後とも更なる買収を仕掛ける方針です。厳しい経営環境が続く中だけに、この領域にかける強い思いが感じられます。純粋な日本企業とは言えない状況ですが、日本発祥でありながらグローバルメガファーマに対抗できる存在になることを願います。一方で、同じく厳しい環境下にある他のメーカーは、生き残る知恵があるのか不安だけが残ります。

 

メルマガの読者であるMRの皆さんも、生き残りをかけた自己改革が必要となるでしょう。働き方の根本から見つめ直し、職業を選択することが求められます。MRが減るだけでなく、MR活動が分化して専門性を求められるでしょう。メーカーによっては、営業活動をすべてアウトソーシングするかもしれません。その時のために自分磨きを忘れないでください。

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薬価改革

2016年12月21日 水曜日

厚生労働省は11月24日、超高額の抗がん剤オプジーボの薬価を2017年2月1日から50%引き下げると官報で告示しました。当初の25%引き下げ方針が、市場拡大に伴う薬価制度の不備や海外との価格差から批判を招き、50%の大幅なものとなりました。混乱はありましたが、正当な価格設定だと納得できるものです。しかしこれが呼び水となって、薬価の抜本改革まで話が波及することとなりました。

 

オプジーボは画期的な薬剤として評価されるべきものですが、医療経済での位置付けを間違ったことでマイナスイメージが医薬品市場全体に及ぶことになりました。これは薬価制度があるがゆえに、日本のメーカーにマーケットを読み切る力(政策能力)が備わっていなことを表しています。

 

新聞の見出しから、その後の流れを時系列に追ってみます。

11/23

 ・薬価を毎年改定へ 後発薬値下げ、医療費抑制 

11/25

 ・諮問会議「薬価改定の毎年実施」案を提示 

 ・首相、薬価「年内に抜本改革」 毎年改定で調整

11/30

 ・薬価毎年改定に反発強く 中医協で議論始まる 

12/6

 ・「薬価、毎年見直しを」 諮問会議民間議員が提言 

12/7

 ・諮問会議民間議員「薬価の毎年改定、全品対象を」 

 ・薬価改定「最低年1回」 諮問会議が一致 焦点は対象範囲へ 

 ・薬価改定 崩れる聖域(上)2年ごとから毎年へ

12/8

 ・薬価改定 崩れる聖域(下)医師会の懸念払拭なら

 ・薬価差益は誰のものか 

12/13

 ・薬価、18年度から全品毎年調査へ 政府方針 

12/14

 ・薬価の毎年改定、高額薬などは容認 日医会長 

 

通常、農協改革でもあったように、諮問会議の案は最初こそ厳しいものの、最後はある程度柔軟になるものです。ただし医薬品メーカーにはJAのような有力な圧力団体がないため、日医が条件付きで認めたことで流れが決まったと言えます(日医はその代り、技術料の値上げを求めてくるでしょうが)。

 

■新聞の論調も厳しさがさらに増している

 

この原稿を書いている最中の16日には、政府の「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」の原案が、中医協での業界ヒアリングを経て明らかになりました。その基本は、国民皆保険の維持とイノベーションの推進の両立にあります。

 

その主な内容をまとめてみました。

・全品を対象とした薬価調査と薬価改定を毎年実施する

・現在の薬価調査に加え、中間年には大手事業者を対象に実施する(四大卸?)

・効能拡大等で市場拡大した薬剤は、年4回の新薬収載時に見直しをする

・新薬創出の加算制度はゼロベースで抜本的に見直す

・費用対効果評価を導入し、イノベーションのための研究開発投資の促進を図る

 

元来、薬価改革に関係なく変革を怠った企業は、市場から淘汰されると言っても過言ではありませんが、今回の薬価改革は、企業の変革のスピードアップを促す非常に厳しい内容と言えます。政府も、全ての医薬品メーカーが生き残れる制度は廃止し、新しいビジネスモデルを確立した企業だけが成長できる制度へと舵を切りました。

 

MRも存在価値を見直され、クライアントである医師や流通業者に認められないと淘汰される宿命にあります。費用対効果の中にはMRも含まれると考えれば、自分の存在価値を少しでも高める努力が必要となります。

 

まずは、自分の能力のステップアップを目指して何かを変えていきましょう。私のMR時代は、日曜日の夜は話題作りのための情報収集に充てていました。何が存在価値に結びつくかは個人によって異なりますが、日曜日の夜をそのための時間に充てるぐらいの心構えは必要です。

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何のランキング?

2016年11月16日 水曜日

1. 小野薬品工業  148
2. アステラス製薬 107
3. 武田薬品工業  101
4. 塩野義製薬    63
5. エーザイ     45
6. 大日本住友製薬  41
7. 第一三共       32
8. 中外製薬     30
9. 田辺三菱     30
10. 大塚HD            20

 

このランキングが何であるか、皆さんにわかりますか。実は、この3か月間に日経新聞の記事に出てきた国内メーカーの回数を集計した結果となります。

 

記事の掲載数はその会社の注目度を表していますから、この3カ月は小野薬品に話題が集中していたことが分かります。日本を代表する武田やアステラスの1.5倍の記事が発信され、良くも悪くもオプジーボが圧倒していました。

 

2位には、武田を抑えてアステラスが入っています。今期、過去最高益を予想されているだけに、武田を上回る注目を集めています。同じことが4位の塩野義にも言えます。

 

売上規模のわりに登場回数が少ないのは第一三共と大塚です。両社とも国内販売は好調ですが、大塚は、昨年米国でエビリファイのパテントクリフを迎え、シェアの9割を失いました。連結の売上も20%近くダウンしています。第一三共もオルメテックの特許切れを控え、それをカバーする製剤が育っておらず同じことが想定されます。これらは既知の情報なため、話題性に欠けた遠い存在となります。

 

中外は、第2四半期の決算が6月ですので、決算内容がこの時期の記事に反映されず、実態はもう少し上位に位置するかと思われます。
 
このような視点から日経新聞を眺めてみると、現時点での会社の勢いが見て取れます。

 

では、上位3社の記事の中から気になるものを、最新の話題としてご提供します。

 

1. 「オプジーボ」3つの壁 薬価下げ・副作用・競合薬
オプジーボは優れた薬剤ですが、3つの壁を指摘されています。
○国は50%の薬価引下げ調整。しかし、まだ英国の倍以上の価格です。
○想定されていなかった「重症糖尿病」「重症筋無力症」等の副作用が発現。
○MSDからPD-1抗体薬が発売準備中で、P3にはAZ等のPD-L1抗体薬があります。
BMSはオプジーボの肺がんの治験を失敗、MSDは成功しています。
これらの要因で株価が下がり、時価総額は最高時の6割程度に減少しています。

 

2. アステラス、思わぬ「M&A」の追い風
アステラスのグローバル主力品である前立腺がん治療薬イクスタンジは、米国メディベーションが創出し開発・販売で提携しています。この会社を、サノフィやロッシュとの競争に勝ったファイザーが買収します。当初、アステラスにとってマイナス要因と考えられましたが、ファイザーに決まったことでプラス要因として受け止められています。ファイザーの販売力と開発力でこれまで以上の成長が見込めるからです。

 

3. 武田、1兆円買収の期待とリスク
武田は、事業選別を大胆に実施し、M&Aを繰り返しています。
○消化器の品ぞろえが豊富なカナダのサリックスの買収を約1兆円で検討。
○検査薬メーカー和光純薬を2千億円で富士フィルムに売却。
○英国の創薬ベンチャークレシェンドに820億円を投資。
がん・中枢神経・消化器に集中し、M&Aを実施しています。欧米に比べて規模の小さな日本メーカーは数兆円に達するようなM&Aは難しく、小型のベンチャーが中心となりますが、過去に1兆円以上で買収したライコメッドとの相乗効果が不充分な中で、この案件は経営にとってもリスクを抱えることになります。

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高額薬剤から垣間見える矛盾

2016年10月19日 水曜日

このメルマガでも、何度か高額薬剤について取り上げましたが、再度この問題を考えてみます。

 

今月の初旬のTVニュースで、81歳の末期がんの女性がオプジーボの投与で食べ歩きできるまでに改善した元気な姿と、主治医の笑顔を流していました。続けて、この画期的な薬剤を発見した京大の本庶名誉教授がノーベル賞候補であると伝えていました。

 

その一方、オプジーボの薬価については、国会でも取り上げられ、厚労省の中央社会保険医療協議会・薬価専門部会では、薬価の引き下げが検討されています。高額薬剤が、医療財政を脅かす元凶だと言わんばかりです。

 

この二つの事実が、日本の医療制度の抱えた矛盾を一気に表面化することになりました。科学によるイノベーションと高齢化による医療財政の破綻という難しい舵取りを求められています。今回は、数ある問題点から2点に絞って述べていきます。

 

○誰にでも使えるのか。

 

高齢者で劇的な効果が認められたことは、科学の勝利で称賛に価すると思います。しかし、急速に進む高齢化の時代に、年間3500万円かかるオプジーボを誰にでも使っていいのかどうか疑問が残ります。この方が40歳代であればいいニュースなのにと思ってしまいます。

 

そこで使用ガイドラインが必要ですが、その指標はあるのでしょうか。

 

バイオマーカーによる有効性の予測 
自己負担の増額 
平等性を重視してくじ引き

 

といったことが考えられますが、意見の集約は難しいでしょう。

 

この際、一番公平と思われる年齢で制限するしかないでしょう。後期高齢者のがん治療は緩和ケアに重点を置くべきだと考えます。国立がん研究センターでは、高齢者の緩和ケアの延命効果について検証を始めています。生活レベルを改善することによって、薬物治療より延命効果が認められたという研究データがアメリカにはあるそうです。

 

○高いのは日本だけ

 

抗がん剤市場は、14年の8,533億円から23年には1兆5,438億円に増えると予想されています。このような予想があるにもかかわらず、薬価制度が対応できていません。オプジーボの薬価が、年間500名を切るメラノーマと数万人の患者がいる肺がんで変わらないことの方が不思議です(次回薬価改定時には引下げ対象になります)。

 

また、外国の価格に比べても非常に高いという現実が分かりました。

 

○オプジーボ100㎎の価格
日本  73万円
アメリカ 29.6万円
イギリス 14.4万円

 

アメリカでは日本の半額以下、イギリスに至っては20%以下となっています。イギリスのNICEはメラノーマにはこの価格で推奨していますが、肺がんでは費用対効果の基準を満たしていないとして更なる価格の引き下げを求めBMSと交渉をしています。日本では25%の引き下げが検討されているようですが、株式市場では『値下げ幅が当初予想より小幅』と受け止められ、小野薬品工業の株価が上昇しました。一般の認識では50%値下げも考えられていました。このように、オプジーボの薬価設定のプロセスを追っていくと、厚労省の勇み足と言われても仕方ありません。今後の高齢化時代に対応した薬価を含めた医療制度が必要です。

 

今回は、使用範囲と薬価の2点から問題点を炙り出しましたが、これ以上避けて通れない難問が山積みです。今までの延長線上では対応できないことばかりで、国民皆保険を再考する時期が来たのかもしれません。

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医学部と偏差値

2016年9月21日 水曜日

今回のメルマガは医学部の入試偏差値に焦点を当ててみます。

 

最近の大学入試を見ていると、医学部の偏差値が異常に高いことが注目されます。私の大学受験時代(40年前)も、東大理三を頂点に医学部は最難関と言われていましたが、理系の優秀な生徒は医学部以外にも東大理一や京大工学部など幅広く受験していました。また、私立の医学部は、慶応と慈恵を除くと開業医の養成機関で、承継を考える医師の子息が受験していたと記憶しています。

 

ところが、現在では学部別偏差値のTOP10は全て医学部で、東大理一がやっと12位に顔を出します。すべての国公立の医学部が、北大・東北大・九大といった旧帝大の工学部を上回る結果となりました。私大においては、順天堂においても30年前と比べて偏差値を17.6上げ、地方の政令指定都市の国立大医学部と肩を並べるまでになりました。20以上あげた医学部も4つあり、医学部過熱人気を顕著に物語っています。すべての医学部が、早慶の理工系学部と同等以上の最難関学部となっています。(一部に裏口は存在するようですが)もはや、医学部受験に滑り止めはないといえます。  

 

理系学部別偏差値ランク(2015代ゼミ・河合塾・駿台の平均)

 1 東京大理科三類   74.8

 2 京都大医学部      74.2

 3 大阪大医学部      73.2

 4 慶応大医学部      72.5 

 5 東京医科歯科大   71.1

 6 東北大医学部      70.7

 7 千葉大医学部      69.7

 8 九州大医学部      69.5

 9 東京慈恵医大      69.3

10 名古屋大医学部    69.2

11 大阪市大医学部    68.8

12 東京大理科一類    68.8

13 東京大理科二類    68.5

14 岡山大医学部     67.8

15 順天堂大医学部    67.7

16 横浜市大医学部    67.5

17 京都大工学部     64.3  

 

医学部の偏差値アップベスト10(河合塾1985→2015)

1 愛知医大           +25.1  65.0

2 藤田保健衛生大  +22.6  65.0

3 金沢医大           +20.1  65.0

3 杏林大医学部     +20.1  65.0

5 順天堂大医学部  +17.6  70.0

6 昭和大医学部     +15.1  67.5

7 帝京大医学部     +15.1  65.0

8 埼玉医大           +15.1  62.5

8 北里大医学部     +15.1  62.5

8 東海大医学部     +15.1  62.5

 

なぜ医学部はこれほどの人気になったのでしょうか。それは将来が不確定の時代に入り、医師の世界が安泰と見えるからではないでしょうか。

 

理由を挙げてみました。

1. 東大を出て官僚になっても評価が低く、天下りも厳しくなった。

2. 資格を取っても、弁護士・会計士・歯科医はプアーな職業化が進んでいる。

3. 一流企業に入っても将来の保証はなくなった。

4. 医学部を目指すと言えば、人助けに聞こえ心地が良い。

5. 親も安心し、年収が高いうえ地元に残れる可能性が高い。

 

しかし、収入が将来にわたって保証されるとは限りません。医療費の抑制で診療報酬は削られ、定型的な仕事はコメディカルへと移行するでしょう。

 

現在は高給をとれる臨床医ですが、偏差値が高いからと言って臨床医として優秀かどうかわかりません。iPS細胞の山中教授は、手術が下手で研究者となり成功しましたが、臨床に不向きな医師もかなり含まれていると思います。また、医学という狭い世界で育っていますから、世間知らずでお山の大将もたくさんいます。特に地方に行くと如実にそのことを感じます。

 

今後、医療が高度化すれば、一部の先進的な医療を開発し実践する医師と、多くの定型的な医療に携わる医師とに二分化されるでしょう。後者に日本の有能な人材が埋もれてしまうことに危機感を感じます。他の職業を選択すれば、世界に活躍の場が広がるような能力を持ったエリート集団だけに、医師から新しい世界に挑戦することを期待します。

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新しいメディカルツーリズム

2016年8月24日 水曜日

安倍政権が掲げるアベノミクスの第3の矢に、メディカルツーリズムが含まれています。日本の高度医療をアジアの国々に紹介し、観光とタイアップして高度医療を提供するという仕組みですが、残念ながら、これには多くのライバルが存在します。リゾートとで言えばタイ、遺伝子治療などの先進医療ではシンガポール、美容整形では韓国が強みを持ち、各国とも国の政策の下、患者となる富裕層の獲得にしのぎを削っています。日本の強みと言えるのは、重粒子線をはじめとする放射線のがん治療などの技術と資金が必要な医療ですが、これだけでは患者数が限られ産業として成り立つかどうか疑問が残ります。

 

一方、日本を訪れる外国人の数は月に200万人を超え、直近の7月は前年比20%アップとなっています。インバウンドの爆買ブームは、円高と中国の税制の改正で去ったとはいえ、体験重視のリピーターを中心とする観光客は今後も増えていく予想です。その原動力は、大型クルーズ船です。世界最大級のクルーズ船は、総トン数22万トンで乗客数5,400名にのぼります。

 

クルーズ船の寄港回数(読売新聞8/15)

(港名   2016年  2015年   伸率)

博 多    352    259    36%

那 覇    214    115    86%

長 崎    195    131    49%

横 浜    140    125    12%

神 戸    105     97      8%

上位20港計  1673   1154    45%

 

そこで、一部の富裕層に向けた高度医療ではなく、アジアの中流階級をターゲットにできないか考えてみました。日本の医療の強みを考えてみると、高度医療だけではなく国民皆保険で育まれた質の高いクリニックの存在だと言えます。日本には、高度な設備と専門性を有したクリニックが数多く存在します。このクリニックの医療レベルは、アジアでメディカルツーリズムを推進する他の国には存在しないでしょう。長期滞在を必要とせず、クルーズ客のオプショナルツアーとして、検診や外来治療を提供することは、日本の医療の強みを発揮できます。また、アジアの医療事情から見ても需要は増えると思われます。

 

2020年の東京オリンピックの年には、政府は4,000万人の観光客を呼込む方針ですが、この中にはリピーター客が数多く含まれます。中には、日本で健康診断を受け、定期的に観光を兼ねて治療に来日する患者も増えるかもしれません。日本型体験オプショナルツアーとしてのクリニック版メディカルツーリズムは大きな可能性を秘めています。

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AIとMRの将来像

2016年7月20日 水曜日

AIという言葉がニュースで度々登場しますが、皆さんはその内容をご存知ですか。それは、人工知能 (Artificial Intelligence)と言われています。数年前にチェスで人間がAIに負けたことが話題になりましたが、昨年は将棋が、今年は人間が優位と思われた囲碁でも負け、AIが人間に急速に近づいているという印象を受けています。 もう少し、AIについて理解するために、人工知能学会の紹介を見てみましょう。

 

『「人工知能」とは何だと思うでしょうか?まるで人間のようにふるまう機械を想像するのではないでしょうか?これは正しいとも、間違っているともいえます。なぜなら、人工知能の研究には二つの立場があるからです。一つは、人間の知能そのものをもつ機械を作ろうとする立場、もう一つは、人間が知能を使ってすることを機械にさせようとする立場です。そして、実際の研究のほとんどは後者の立場にたっています。ですので、人工知能の研究といっても、人間のような機械を作っているわけではありません。』

 

それでは、AIと医薬品メーカーとの関係はどうなのでしょうか。医薬品開発においてAIが活躍していることは容易に想像でき、理研の高速コンピューター【京】を用いたゲノム解析で、医薬品メーカーも参加した大プロジェクトがスタートしています。一方で、IBMが開発したAIのワトソンでは、既に商業化に向けた利用が始まり、将来のMR活動にも影響を与えると思われる話題が報道されていますので紹介します。

 

○製薬会社の製品情報センター向け支援システム 木村情報技術

木村情報技術(佐賀市)は、山之内製薬(現アステラス製薬)のMRであった木村隆夫社長が2005年に電話会議システムの販売で設立し、現在では大学や研究会・講演会のオンデマンド配信などで急成長しています。木村情報技術とソフトバンクは、米IBMの開発した人工知能(AI)「ワトソン」について提携し、当面は製薬企業の製品情報センターでの活用を想定したシステム開発を手掛け、2018年年度中に運用を開始します。さらに製薬企業のMRのサポートツールとしての応用も視野に入れています。今後数年以内に訪れる医療ビッグデータ時代を想定し、「ワトソン」を活用した「医療従事者支援システム」など新サービスの提供にもつなげたいと考えています。

 

○精神科治療支援ソフト販売で日本IBMと合弁会社設立 大塚製薬

大塚製薬と日本IBMは、中枢神経領域でIBMのAI「ワトソン」を活用したデジタルヘルス・ソリューション「メンタット」を販売する合弁会社を設立すると発表しました。IBMの「ワトソン」を利用、精神科病院の電子カルテを分析して医師の治療の参考となる情報を提供します。数値化しにくい精神疾患の症状などの医療データを有効活用し、医師の治療を支援します。精神科では症状や病歴など重要な医療情報は、電子カルテに自由に記述されているため、数値化がしにくく、閲覧や分析に時間がかかっていますが、言語処理が得意なワトソンを活用することで、膨大なデータを分析し、有効な治療法などの情報を共有できることをうたっています。大塚製薬は、オンコロジーとCNSへの集中を選択していますので、医薬品だけではなく、幅広くCNSをサポートする体制を整えていくことの表れだと言えます。

 

この二つの事例は、MR活動に直接関与するものではありませんが、AIの発達は想定以上です。必ずしも答は一つでないかもしれませんが、MRの生き残りに何が必要か、将来像を予想するうえでAIは外せません。今後のMRは、AIと連携することでビックデータを的確に活用し、医薬品に留まらず医療全体をサポートする新たな見識が求められることになります。

 

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国内大手6社の決算にみる辛口コメント

2016年6月22日 水曜日

15年度の決算が出そろい、国内大手の中で、アステラスと中外は好調な数字を出していますが、概ね市場の変化に苦しんでいます。この2社も再算定の影響で16年度は伸び悩む予想となりました。今回は、大手の状況を辛口でコメントし、各社のMRに及ぼす影響を推察します。

 

【武田薬品工業】 開発の潮流に乗遅れ、グローバルも国内も苦戦が続いています。国内予想の非開示はその象徴ともいえます。国内は長期収載品をテバとの合弁に移管することで、売上首位からの陥落が現実となりそうです。成長を呼込むためには新薬が必要ですが、過去のブロックバスターを凌駕するものがなく、抗体医薬やオンコロジーなどのトレンドに弱いことも成長が見通せない要因となっています。世界の中堅メーカーとして、得意領域を早く定めることです。

 

〈MRへの影響〉 MRの数は2300名と横ばいですが、中途採用も活発に行っています。プロブレスに代わりアジルバがトップ商品となりましたが、相も変わらずプライマリー領域が中心で、当分はMR活動による売上に期待せざるをえません。当面、画期的な新薬が見込めない中、中規模新薬の実績維持のためMR数は横ばいで推移すると思われます

 

【アステラス製薬】 グローバルでは、イクスタンジで大きく伸びました。その結果、ブロックバスター3剤有すことになりました。しかし、国内では売上げの減少傾向が続き、イクスタンジの再算定が追い打ちをかけています。ミカルディス後を見据え、ベタニスだけでは厳しく、アムジェンから導入する抗体医薬も未知数で、スーグラが大きく伸びる必要があります。得意領域の泌尿器分野では成功していますが、絞込んだはずの重点領域が広がり始め散漫となってきたのが気懸りです。        

 

〈MRへの影響〉 MR数はこの数年2400名と一定ですが、アムジェンへの出向も含まれ、実際は100名単位で減少していると思われます。イクスタンジやプログラフは専門MRが活動を担うため、ミカルディス後を見据えて代わるべき薬剤が必要となります。その候補がスーグラですが、売上を大きく伸ばさない限り、MR数の削減は避けて通れません。ただし、アムジェンへの転籍が調整弁となります。

 

【第一三共】 刻々とオルメテックのパテントクリフが近づき、16年にはUSで、17年には日本で、合計2000億円以上の売上を失うことになります。対応は至難の業としか言えません。それでも国内は、ネキシウムやメマリーの伸びと武田の再編で、売上げトップに立ちますが、足元は火の車で黄色信号が灯っています。リクシアナの成長に期待しますが、競合も多く不透明です。国内では、GEやバイオシミラーの導入を図っています。同じ合併会社であるアステラスに10年遅れてしまいました。

 

〈MRへの影響〉 14年度に希望退職を実施し、リストラは一段落しています。MR数2200名は、長期的にはもう一段のリストラは避けられないでしょう。短期的には、国内の売上でオルメテックの減少分をカバーする必要があり、当分MR数は維持すると思われます。

 

【中外製薬】 ロシュの傘下にありますが、国内で上場しているため国内メーカーに位置付けました。トレンドのオンコロジーとバイオで順調に成長してきましたが、高薬価問題の標的になり、アバスチンの再算定やハーセプチン、リツキサンで新薬創出加算の返還と、実績は足踏みが続きます。しかし、次の抗体医薬も順調に育っており、他の国内大手と商品力の差は歴然です。半面、ロシュの国内販売会社の性格が強く、海外への展開は大きく制限されています。

 

〈MRへの影響〉 MRの高機能化を進めています。15年度はMSLへ100名が異動しMRは減員となっていますが、実質は横ばいの状況です。今後も、きめ細かな情報提供の必要性があり、この傾向が続くものと思われます。一方で、MRが持つ営業のノウハウが失われる恐れもあり、競合が増えたときの競争力が心配です。強い時代のエーザイのMRを彷彿させます。

 

【大塚ホールディングス】 売上の7割を医家向が占め、大塚製薬・大鵬薬品・大塚製薬工場から構成されます。USで、エビリファイがパテントクリフを迎え、4000億円を超える売り上げが消えました。一方、国内は順調に推移し、エビリファイのウェートも10%以下で、GEが発売されても影響は軽微と思われます。しかし、USの落ち込みをカバーすることができず、業績は低迷します。一発屋で終わるかどうか試されていますが、オンコロジーとCNSへの集中の成果には時間がかかり、他社も同様の施策を展開しており、視界不良が続きそうです。

 

〈MRへの影響〉 3社合計でMR数は2400名となり、売上規模からすると数が多いと言えます。今後、オンコロジーとCNSに集中する方針ですが、オンコロジーは、大塚と大鵬と2レーンで展開するには非効率です。ホールディングス内での事業再編を本格化させる必要があり、MRにもその影響が及びます。

 

【エーザイ】 既に赤信号が灯り、開発費や配当の捻出で事業の売却や再編を積極的に続けています。ハラヴェンやフィコンパといった新薬もいくつか発売になりましたが、アリセプトとパリエットの減収は今後も続き、最悪期は脱したものの回復には程遠い状況です。認知症とオンコロジーへ資源を集中し、バイオジェンから導入の認知症薬に活路を見いだせるかどうか、これからが正念場を迎えます。経営判断が遅すぎたことも、傷口を大きくしたと言えます。12年前にアステラスに参加していれば、もっと早い行動が可能だったかもしれません。

 

〈MRへの影響〉 営業体制の再編が終わり、リストラも一段落しましたが、認知症の創薬に失敗したら、さらなるリストラも考えられます。その結論が出るまで数年は今の状況が続くでしょう。MRにも危機感が芽生えそうです。

 

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高額薬剤

2016年5月25日 水曜日

オプジーボが肺がんの適応を取得したことをきっかけに、高額新薬が各種マスコミを賑わせています。以前よりC型肝炎の治療薬でも問題視されてきましたが、オプジーボが進行性の肺がん患者の5万人に使われた場合、1兆7500億円の薬剤費が掛かると公表されてから数字が独り歩きしています。結果として国も対策を迫られ、2年かけて7種類(※)の薬剤の費用対効果を検討することになりました。  

 

※7製剤 

ソバルディ      (C型肝炎 ギリアド)

ハーボニー      (C型肝炎 ギリアド)

ヴィキラックス(C型肝炎 abbvie)

ダクルインザ   (C型肝炎 ブリストル)

スンベプラ      (C型肝炎 ブリストル)

オプジーボ      (抗がん剤 小野薬品)

カドサイラ      (抗がん剤 中外) 

 

マスコミも製薬会社が儲け過ぎと騒いでいるだけで、解決策を提案することはありません。症状による使用制限・年齢制限・自費負担の増加と、どの方法もマスコミにとっては広告費欲しさの保身から主張できないものばかりです。  

 

一方、開発メーカーの小野薬品は、2016年度のオプジーボの売上を1260億円と試算しています。1260億円と1兆7500億円では14倍の開きがあります。売上は上振れするでしょうが、むしろメーカー側が冷静に判断していることがうかがえます。米国の調査会社は、オプジーボの売上を2020年に1兆円程度と見込んでいますから、日本でのオプジーボの売上予想は3000億円程度といえます。

 

医療関係者には、徒に大騒ぎするだけでなく、しっかりとしたルール作りが求められています。その時に必要なのは、高額薬剤や高額医療機器を叩くという単純な視点でなく、医療の本質は何かを問うことです。

 

C型肝炎であれば、肝がんに進行してかかる医療費を比較すれば費用対効果の計算は簡単です。末期がんとなれば、1%でも可能性が残されている治療法に、患者も家族も望みをかけるのは必然です。新薬で生存期間を延ばすこと=医療費の増大につながるわけです。オプジーボの使用で、1年生存率が39%から51%へ改善されました。統計上は素晴らしい効果ですが、一方で49%の方は亡くなられたことになります。加えて51%の方もすべてが寛解するわけでもありません。

 

がんという病気を考えるとき、医療を超えて死の概念を大きく変える必要があります。医療の発達で、日本人の平均寿命は80歳を超えています。そこで、80歳を超えた末期がんは寿命と考え、治療は行わないことを提案します。ここで提供する医療は、高度な緩和ケアです。あえて治療を望む場合、自己負担で対応していただきます。しかし、若年者のがんは、適応患者を明確にしながらも、可能性があれば投与を継続するルール作りが必要です。

 

提案

1. 開発メーカーには、患者マッチングのために検査キットの開発を義務づける。(例えば、検査キットができない場合、薬価を最高30%ダウンさせる)

2. 80歳を超えた末期がん患者は寿命とみなし、社会保障での治療は実施しない。

3. 上記の患者に対し、最高度の緩和ケアを実施する。

4. 上記の患者が治療を望む場合、自由診療とみなし100%自己負担とする。

 

最後に、価格にまつわるお話。 アジア人のメディカルツーリズムでの話ですが、C型肝炎の治療を日本で受けた患者が選ぶ薬剤は、費用対効果からハーボニーではなくダクルインザ+スンベプラだそうです。日本人は、皆保険や高額医療費補助制度で薬剤価格に無頓着ですが、この事例からもわかるように、価格は大きな選択のファクターとなります。

 

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オプジーボ

2016年4月20日 水曜日

小野薬品が発売したオプジーボが注目を集めています。株価も順調に推移し、時価総額も4月12日現在でアステラスを抜き、武田に次ぐ位置付けにあります。オプジーボは、小野薬品が京都大学と共同で開発した抗体医薬ですが、世界初の抗PD-1抗体として競合に先駆けて発売されました。まさに、オンコロジー、抗体医薬、オープンイノベーションといったキーワードを網羅した薬剤です。昨年度は、適応症の関係で大きな売り上げとはなりませんでしたが、非小細胞肺がんに適応が広がり、一気に売上を伸ばしそうです。

 

オプジーボの売上  

2015年度 212億円

   ↓

2016年度 1260億円 

 

小野薬品の2015年度の売上が1,560億円ですから、この一剤で売上げも一気倍増し、また利益も183億円から728億円と4倍増が予想されています。 更に、この薬剤の特徴から、売上は予想を超えるのではないかともいわれています。

 

オプジーボの特徴

●癌種を問わず効果が期待できる

●薬理上、副作用が少ないことが期待できる。

 

米国の医薬雑誌『Fierce Pharma』の2020年の売上げ予想ランキングでも94億ドルと第3位に位置づけられています。

1. ヒュミラ     159億ドル

2. レブラミド  102億ドル

3. オプジーボ      94億ドル

4. ハーボニー      74億ドル

5. プレベナー      69億ドル

6. アバスチン      57億ドル

ただし、日中韓以外はブリストルが販売を行うことから、小野薬品はパテント料を受け取ることになり、上記の金額が売上に反映されるわけではありません。

 

久々に日本初の大型新薬といったところですが、敢えて死角を探してみます。

 

1. 海外勢が強烈な勢いで開発を急いでいます。MSDは米国ではオプジーボより早く認可を受け、日本でも発売が迫り、オンコロジーの経験が豊富な大鵬薬品とのコラボが決まりました。また、ファイザーやアストラゼネカといったメガファーマも注力しています。

 

2. 適応症の拡大とともに薬価の引下げが実施されますが、ハーボニーやイクスタンジのように、予想より売れ過ぎと判断され、特例拡大再算定の対象となることが想定されます。

 

3. 海外ではブリストルが販売するため、小野薬品への貢献度は限られ、世界企業としての脱皮が図れません。藤沢薬品(現アステラス)が、プログラフで欧米での自社販売にチャレンジしたことは、今のアステラスの米国での展開につながっています。欧米での発売権を留保していればいいのですが。

 

4. 副作用の少ないことは想定されていますが、糖尿病の発症といった未知の副作用も報告されており、他の薬剤との比較で今後の評価が待たれるところです。

 

5. 一部に抗PD-1抗体は期待ほどの効果がないのではといった報告も出されています。

 

しかし、オプジーボがファーストインクラスの薬剤であることは事実です。今後、ベストインクラスの薬剤として評価されるのかどうか興味がありますが、小野薬品には、この薬剤にとどまるのではなく、他の抗体医薬や核酸医薬といったバイオ医薬の開発を主導して、国内メーカーの再編の目玉になってほしいものです。

 

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韓国のバイオメーカー

2016年3月23日 水曜日

現在の新薬開発の主流は、バイオ医薬品といっても過言ではありません。中でも、抗体医薬に注目が集まっていますが、今後は核酸医薬等に引き継がれ、従来型の低分子医薬品は、ジェネリックの影響もあり、市場の伸びは期待できないものと思われます。

 

バイオ医薬品は、欧米のメーカーが主導し、ヨーロッパのロシュやベーリンガー・インゲルハイムが大きな生産設備を有しています。一方、日本企業は、一部例外(小野のオプシーボ)を除けば、低分子医薬品の利益に安住するあまり、バイオ医薬品への参入が大きく遅れ、抗体医薬品の研究・開発では欧米メーカーに完敗の状況です。

 

その結果、バイオ医薬品の製造設備は、ロシュ傘下にある中外製薬と協和発酵キリンといった限られたメーカーに見られる程度で、注目されるバイオシミラー(BS)さえも韓国に依存するしかないといった寂しい現状にあります。

 

【日本のBS開発メーカーとその提携先】

・日本化薬    = セルトリオン(韓)

・持田製薬    = LGライフサイエンス(韓)

・明治HD      = 東亜製薬(韓)/ ジーンテクノサイエンス(日)

・日医工       = エイプロジェン(韓)/ ハイニックス(韓)

・協和キリン = 富士フィルム(日)/ アストラゼネカ(英)

・第一三共    = コヒーラス(米)

 

韓国は、国を挙げてバイオ医薬品の受託製造とBSの開発に取組んでいます。1997年の通貨危機を経て政府が新たな産業育成の柱に位置付け、企業もそれに応える形で思い切った投資で生産体制を増強し研究体制を整備してきました。今では、世界の1/3の生産量を誇るまでになり、今後も増強を続けていく方針です。

 

セルトリオンは、昨年時価総額1兆円を超え、レミケードのBSを世界50か国で販売し、ハーセプチンBSも最終段階にあり、リツキサンBSの創製に世界で最初に成功しています。研究開発に売上の30~40%を投入し、売上・研究費とも倍々ゲームを続けています。

 

サムスンは、バイオを次の世代の中核事業と位置付け、サムスンバイオロジクスでバイオ医薬品の受託生産に力を入れています。生産設備を積極的に増強し、ベーリンガー・インゲルハイムを抜いて世界一の受託メーカーになることを目指しています。ここで目を見張るのは、世界から人材を集め、大学にも寄付による学科を新設し、半導体で成功した構図の再現を狙っていることです。また、BS開発のサムスンバイオエビスを設立し、自らBSの開発にも着手しています。サムスンの試算では、半導体の生産管理がそのまま活かせることから営業利益は売上の50%を見込んでいます。

 

この2社以外にも、最古参のLGライフサイエンス、新興勢力としてエイプロジェンやハイニックスも加わり、熾烈な競争が繰り返されています。

 

日本メーカーは、韓国メーカーからBSを導入することで、開発も生産もすべて失うことになります。この構図は、過去家電やスマホで見てきた日本企業の衰退を思い起こさせます。シャープが鴻海に買収されたように、日本の医薬品メーカーが韓国のバイオメーカーに飲み込まれる可能性は否定できません。

 

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特例拡大再算定

2016年2月24日 水曜日

医療用医薬品市場が薬価ベースで10兆5979億円、暦年での10兆円突破は初めてと発表されています。

 

昨年の薬剤別売上ランキング(1-12月)

1 ハーボニー配合剤 1176億円 新薬

2 アバスチン      1153億円 ↑

3 プラビックス   1142億円 ↓

4 ソバルディ    1118億円 新薬

5 ネキシウム      933億円 ↑

6 オルメテック     903億円 →

7 レミケード      865億円 →

8 リリカ        856億円 ↑

9 モーラス       787億円 ↓

10 ジャヌビア      771億円 ─

 

売上ランキングからわかることは、薬剤費の増大の最大の要因は、ギリアド・サイエンシズのC型肝炎治療薬ハーボニーとソバルディが、一気に売上1000億円を突破したことです。特にハーボニーは発売4か月で1176億円、第4四半期(10~12月)だけで1101億円の売上を記録しています。

 

これを受けて、厚労省は、売上1000億円を超える4品目を新たに創設した「特例拡大再算定」の対象品目としました。その結果、ハーボニーとソバルディは50%、アバスチンとブラビックスは25%薬価が引き下げられることになります。

 

この制度に対する反論として

○新薬メーカーの開発意欲を削ぎ落とし、産業育成につながらない。

○診療報酬の抜本的改定には踏み込まず、薬剤費で帳尻合わせをしている。

 

その一方、メーカー側にも大きな判断ミスがあります。

ソバルディ 単純に年間に換算すると1917億円>>>987億円(ピーク予想)

ハーボニー 単純に年間に換算すると3528億円>>>1190億円(ピーク予想)

 

2剤合計の年間換算売上は、5,000億円を超え過去の薬剤では考えられない金額です。この薬剤の売上ピークが短いことを考慮する必要はありますが、あまりにも目につく金額で、特に注目するのは、薬価算定の基礎となる事前のピーク時予想とのかい離が大きいことです。ピーク時予想は2年目にソバルディが987億円、ハーボニーが1190億円となっています。

 

製薬メーカーが、売上ピークを小さく見せて薬価を上げることは、以前よりしばしば見られましたが、今後は、発売前のマーケティングを正確に実施し、このような乖離が起こらないようにする必要があります。正確な情報を提供することが、医療費増大の最大の要因が薬剤費であるという製薬メーカー悪玉論を払拭することになります。

 

「特例拡大再算定」

○年間売上1000~1500億円 予想の1.5倍以上のもの 最大25%引き下げる。

○年間売上1500億円超    予想の1.3倍以上のもの 最大50%引き下げる。

 

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エーザイの覚悟

2016年1月27日 水曜日

・エーザイ、消化器疾患事業を味の素製薬と統合

・積水化学、検査薬会社を224億円で買収 エーザイから

・三菱化学フーズ、エーザイ食品子会社を買収

・エーザイ、中国で後発薬参入 96億円で現地企業買収

・エーザイ、がん・認知症薬に特化 他分野売却へ交渉

・エーザイ、医薬品の資金回収期間の短縮

・アルフレッサ、エーザイ製造子会社を買収

 

上記は、日経新聞で昨年の10月来報道されたエーザイの記事です。医薬品メーカーは、世界的に見ても大型新薬の不足により逆風にさらされていますが、日本国内ではそれに加えて、ジェネリックの使用促進で医薬品メーカーの体力が奪われています。

 

中でもエーザイは、その典型的な企業といえるでしょう。認知症治療薬「アリセプト」や抗潰瘍薬「パリエット」がパテントクリフに直面し、ここ数年減収減益が続きます。

 

売上収益 8,032億円(2009年度) ⇒ 5,485億円(2014年度)

営業利益 1,131億円(2010年度) ⇒ 283億円(2014年度)

 

エーザイの内藤CEOが、「手広くやっていることはもはや自慢にはならず、むしろマイナス」と述べているように、開発領域を特化して競争力を高める戦略に舵を切りました。武田はオンコロジーや糖尿病など、アステラスもオンコロジーや泌尿器など重点領域を明確にしています。 またアステラスは、合併時にサプリ事業・OTC事業・検査事業といった関連分野を売却し新薬開発に特化した経緯があります。

 

エーザイも「次世代の認知症治療薬」と「完治する抗がん剤」に集中すべく、体力がある内に事業再編に踏み込んだ改革に着手しました。幸いなことに、認知症領域は、バイオジェンと数種の薬剤の開発を手掛け、フェーズⅡの結果も良好で日本での治験も始まります。 オンコロジーでは、「ハラヴェン」など4つの新薬を全世界で拡販する体制が整い、米国で免疫療法の新薬開発がスタートしています。今回の事業再編で捻出した資金で、この両分野の開発を促進し、株主配当も維持していく方針です。そして2020年には、幅広い疾患領域を手掛ける「総合製薬」の看板を下ろし、2分野で競争力を持つスペシャリティーメーカーとして再成長の軌道に乗せたいと考えています。

 

エーザイの事業改革

1. 自社は開発に集中 オンコロジー領域 認知症領域

2. グループで当面維持 消化器領域(味の素と) OTC ジェネリック

3. 他社に売却 血液疾患などの領域の開発 食品 検査薬 生産工場

 

しかし、エーザイの再生が確約されたわけではありません。その覚悟が見えてきたという段階で、この改革で一時的に生き延びたとしても、開発メーカーとして生き残るため更なる思い切った戦略が必要です。エーザイの改革はまだ始まったばかりです。

 

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考えるMR

2015年12月24日 木曜日

転職サイトのDODAから、ビジネスパーソンの平均年収と生涯賃金というデータが発表されています。

 

業種別年収ベスト3

1 医薬品メーカー        694万円

2 投信・投資顧問        675万円

3 医療機器メーカー     570万円

 

職種別年収ベスト3

1 投資銀行業務           779万円

2 MR                        731万円

3 経営・事業企画        695万円

(全職種平均年収440万円)

 

詳細はDODAホームページ

http://doda.jp/guide/heikin/#rank_table_01

 

医薬品メーカーの年収が高いことは以前から知られていましたが、最近の製薬業界への逆風をものともせず、高い年収が維持されていることが証明されました。その中でも、MRの年収は職種別でも2位となっています。MRの数を考えると、この位置づけは異例とも言えます。

 

それでは、今後もこの年収が維持されていくのでしょうか。その答えはYesでありNoでもあります。医薬品メーカーに所属する以上、高度な知識レベルと倫理観を持った行動が求められ、そのことが、高い年収に結び付くと考えています。しかし、今のMRとなんら変わらないのであれば、今の年収は高いといわれ、医療費削減の原資とみられるでしょう。

 

矢野経済研究所のMR数予測では、MRのあり方が大きく変化した場合、10年後の2025年のMR数は22,000名にまで減少し、MRのあり方が緩やかに変化することを前提にした場合は52,600名と推計しています。私の見解では、MR活動を情報提供に限定し、最先端のデジタル技術の導入とそれを主導する法律の制定があれば22,000人態勢は可能でしょうが、企業の営業という側面と医療の特殊性から考えて、適正MRの数は40,000名前後と思っています。(全国をカバーできる平均的MR数900名、メーカー数40~50社)

 

IT化の進展で情報の均一化が進み、訪問規制の強化や公競規の厳格化で個性を失い、MRは自ら考えることをやめた職種になりつつあります。このような職種に高い年収を保証することは難しくなります。今、大きくダイナミックに変わらなければ、MRの存在価値も失せてしまいます。そのためには、考えることができるMRになる必要があります。新しいMR像が実現できてこそ、年収にふさわしい職種といえるでしょう。

 

この年末年始は、自分自身の将来を含めてMRを考えてみてはいかがでしょうか。考えることができるMRだけが生き残っていく時代になりました。

 

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ファイザーのM&Aから

2015年12月9日 水曜日

ファイザーがアラガンの買収を発表し話題となっています。買収金額が1,600億ドル(19兆円超)、今年の日本企業の海外買収総額の2倍に当たるなどびっくりするような金額ですが、それ以上にアメリカ政界を巻き込んだ騒動になっています。その賛否の内容をいくつか挙げてみます。

 

■推進派■

・米国内での利上げや世界的な景気減速をにらんだ成長戦略

・法人税の低いアイルランドへの本社移転(米国35%、アイルランド12.5%)

・100プロジェクトを超えるパイプラインの充実

 

この合併でできる新会社の名前はファイザーですが、アラガンが継承会社となり本社をアイルランドに置き、販売部門を米国に置くことを予定しています。売上では、現在No.1のノバルティス(スイスの法人税率20%)を再逆転しトップに返り咲きます。また、節税効果は20億ドル強に達し、20億ドルのコスト削減と3年間で66億ドルの研究開発費の削減が見込めるとしています。

 

医療用医薬品の売上(2014年の実績)  

ファイザー+アラガン    556億ドル

1 ノバルティス     461

2 ファイザー      445

3 ロシュ        401

4 サノフィ       382

5 メルク        366

 :  

 :

17 武田         130

19 アラガン       111

 

■懐疑派■

・「インバージョン」(租税地変換)による節税はフェアでない(米政界)

・ファイザーは、医薬品開発からM&Aが生業となった

・多くの買収を繰り返したが、その割に時価総額が高まっていない。

 

懐疑派の論点は、インバージョンと超大型化への疑念の2点と思われます。 法人税の問題は日本でも問題となっていて、来年度から29.97%への引き下げが決まりましたが、各国政府の方針にもよるので、ここで賛否を述べることは控えます。 超大型化への疑念ですが、過去の大型合併が、必ずしも新薬の創生につながらなかったことは誰もが認めるところです。

 

ファイザーによる大型買収と金額

・ワーナー・ランバート 900億ドル

・ファルマシア     600億ドル

・ワイス        680億ドル  

 

最近の製薬会社のM&Aのターゲットは、GE企業やバイオベンチャーに移ったように思えます。最近のヨーロッパのメーカーの動向を見ても規模拡大ではなく別の道を模索しているようです。M&Aによるファイザーモデルとは一線を画しています。

 

・アストラゼネカとサノフィによる化合物の無償交換(オープンイノベーション)

・ノバルティスとGSKの事業交換(オンコロジー、ワクチン)とOTC分離

・ロシュ低分子医薬品の4工場閉鎖(バイオ医薬への集中)

 

従来のような大型合併によるメリットが享受できるのかどうか、それとも別の道が正しいのか、数年先には答えが出てくるでしょう。

 

一方、日本国内においても事業の変革が起き始めています。

・武田薬品とテバとの長期収載品販売会社の設立

・エーザイと味の素による消化器病薬の販売会社設立

・アステラスからアムジェンへのMRの異動(最終300名?)

 

しかし、小手先の施策も大事でしょうが、この程度の動きでこれからの時代を生きていけるかは疑問です。田辺三菱が5か年計画で連結5,000億円の売上と米国での2,000億円の売上を掲げていますが、新薬開発型として生き残るのはあまりにも小さすぎます。新薬開発型で生き残るためには、ファイザーのような規模は必要としませんが、欧米メーカーに対抗できる売り上げ規模と開発費は必要です。具体的な数字でいうと売上2兆円、研究開発費4,000億円以上が最低限でしょう。

 

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国内メーカーの実力

2015年11月25日 水曜日

先日、4-9月期の国内製品別の売上が公表されました。注目のソバルディが発売即433億円を売り上げ、アバスチンの295億に大差をつけ1位でした。また、11/18には、19製品が薬価収載され、ピーク時の年間販売予想額が300億円を超える製品が5品目含まれています。その内4品目は外資メガファーマの製品でした。ソバルディの「ギリアド」も昨年から日本での営業活動を開始し、来年からアステラスアムジェンとして営業活動する「アムジェン」は、2020年には自社販売に移行します。メガファーマがすべて日本で自社販売体制を整えることになります。一方、希少疾患領域でも「シャイアー」や「バイオジェン」が日本に進出しています。

 

それに対抗する日本メーカーの現状はどうでしょうか。昨年はジェネリックの影響で各社厳しい決算となりましたが、今年は大きな変化もなく順調に業績を伸ばしています。今後起こる医療環境の変化には関係ないといわんばかりの平穏なムードが漂っています。政府は医療費の削減を医薬品に押し付けてきましたが、今後は診療報酬の本丸にも切り込もうとしています。さらに市場は厳しさが増し、企業規模にかかわらず、メーカー各社の生き残り戦略が試される時を迎えました。今回は、国内メーカーがメガファーマに対抗できるのかを数字から検証します。

 

規模が必ずしも成長の指標にはならないと、この20年来の大型合併からも評されています。しかし、新薬開発が困難になり抗体医薬などの高度な技術が必要となると、ある程度の規模が競争の条件となってきます。そこで、どの程度の規模があれば国際開発競争に参加できるのか最低限の数字を考えてみました。

 

【各項目】参考までにイーライリリー(売上高12位)の実績と対比(7掛け)

1 連結売上高    1.3兆円    (リリー 1.9兆円)

2 ブロックバスター 3品目       (リリー 5品目)

3 純利益率     10%    (リリー 14.0%)

4 研究開発費    3,500億円(リリー 5010億円)

 

【欧米で自社販売網を有するメーカー】

武田薬品工業                1 ○  2 ○  3 ×  4 ×

(ブロックバスター:3剤 ベルケイド、リュープリン、パントプラゾール)

アステラス製薬           1 ○  2 ○  3 ○  4 ×

(ブロックバスター:3剤 イクスタンジ、プログラフ、ベシケア)

大塚ホールディングス  1 ○   2 ×  3 ×  4 ×

(ブロックバスター:1剤 エビリファイ 米国5,000億円特許切れで大幅減)

第一三共                    1 ×   2 ×  3 ×  4 ×

(ブロックバスター:1剤 オルメテック 2016年日米欧で特許切れ大幅減の予想)

エーザイ                    1  ×    2 ×  3 ×  4 ×

(ブロックバスター:0剤)

大日本住友製薬           1 ×   2 ×  3 ×  4 ×

(ブロックバスター:1剤 ラツーダ)

 

国内で大手といわれるメーカーでさえ、メガファーマとの差は歴然です。武田薬品とアステラス製薬がどうにか数項目を達成し、わずかな可能性を見いだせます。今後この2社が再編の軸になるか、あるいは大阪に本社を置く、田辺三菱・大日本住友・塩野義の3社が資本を超えて合併し、先の2社に迫るようなダイナミックな行動がなければ、今後の新薬市場は増々外資にシェアを奪われるでしょう。大塚も第一三共も米国でのパテントクリフ以降が不透明なままですし、塩野義や田辺三菱は自社による海外展開ができず、折角の開発品も導出によるロイヤリティーに頼っています。

 

参考

 

                       第2四半期連結売上 第2四半期純利益 

武田薬品             9,040(6.2)          543(-5.4)    

大塚HD※1            7,458(1.6)          685(21.4)      

アステラス            6,875(15.7)      1,029(47.1)    

第一三共             4,784(11.4)        706(40.5)    

エーザイ             2,755(2.4)          111(5.9)      

中外製薬※1            2,402(8.2)          432(0.2)        

田辺三菱製薬           2,017(1.4)          291(-10.4)    

大日本住友製薬        1,898(11.6)        132(12.4)  

協和発酵キリン※1   1,788(13.0)          95(3.7)      

塩野義製薬              1,382(6.5)          214(120.2)    

 

                           年間売上予想    年間純利益予想

武田薬品           18,200(2.4)        680( - )

大塚HD           13,800(-13.2)      800(-47.2)

アステラス          13,840(11.0)   1,720(26.6)

第一三共             9,800(6.6)       750(-76.7)

エーザイ             5,565(1.5)       270(-37.9)

中外製薬                 4,865(5.5)       850(16.4)

田辺三菱製薬           4,180(0.7)       460(10.0)

大日本住友製薬      4,010(8.0)         200(29.5)

協和発酵キリン      3,600(8.0)         276(63.5)

塩野義製薬            3,015(10.0)     590( 33.9)

 

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国内メーカー中間決算

2015年11月11日 水曜日

国内メーカーから第2四半期の決算発表がなされましたので、先週末までの発表内容をまとめました。昨年は、薬価改定とジェネリックの影響でほとんどの新薬メーカーが減収となり、ジェネリックメーカーは大幅増収を記録しています。今年は、大きな要因がなく、各メーカーの状況を反映した中間決算となっています。

 

国内医療用医薬品販売額[億円](前同%)

●武田薬品 2,720(-4.0) 新製品は出るがブロプレス44%減をカバーできず

●アステラス 2,400(4.6) イクスタンジ、主力品の成長で長期収載品をカバー

●第一三共 2,278(2.3) ネキシウム、メマリーが伸長、オルメテックは微減

●大塚HD※1 1,811(6.0) エビリファイ、サムスカ、イーケプラが続伸

●中外製薬※1 1,791(8.3) オンコ領域16.7%増、年間2,000億円突破か?

●田辺三菱製薬 1,473(-5.3) レミケード競争激化、競合新薬・BSと

●協和発酵キリン※1・2 1,353(13.0) ネスプ堅調、アバスチンBSをAZと開発

●エーザイ 1,182(-4.9) アリセプト、パリエット続落、オンコ、CNS注力

●塩野義製薬 784(1.9) サインバルタ大幅増、クレストール在庫圧縮で微減

●大日本住友製薬  740(-5.3) 長期収載品二桁減、ラツーダの国内開発再挑戦

●参天製薬  691(23.3) アイリーア85%増、新薬順調、抗リウマチ領域売却

●日医工  690(13.2) プラビックスAGが順調、レミケードBS申請

●小野薬品  646(7.1) グラクティブ維持、主力品伸長、オプジーボはまだ先

●沢井製薬  590(17.2) DPC病院大幅伸長、生産設備増強、開発センター竣工

●大正製薬HD  527(0.7) ゾシン、エディロール伸長も後発品影響、ルセフィ減

●ツムラ  523(4.1) 西洋医学的アプローチ+疾患・症状アプローチ展開

●キョーリン製薬HD  490(1.5) 呼吸器の新製品伸長、長期収載品・GE減少

●科研製薬※2  487(25.1) アルツ横這、クレナフィン、GE順調

●持田製薬  433(7.2) 循環器減少、中枢神経伸長、バイオシミラー品揃増

●久光製薬  444(-3.8) 後発品の影響で減収、フェントステープ伸長

●日本新薬  322(9.5) 泌尿器・骨形成・婦人科の新製品が伸長

●旭化成ファーマ  371(-1.3) 後発品の影響あり、テリボン、リコモジュリン堅調

●キッセイ薬品  246(2.8) 後発品の影響あり、ユリーフ堅調グルべス伸長

●鳥居薬品※1  294(9.3) 高リン血症リオナ、HIVスタリビルド配合錠急伸    

●日本化薬 248(2.5) オンコロジージェネリック増収、レミケードBSに集中

●あすか製薬 189(-10.9) ブロプレスAG等の武田系は急伸、減収は別要因

●味の素製薬 176(-5.9) 後発・競合品で減収、消化器はエーザイと別会社設立

●ケミファ 169(-1.0) ジェネリック比率90%超、ジェネリック供給を倍増

●日本ジェネリック 154(14.8) 内部取引を含む 100億錠生産体制を整備

 

※1 決算月が異なるため1-6月集計

※2 国内医療用医薬品以外を含む

 

参考 連結売上上位10社 

 

                        第2四半期連結売上 第2四半期純利益 

武田薬品             9,040(6.2)          543(-5.4)    

大塚HD※1              7,458(1.6)          685(21.4)      

アステラス            6,875(15.7)      1,029(47.1)    

第一三共             4,784(11.4)        706(40.5)    

エーザイ             2,755(2.4)          111(5.9)      

中外製薬※1            2,402(8.2)          432(0.2)        

田辺三菱製薬           2,017(1.4)          291(-10.4)    

大日本住友製薬        1,898(11.6)        132(12.4)  

協和発酵キリン※1 1,788(13.0)          95(3.7)      

塩野義製薬              1,382(6.5)         214(120.2)    

 

                           年間売上予想 年間純利益予想

武田薬品           18,200(2.4)        680( - )

大塚HD           13,800(-13.2)      800(-47.2)

アステラス          13,840(11.0)   1,720(26.6)

第一三共             9,800(6.6)       750(-76.7)

エーザイ             5,565(1.5)       270(-37.9)

中外製薬                 4,865(5.5)       850(16.4)

田辺三菱製薬           4,180(0.7)       460(10.0)

大日本住友製薬      4,010(8.0)         200(29.5)

協和発酵キリン      3,600(8.0)         276(63.5)

塩野義製薬            3,015(10.0)       590( 33.9)

 

次回は、この決算内容を読み解いていきたいと思います。

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バイオシミラーの現状

2015年10月28日 水曜日

TPP交渉で、バイオ医薬品に対する注目度が急速に高まっています。売上ベスト10のうち7品目を占める現状からも、バイオ医薬品のデータ保護期間がTPP最後の懸案でした。最終的には日本の再審査期間と同じ8年で落ち着いたことを受けて、バイオシミラー(BS)の現状を考察します。  

 

BSは、先発薬と同じ分子構造を再現できないため、GEは後発薬と呼ぶのに対してBSはバイオ後続薬と呼ばれます。BSが同等の効果を持つためには、高い技術力と資金力を必要とします。そのため現在のBS市場では、低分子薬のように同時に数十社が参入することはありません。昨年レミケードのBSが発売されましたが1社のみで、レミケード自体の売上は維持されています。まだ商機があると、技術力のある大手やバイオベンチャーは、虎視眈々と参入に向けて準備中です。

 

<参入に積極的なメガファーマ>

●ファイザー     ホスピーラを買収(エポジェンBSを欧州で発売中)

●イーライリリー BIとランタスBSを日本と欧州で発売、米国でも認可取得

●アストラゼネカ 協和発酵キリン富士フイルムとアバスチンBSの合弁会社設立

●アムジェン       10品目以上のBSを開発中

●その他、サンドやテバなどのジェネリックメーカーも積極的に展開

 

ファイザーは、2020年のBS市場規模を200億ドルと試算しています。抗体医薬は新薬開発に力を入れるだけでなく、BSにおいても実績のあるメーカーを買収することで市場参入をもくろんでいます。イーライリリーは糖尿病、アストラゼネカはオンコロジーと、自社の強みを生かした参入を目指しているようです。また、アムジェンが実際にどれだけのBSを発売できるのかも注目されます。

 

<日本国内での参入状況 ※発売済>

●日本化薬 レミケードBS※ グランBS※ ハーセプチンBS

●日医工  レミケードBS申請 ハーセプチンBS

●持田製薬 グランBS※ エンブレルBS ヒュミラBS がん治療領域BS

●協和キリン富士フイルムバイオロジクス ヒュミラBS アバスチンBS

●第一三共 エンブレルBS リツキサンBS

●明治HD   ハーセプチンBS ヒュミラBS

●沢井製薬 グランBS※

●リリー    ランタスBS※

●サンド    グランBS※

 

日本では、みずほ銀行が2020年の国内の市場規模を9億ドルと発表しています。大手、中堅、後発と多様なメーカーが参入を検討していますが、自社技術で開発しているのは協和キリン富士フイルムだけで、他のメーカーは他社からの導入を予定しています。国内のバイオベンチャーとの契約は一部で、多くは韓国をはじめとするアジアのバイオベンチャーからの導入です。残念ながらBSにおける日本の開発能力は、アジアでも劣っている状況です。この領域で生き残りをかけるのであれば、外資に対抗できるだけの技術力と資金力を持つ必要があります。

 

新薬は言うに及ばず、GEやBSでも、日本企業の再編が遅々として進まないことに苛立ちを覚えます。

 

バイオ医薬品は抗体医薬を中心に高価格なため、行政はBSを医療費削減の切り札と考えています。新薬で成長できないメーカーの中には、今後の収益をBSに求めることも考えられます。

 

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TPP交渉から

2015年10月14日 水曜日

TPP交渉の閣僚会合で、バイオ医薬品の「データ保護期間」が最大の争点となっていたことは皆さんも耳にしていると思います。TVのニュースも連日この話題に振り回されていました。この「データ保護期間」というのは、特許と何が違うのでしょうか。内容が解りづらいので一度整理してみたいと思います。

 

医薬品の特許は通常20年です。開発に時間がかかり特許期間中に開発費が回収できない場合など特例として最長5年の延長が認められています。通常この特許期間が満了すると、ジェネリック(GE)が発売されます。ブロックバスターが満了時を迎えることをパテントクリフと言い、衝撃の強さを表しています。GEの承認は、既に新薬の臨床データがあるので、物質としての同一性を示すデータを提出するだけで済みます。多くのGE剤が特許切れと同時に発売されるのは、手続きが簡便だからです。

 

しかしアメリカでは、特許と別に薬剤の治験データ保護という法律が施行されています。これにより、FDAに提出する「薬の安全性や効能をまとめたデータ」を、GEを製造するメーカーから保護することができます。一般の薬剤であればこの期間は5年ですが、バイオ医薬品はその開発に費用が掛かることと、技術の熟達に時間を必要とするため、12年という長い保護期間を設定しています。大雑把にまとめると、発売から12年にわたりバイオ医薬品は市場を独占することができるのです。日本にはデータ保護期間という言葉こそありませんが、新薬の再審査期間が8年と設定されており、その間にGEやバイオシミラーを発売することはできません。データ保護期間と再審査期間は同じ概念と言えます。今年の6月に日本でパテントクリフを迎えたプラビックスですが、実は昨年特許は切れたにもかかわらず再審査期間が1年残っていたために、今年までGEが発売されませんでした。

 

アメリカがTPPで要求したバイオ医薬品のデータの保護期間は12年ですから、アメリカ国内法の適応を求めたことになります。それに対し、バイオ医薬品の高騰を危惧するオーストラリアやマレーシアは、一般薬と同じ5年を主張していました。日本は、アメリカとオーストラリアの間を取って8年を主張したといわれていますが、そもそも再審査期間が8年ですから、最終的には国内ルールが落としどころとなりました。

 

いずれにせよ、今後の医薬品開発は抗体医薬や核酸医薬といったバイオ医薬品が中心となります。後続薬であるバイオシミラーも注目を集めるでしょう。今回のTPPでよく名前が出たファイザーでも、バイオシミラーの開発に向けてM&Aを実施しました。

 

次回は、バイオシミラーの現状について考えてみます。

 

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メガファーマの売上変化から見えるもの(医療用医薬品売上)

2015年9月30日 水曜日

昨年、日本ではジェネリックが話題になりましたが、世界ではパテントクリフの影響を受け、多くのメガファーマが売上を落としています。その中で成長を維持できているのは限られた企業です。その共通項は「オンコロジー」「アンメットメディカルニーズ」「抗体医薬」となります。

 

1. ギリアドサイエンシズ (2011年8,385 → 2014年24,890百万ドル 296.8%)

HIV、B型肝炎、インフルエンザといった抗ウイルス剤開発で急成長しました。2013年12月にC型肝炎治療薬ソバルディを発売し、一気にメガファーマの仲間入りを果たし、その合剤ハーボニーも発売。世界的に支持される薬剤となっています。

 

2. J&J(ヤンセン) (2011年24,368 → 2014年32,312百万ドル 132.6%)

J&Jは複数の新薬を上市し、旧来のCNSと感染症から「オンコロジー」「疼痛」「認知症」「ADHD」「C型肝炎」「HIV」と領域は広がり、着実に売上げを伸ばしてきました。しかし、各領域とも競合が激しく前立腺がんやC型肝炎ではシェア争いが激化しています。

 

3. アムジェン(アステラスアムジェン)

(2011年15,512 → 2014年20,063百万ドル 129.3%)

抗体医薬品を中心に多くのブロックバスターを保有しています。しかし、研究投資に見合う売上が得られないため、大きなリストラを断行しました。新薬以外にも10種類を超えるバイオシミラーを開発中です。

 

4. ノボノルディスク (2011年12,413 → 2014年15,801百万ドル 127.3%)

糖尿病領域が売上げの80%を占め、リーディングカンパニーとしての地位を保ち、この5年間で50%の売上を増やしました。バイオ技術にも力を入れ、希少疾患での新薬開発に注力しています。

 

5. バイエル (2011年13,874 → 2014年15,894百万ドル 114.6%)

循環器系に強く、多くの製品を有しています。加えて、オンコロジー、眼科、産婦人科で新薬が売上げに貢献しています。抗凝固薬イグザレルトと加齢黄斑変性治療薬アイリーアが大きく売上げを牽引し、マーケットリーダーとなりました。

 

6. アッヴィ (2012年18,380 → 2014年19,960百万ドル 108.5%)

ヒュミラは世界一の売上を誇ります。この大きな市場に対し、世界中のバイオ関連企業がバイオシミラーの開発に取り組んでいます。売上の63%をヒュミラに依存しているだけに、次の製剤の育成が待たれています。

 

7. ロシュ(中外) (2011年37,169→ 2014年40,083百万ドル 107.8%)

バイオ医薬では世界有数の製品群を有しています。ゼローダのパテント切れやペガシスの競争激化を、オンコロジーの抗体医薬とアクテムラやゾレアの成長で増収増益を維持しています。検査薬も含めたグループの売上では、J&J、ノバルティスに次いで3位となっています。

 

8. メルク(MSD) (2011年41,289→ 2014年42,237百万ドル 102.3%)

循環器、抗炎症、抗生物質に注力してきましたが、パテントクリフを経験しオンコロジー、肝炎、ワクチン等に開発の重点を移しています。オンコロジーではアメリカで抗PD-1抗体がメラノーマの適応で承認され、肺炎球菌ワクチンでも高いシェアを誇っています。

 

9. ノバルティス (2011年47,925→ 2014年47,101百万ドル 98.2%)

ディオバンのパテント切れと為替の影響で売上げを落としましたが、新薬の成長でカバーし、実質増収増益でトップ企業となりました。オンコロジーや希少疾患領域に軸足を移し、そのため、GSKとの間で事業交換を行い、オンコロジーを買収しワクチンを売却しました。

 

10. イーライリリー (2011年22,608→ 2014年19,616百万ドル 86.8%)

ブロックバスターのジプレキサ、サインバルタ、エビスタとパテントが切れ、売上と純利益は大きく落込みました。オンコロジーや糖尿病領域での生残りと、抗体医薬に注力し、バイオシミラーにも進出しています。

 

11. ファイザー (2011年57,474→ 2014年49,605百万ドル 86.3%)

大型買収で世界No.1に成長しましたが、その多くがパテントクリフを迎え、2010年からの5年間で売上げの25%以上を失い2位に後退しています。毎年80億ドルの研究費を投じ数多くの新薬を開発しましたが、カバーできず経営の多角化を進めています。

 

12. GSK (2011年35,623 → 2014年30,724百万ドル 86.2%)

アドエアのパテント切れをデバイスの差別化でしのいできましたが、ここにきて売上げを落としています。事業の再編のため、オンコロジーをノバルティスに売却し、ワクチン事業を買収し、希少疾患やワクチンと一般薬に注力しています。

 

13. サノフィ (2010年43,730 → 2014年37,620百万ドル 86.0%)

循環器、血栓症、糖尿病、オンコロジー、中枢神経系など多岐に渡りますが、アレグラ、マイスリー、タキソテール、プラビックスがパテントクリフを迎え、当面はインスリン製剤やスペシャリティー領域の新薬と、ジェネリックで対応していく方針です。

 

14. アストラゼネカ (2010年32,981→ 2014年26,095百万ドル 79.1%)

ネキシウムがジェネリックの影響を受け、今後も、クレストール、シムビコートのブロックバスターが、パテントクリフを迎え厳しい状況が続きます。今後はオンコロジーのパイプラインを充実させ、抗体医薬を中心に開発を加速中です。

 

15. ブリストルマイヤーズ (2011年21,244→ 2014年15,879百万ドル 74.7%) プラビックスがパテント切れ、エビリファイの契約も終了、売上は25%ダウンしています。その一方、開発をC型肝炎やオンコロジーに集中させ、小野薬品と抗PD-1抗体のオプジーボを共同で開発し、抗CTLA-4抗体の創薬に成功し、がん免疫療法に注力しています。

 

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医薬営業 MRは変わるのか

2015年9月9日 水曜日

今回はMRの今後について考えてみます。

 

日経新聞の8/25・26日朝刊に『変わる医薬営業』というタイトルで、特集記事が載っていました。多くの方がご覧になったと思いますが、サブタイトルをご紹介します。

 

○8/25 地盤沈下 訪問規制、1年で1000人減

○8/26 MSLが台頭 ノルマなし、知識で勝負

 

また、最近のメーカー発表でも営業組織の変更が報告されています。

○協和キリン 病院・開業医各担当営業所制を廃止 地域に合わせ柔軟な体制に

○田辺三菱  MR数と機能の再設計必要 「スピードある決断求められている」

○アステラス MR体制を全製品担当に見直し がん、免疫、移植は領域専任 

○大日本住友 精神神経領域MRの増員に「手応え」

 

このような記事やメーカー発表から見えてくるのは、医薬品を取巻く環境の急激な変化です。ノバルティスや武田に象徴された営業活動への批判と、収益の悪化が相乗効果として営業体制の転換を求めています。

 

その内容をまとめてみると次の4つに集約されます。

 

1.スペシャリティー領域でより深い専門知識を持ったMRを育てる

2.地域の病院や医師同士を結ぶパイプ役としてMRを位置づける

3.営業部門から独立したMSLを育成する

4.インターネットを駆使したeプロモーション(e-Pro)を推進する

 

MSLについては、MRの営業活動に代わるというよりKOL対策の新しい職種と考えるべきで、MR業務と対比することは難しいと考えています。MRに代わってMSLがメインになることはないでしょう。製薬会社も私企業ですから、営業活動は必須のものです。 また、e-Proは各社の掛け声の割に成果が上がっていません。医師が必要とする情報は活用されるでしょうが、メーカーが提供したい情報が届くことは少ないからです。結局、デジタル(e-Pro)もアナログ(MR)とのコラボによるデジアナ施策が必要です。

 

今後も、医薬品の営業の中心はMRが担うでしょう。しかし、環境の変化はその数の減少を示唆しています。1名の医師が懇意にするMRは3名程度だそうです。この環境の変化に対応できるMRだけがパートナーとして生き抜くことができます。 しかし、営業体制が変化しても求められる関係性は変わりません。まずは信頼されるMRになることです。 この連載の第一回で書いた『信頼されるMRになるための極意』で示した4つの極意を再度ご紹介します。

○認知されるまで手を抜くな。

○話題は最新、行動は半歩退く

○得意分野を必ずつくる

○自社の薬剤の弱みと競合品の強みを知る

 

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今年のM&Aから見えるもの

2015年8月26日 水曜日

今回は、世界の製薬メーカーのM&Aから日本の特異な現状を見てみます。

 

日本では、国の施策に沿ってジェネリック(GE)のシェアが急拡大し、TVCMでもわかるように、GEメーカーは我が世の春を謳歌しています。そこには、GEが背負うべき必然性を無視した企業の姿勢が見て取れます。

 

これまで、医薬品メーカーのM&Aというと、中心がメガファーマであり、新薬メーカーがベンチャーを買収するということが常識でした。しかし、今年はその流れが大きく変わっています。あまり注目されていませんが、今年の製薬業界のM&Aの総額は、約36兆円に上り過去最高を記録しそうです。その中心は、GEメーカーの再編にあります。

 

注目されるM&A

○テバ アラガンの後発薬事業を買収 405億

○マイラン 2月末でアボットのアメリカ以外での後発薬事業の買収完了

○ファイザー GE7位のホスピーラの買収を決定 170億

○エンドー・インターナショナル バー・ファーマ シューティカルズ買収 80.5億

 

この理由は2つ挙げられます。

1.新興国での需要増を見越したシェア確保

2.価格競争を生き抜くための規模のメリット

 

日本国内に目を転じると、最初に述べたようにまったく違った光景が見えてきます。世界のGEメーカーが、価格競争に備えて規模の拡大に走り、この合併により世界トップのテバの売上は3兆2500億円(2016年)となります。国内トップの沢井の1240億円(2015年度予想)の実に26倍になります。これは新薬中心の世界トップのノバルティスと日本の武田の約3倍と比較してもその差の大きさが分かります。

 

2017年問題で、日本のGE市場も右肩上がりの状況からスローダウンし、その一方、海外より価格の高い日本のGEは、本来の姿に戻るべく価格の引下げによる本格的な競争にさらされていくことでしょう。そのための対策は、海外メーカーとの価格競争に耐えうるGEメーカーを育成することです。国の政策に守られたメーカーが、ぬくぬくと生き延びていく姿は、過去の日本の新薬メーカーと同じ構図です。日本の新薬メーカーの危機意識の乏しさは、未だに再編の進まない国内を見れば一目瞭然ですが、GEメーカーも同様の姿が見えてきます。その時が来てからでは遅すぎます。

 

GEメーカーの使命は、国民の医療費を各社が重複投資やTVCMで無駄遣いするのでなく、先発薬と同等性が確保されたより安い薬剤を提供することです。そのためには、沢井と日医工と東和が合併して海外メーカーに対抗できる規模になる必要があります。その先には、アジアやアフリカへの展開も考えられます。GEも、国際商品であることをしっかり認識する必要があります。  

 

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売上高上位品目

2015年8月12日 水曜日

2015年上半期(1~6月)の資料によると、売上げ順位は次のようになります。

1.○ プラビックス  <サノフィ/抗血小板剤>

2.◎ アバスチン     <中外/がん(固形)>

3.△ オルメテック  <第一三共/高血圧>

4.◎ ネキシウム     <AZ/プロトンポンプ阻害剤>

5.△ レミケード     <田辺三菱/リウマチ>

6.◎ リリカ           <ファイザー/疼痛>

7.△ ジャヌビア     <MSD/糖尿病(DPP-4阻害)>

8.× モーラス         <久光/疼痛>

9.◎ ダクルインザ  <ブリストル/C型肝炎>

10.△ミカルディス <アステラス/高血圧>

 

※クレストール:アストラゼネカと塩野義の売上を合算すると2~3位に相当

◎対前同比10%超の伸び 

○3~10%

△-3~3

×-3以下

 

ランキングの常連であった「ブロプレス」や「ディオバン」が、パテントクリフを迎えベスト10から脱落。「リリカ」や「ダクルインザ」といったアンメットニーズを掴んだ薬剤が大きく伸びました。生活習慣病領域に関係する薬剤は、「プラビックス」「オルメテック」「ジャヌビア」「ミカルディス」「クレストール」と相変わらず5品目もあり、まだまだ世界ランクとは異なった様相を示しています。

 

快調にトップを疾走する「プラビックス」も6月にGEが認可され、今後は大きく売上げが落ち込むことになります。「オルメテック」や「ミカルディス」もあと数年でパテントクリフを迎えこのランキングから消えることになるでしょう。

 

「レミケード」はバイオシミラーが発売されていますが、大きな落ち込みになっていません。バイオシミラーは参入企業が少なく、GEと比較して大きな競争にさらされていませんが、各社参入の機会を狙っており今後が注目されます。

 

これからランキングに残るのは、バイオ医薬でありアンメットニーズを掴んだ薬剤となります。その代表が9位の「ダクルインザ」です。第2四半期の売上げに限れば7位にランクインしました。しかし、世界2位の売上げを誇る「ソバルディ」(ギリアド)が認可され、シェア争いが激しくなります。開発目標にアンメットニーズを対象とすることは正しい選択ですが、患者が限られることも多く、first in classかbest in classの薬剤を開発できなければ競争に勝てません。

 

世界のランキング(2014)

 

1.ヒュミラ         <abbvie/リウマチ>

2.ソバルディ      <ギリアド/C型肝炎>

3.ランタス         <サノフィ/糖尿病(インスリン)>

4.リツキサン      <ロシュ/がん(リンパ腫)>

5.アバスチン      <ロシュ/がん(固形)>

6.アドエア         <GSK/喘息、COPD>

7.レミケード      <ヤンセン/リウマチ>

8.ハーセプチン   <ロシュ/がん(乳がん・胃がん)>

9.エビリファイ   <大塚製薬/抗精神病(統合失調症・うつ)>

10.ニューラスタ <アムジェン/がん(G-CSF製剤)>

 

ベスト10に残る従来型の薬剤は「アドエア」と「エビリファイ」のみで、生活習慣病の薬剤は11位にやっと「クレストール」が登場する状況です。

 

C型肝炎の「ソバルディ」は発売1年で100億ドルを売上げて2位にランクインしました。今後、日本をはじめとするアジアでの売上げが注目されます。

 

20位までに広げると、神経性疼痛、肺炎ワクチン、多発性硬化症といった薬剤がランクインし、アンメットニーズの取込みを反映する結果となっています。

 

9位の「エビリファイ」は、アメリカで4月にGEが発売され7月には70%がGEに切り替わったと言われています。

 

メーカー別ではロシュが10位以内に3剤ランクインし、安定した強さが目につきます。

 

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未病と医薬品

2015年7月29日 水曜日

今日は少し変わった話題を提供します。 皆さんは未病という言葉をご存知ですか。最近よく聞く言葉なので、てっきり日本語かと思っていたら、日本語としては存在していないようです。実際、広辞苑、現代用語辞典、イミダス等にも掲載されていません。しかし、CMや予防医学の世界では認知された言葉として知られています。そこで未病について調べてみました。

 

参考に養命酒のホームページから引用します。 『東洋医学の病理概念のなかに未病という言葉があります。病気と言うほどではないけれど、病気に向かいつつある状態のことです。例えば、手足の冷えや体の疲れ、胃腸の不調。それは病気のサインかも知れません。未病は病気と言うほどではないけれど、健康でもない状態のこと。健康診断や、検査などで異常がなくても、自覚症状がある場合は、未病の状態である可能性があります。』 未病は、病気でないわけですから予防医学の範疇に入り、その対応は漢方・健康食品・サプリが中心で医薬品の世界とは異なっていると考えられます。

 

その一方、医薬品の概念も近年大きく変わってきました。過去には、医薬品の評価は病気を治すか改善することでしたが、アリセプトや希少疾患薬では、病気の進行を抑えることも医療費の抑制効果につながるとして医薬品と認められるようになりました。この考え方に基づくと、未病から病気への移行のターニングポイントがわかれば、病気になる人だけ抽出して予防薬を投与することが可能になります。病気になって治療薬を投与するより医療費の削減につながれば、医薬品として認知されるでしょう。

 

このターニングポイントが、どのようにしたら解明できるかと思ったら、既に解明されていました。解明したのは、生物学や化学とは全く縁のない複雑系数学者で東京大学の合原一幸教授です。教授は日本のカオスの第一人者で、iPSの山中教授も選ばれた国が最先端科学者を支援するFIRSTプログラム30名の一人で東大を代表する科学者です。決定時90億円(総額2,700億円)の研究費が出る予定でしたが、民主党に政権がかわり30億円に減額されたというプログラムです。

http://www.jst.go.jp/first/about-us/aihara-kazuyuki.html

 

教授は検査値のデータを解析し、新しい数理モデルを考案し、未病が病気に変わるターニグポイントを同定しました。この秋以降、国が中心となり製薬会社を加えた研究会が動きだします。

 

医薬品の開発は難易度が非常に高くなり、今までの発想だけでは成果に結び付きません。増々、多様な人材が求められます。同時に医薬品の概念も大きく変わってくることでしょう。 最後に、山中教授はノーベル賞を受賞されましたが、合原教授はノーベル賞には縁がありません。有名な話ですが、ノーベルが好きだった女性をある数学者に奪われてしまったので、数学に対する恨みから数学賞を外したといわれています。

 

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GEの2017年問題

2015年7月15日 水曜日

政府は、財政健全化計画を巡り、後発薬の使用割合(数量ベース)を2017年度に70%以上、18~20年度の早い時期に80%以上に引き上げることを決めました。

同時に、

(1)医者が後発薬を処方することを原則とする

(2)価格が高い特許切れの新薬を患者が選ぶ場合、後発薬との差額を患者が負担する

(3)後発薬の価格引き下げを含めた価格の適正化

などの歳出抑制策を検討項目として明記しています。

 

これを受けて、GEメーカー各社は勢いづき好決算をたたき出しています。特に物量シェア80%の前倒しに関して安定供給の不安を政府が口にしたことで、各社とも増産の方針を打ち出しています。最近の記事から拾ってみました。

 

○日本ケミファ、50億円投じて供給量倍増へ

○東和薬品、CB(転換社債)150億円増産投資と自社株買いに

○沢井製薬、後発薬の生産能力8割増

○日医工、プラビックスのAGを発売

 

日本のメーカーだけでなく、海外のGEメガメーカーも虎視眈々と日本市場を狙っています。海外メーカーの動きを見てみます。

 

○1位のテバ(イスラエル) 欧州で日本向け原薬を増産、大洋薬品を買収し国内3位

○3位のアラガン(USA) 日本進出を検討

○5位のサンファーマ(インド) クラビットのGEを発売

○6位のアスペン(南ア) GSKやメルクから5品目の日本での販売権を獲得

○10位のルピン(インド) インドに日本向専用工場を設け共和薬品を通じ販売拡大

 

このように、日本のGEメーカーだけでなく、今まで日本進出を躊躇していた海外GEメーカーも参入しています。加えて、ファイザーやエーザイと言った新薬メーカーもGE市場を重要視しています。  

 

しかし、順風満帆に見えるGEですが、2017年を境に逆風が吹き荒れる可能性があります。その原因として考えられるのは3つです。

 

(1)2017年にブロックバスターのパテントクリフの終焉

(2)2017年にはGEシェアが70%を超えシェアの頭打ち

(3)後発薬の価格引き下げを含めた価格の適正化

 

昨年、ディオバン、ブロプレスのパテントが切れ、今年は既にプラビックスが切れました。17年に向けてミカルディスやオルメテックといった生活習慣病のブロックバスターがパテントクリフを迎えます。今まで、GEメーカーの成長エンジンとなっていた一つの要因が消えることになります。同時にGEシェアが80%まで行くとそれ以上の伸びしろが失われます。それに加えて、政府は海外より高いといわれる後発品価格の引き下げを検討することにしています。

 

2017年までは、GE市場の拡大の恩恵で成長を維持できますが、2017年を境にしてメーカー間の競争が始まります。AGや製剤技術を売り物にした販売戦略もありますが、GEは同等性を保証されている以上、最終的には価格競争が勃発することは必至です。GE市場には新薬不足の補填として中途半端に参入しているメーカーも見られることから、規模の大小を問わず、新薬メーカーとして生き残ることも厳しく、GE間の競争にもついていけないメーカーが出てくるでしょう。MRにとっても働き方を選別すべき時代が到来します。

 

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2015年前半トピックス

2015年7月1日 水曜日

今年も早いもので半年が過ぎてしまいました。そこで、時代を象徴する薬の2大トピックスを勝手に決めさせていただきます。

 

1.ソバルディの発売

米ギリアド・サイエンシズが開発した「ソバルディ」が、ついに発売となりました。C型肝炎の「2型(C型の20%)」を適応とし、国内の治験でも97%が治癒という素晴らしい効果を示した内服薬です。1錠(1日)の薬価が61,799円で併用薬のリバビリンを含めると薬剤費に約550万円(12週)かかる計算となります。この価格は非常に高いのですが、海外との比較ではかなり抑えられたものとなり、実際の患者の負担も2万円/月以下と、すべてに配慮した跡がうかがわれます。しかし、想定数以上の患者に処方されると医療費に与える影響も大きく、使われ方次第では問題視されることが予想されます。今後「1型(C型の80%)」を対象とした合剤の「ハーボニー」の承認も控え、この薬剤の動きに目が離せません。
(ピーク時2016年売上予想、患者数19,000名、販売金額987億円)
この売上金額を、現在の120名のMRで担当すると、8億/MRとなり、圧倒的な生産性となります。今後のギリアドの戦略が注目されます。

 

今回の薬価の算定ですが、類似薬効比較方式で、既存の3剤治療から共通の併用薬リバビリンを除いて薬剤費は2万円強となり、画期性加算(新制度になって初の適用)100%で4万円強、最終的には海外との価格調整があり61,799円となっています。(海外の価格は、アメリカ12万円、ドイツ9万円、イギリス7万円)

 

私が若いころは、C型のウイルスの存在は想定されていましたが、ノンA ノンBというあいまいな表現で、肝がんの原因となるウイルスの発見に大学の研修室は競っていました。この30年間でC、D、E、Fと新しいウイルスが確認され、さらに新しいウイルスが報告されています。その中でも、C型は肝がんの原因として最も注目を集めています。

 

2.プラビックスのGE承認

サノフィのプラビックスがパテントクリフを迎え、GEに30社が参入しました。10品目を超えたため、GE薬価は先発品薬価の5掛けで算定されますが、これまでの新薬創出等加算分を差し引いた上で5掛けで運用しているため、GE薬価は現在の先発品薬価43%となりました。プラビックスは国内売上トップ製品で、2014年の売上げは薬価ベースで1287億8700万円でした。昨年も、ARBのディオバンやブロプレスでパテントクリフを経験しましたが、ディオバンはデータ事件の十字架を背負い、ブロプレスは初の先行AG発売もあり、純粋にどの程度減少するか見えていませんが、経済財政諮問会議でGE80%を声高に叫んでいる現状、今後もGEのウエートは確実に上がっていくと思われます。その結果、1年間で60%がGEに置き換わると770億円以上の減収となり、80%が置き換わると1,000億以上の減収となります。この金額は、大型新薬が出ない限りカバーすることは難しく、サノフィの営業体制にも大きく影響してくるでしょう。

 

それにしても医療費の抑制策として、常に後発薬にスポットが当たるのはなぜでしょうか。最大の理由は政治的なハードルの低さです。患者の自己負担を増やすか、診療代を減らすか。どちらを選んでも多くの患者や医療関係者が反対します。減るのが薬代なら、仮に全ての新薬メーカーが反対しても「票は少なく選挙に影響ない」というのが本音でしょう。

 

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国内大手メーカーの決算に見る辛口コメント

2015年6月17日 水曜日

昨年の製薬メーカーの決算は、薬価改定とGEへの処方誘導の政策がはっきりと反映され、暗雲に包まれる視界不良の結果となりました。加えて、新薬開発のハードルは高くなり、20年を目標にGEのシェアを80%に高めることも決定し、今後の生き残りに黄色信号がともっています。しかしながら、メーカーの第二次再編の動きは見えてきません。大きくなることが、必ずしも成長につながらないと言われ、改革のサボタージュの言訳に使われています。

 

日本には、新薬メーカーの指定席は3社程度しかありません。その視点で、国内大手の状況を辛口にコメントします。
1. グローバル展開できる会社は1~2社(売上2兆円以上)
2. アンメットニーズで領域や地域で活動できる2~3社(売上5千億円以上)

 

■武田薬品
米国でのアクトスの訴訟に和解金支払いで、国内でのブロプレスの誇大広告も業務改善命令という意外に軽い行政処分で、国内外の難題の解決にめどをつけた。これから、大攻勢に出たいところであるが、国内を見る限り勢いを感じない。アジルバ、タケキャブ、ザファテックと大型期待の商品は準備されているが、プライマリーケア中心でイノベーションに値する薬剤とはいいがたい。タケキャブも、新規作用機序を売りにするが、PPIと効果に変わりはなくタケプロンの補完である。H2拮抗剤のタガメットで潰瘍の手術がなくなり、PPIのオメプラールでヘリコバクターピロリの除菌を可能にしたようなインパクトはない。日本のトップメーカーとしてイノベーションと呼べるような製品をぜひお願いしたい。しかし、現状を見る限り苦境が続く。新たなM&Aに動くか、日本橋製薬村の新ビルに移転するまでには大きな展開を期待する。

 

■アステラス製薬
国内で合併に最も成功した会社といわれる。過去に決別した姿勢が、高い評価に結び付き、前期も最高の収益を上げている。その一方で、国内は売り上げが6%ダウンと、他社に比べても落ち込み幅が大きい。イクスタンジが予想を超えて大きく貢献したが、スーグラが全く数字を作れていない。今後、海外での好調さと裏腹に、ミカルディスをはじめ多くの製剤でパテントクリフが迫ってくる。アンメットニーズをとらえた商品構成が対策のキーとなる。オンコロジーと泌尿器の市場で存在感がどの程度出せるか問われている。社長がM&Aを否定していないだけに、次の再編のキーになるかもしれない。

 

■第一三共
懸案であったランバクシーを売却し、やっと問題の事業から撤退が可能となった。売却損も最小限に抑えることができたが、新薬事業への回帰も、先頭から見ると1周遅れから2周遅れに差がさらに広がった。合併の効果も発揮できず10年が過ぎ、これから迎えるオルメテックのパテントクリフが最大の試練となる。来年は米国で、その後国内でと特許切れが続く。その対策としてリクシアナの拡大をあげているが、競合が既に先行しており新規性に乏しい。オルメテックのダメージでノックアウトになるようだと、国策としての合併は必須だ。30年前から、生き残る国内大手メーカーは2社といわれていた。

 

■エーザイ
売り上げのダウン幅は10%を超え大苦戦だ。10年前にアステラスへの参加を拒否したような勢いはない。アリセプトでレビー小体認知症やパリエットで低用量アスピリン潰瘍再発抑制を訴えているが、GEの浸食を食い止めることはできない。コプロであるヒュミラやリリカで売り上げを維持している状態だ。神頼みで、オンコロジー領域での拡大に期待する。その組織力を魅力としてM&Aの対象となるかもしれないが、会長の決断次第か。

 

■田辺三菱
レミケード以外に大型品がなく、この薬剤の売上いかんで業績が左右される。既にバイオシミラーが発売され、一般に見られる雪崩のようなGEの参入はないと思われるが、期待する売上げの維持が可能かどうか疑問は残る。また、リウマチ領域は参入薬剤が多く、新患獲得も厳しさが増す。元々多くのメーカーを巻き込んで成長してきただけに、親会社の三菱化学の考え方によっては、次の大きな展開も考えられる。過去には、化学に商事・銀行を絡めて、大手製薬メーカーを三菱グループに加えることが悲願だといわれた時期もあった。

 

■塩野義製薬
クレストールはAZと合算で国内1,000億円を突破し成長を続けている。一方、パテントクリフを考慮して、AZとの間で契約の改定が行われ対策を打っているが、それに続く薬剤が出てこない。昨年、武田との合併話もあったようだが、面子か驕りか破談となってしまった。この規模で生き残るには、アンメットニーズを取り込むしかないが、そのTVCMでは厚労省から指導を受けた。また、この規模の製薬メーカーが乱立することが社会的損失と考える。長い付き合いのイーライリリーと関係を深めるか、武田との関係を再考するか、何らかの選択を迫られる。

 

■大日本住友製薬
社長がMRの見直しに言及したことから現状の厳しさが伝わる。生活習慣病領域での売上確保を考えていたが、予想以上の減収となり、それに続くラツーダの国内開発の失敗で暗雲が立ち込めている。若手MRをオンコロジーやCNSに集めて体制を整えているが、薬剤の開発が間に合うかどうか、もしくは、優秀な薬剤を導入できるか、与えられた時間的余裕は少ない。頼みの米国でもラツーダのパテントクリフが数年先に迫り、出身母体の住友化学による活性化が必要か。

 

■小野薬品
オプジーボで注目を集めるが、決算内容は薬価改定とGEの影響で厳しい内容であった。オプジーボは今後適応が拡大し売上にも貢献してくると思われるが、メルクなどの追い上げもあり競争が一層激しくなる。一方、既存薬は厳しく、オプジーボの収益化まで体力が続くかどうかが大きな鍵となる。海外展開はBMSが担当しており、自社での海外展開は放棄した。BMSと組むことで、フォシーガやオレンシアといった薬剤を手に入れたが、企業のポテンシャルを失うこととなり、今後、人材確保やグローバリゼーションで足かせとなりかねない。

 

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行政改革推進会議

2015年6月3日 水曜日

今回は、各社の決算を辛口でコメントするとお伝えしましたが、この2週間の新聞紙上で、後発薬の話がヒートアップしていますので、急遽、その内容と影響を考えてみます。

 

日本経済新聞の29日の紙面に、『政府の行政改革推進会議(議長・安倍晋三首相)は厚生労働省が掲げる後発医薬品の普及目標「2020年度に80%」の実現を、17年度に3年前倒しするよう求める。後発薬メーカー側が同会議に、供給体制に問題ないとの認識を表明したことを受け、6月にまとめる報告書に盛り込む』。とあり、急激なジェネリックへの移行を検討しています。

 

そこで、最近の後発薬にまつわるニュースを抜き出してみました。
・後発薬「17年度に80%」求める 行革会議、目標3年前倒し
・7社会保障改革エンジン不在  厚労省、「骨抜き」の思惑
・後発薬、医療費抑える? 明確なデータいまだ乏しく
・財政健全化、「本丸」社会保障改革で応酬 諮問会議
・後発薬増やした健保など高齢者医療の負担減
・後発薬とは 特許切れの有効成分使用 開発期間短縮、価格安く
・沢井製薬など後発薬株が高い 市場拡大見越した増産評価
・後発薬、増産へ投資 印大手は日本向け専用工場
・後発薬、20年度に80% 厚労省が目標引き上げ
・病院前薬局の報酬減 厚労省16年度、過剰投薬を問題視
・財政再建、医療にメス 諮問会議で民間議員提言
・厚労省、「病院内に薬局」検討 規制改革会議で
・新薬選ぶ患者、後発薬との差額負担 医療費抑制へ
・財政再建、医療にメス

 

26日の経済財政諮問会議では、厚生労働省の原案が示されていますが、根本的な政策は骨抜きになっています。例えば、年金減額や患者に定額負担を求めるといった国民に求める負担は選挙で逆風を招く恐れがある不人気政策です。民間委員からは本丸に斬り込まない厚労省案に不満が出ていますが、後発薬の問題は、選挙への影響が少なく、厚労省が決めることのできるもので、唯一の目玉として注目を集めているともいえます。

 

民間委員が提案する医療費抑制には次の4つがありますが、すべてが医薬品に関連し、医療費抑制の論点が医薬品抑制におかれています。

 

民間委員の提言
1.後発薬の普及率80%以上を厚労省案の20年から17年に前倒し
2.先発を選んだ患者は、後発品との差額を個人負担
3.2年に一度の薬価改定を毎年実施
4.後期高齢者の医療窓口負担を所得や資産に基づいて決定

 

この方針が決まると、ジェネリックのシェアが、現在50%未満から3年後には80%となり、製薬メーカーに与える影響は計り知れません。
製薬協もこの急激な変化を問題視し、政府への申し入れを行っていますが、ジェネリックメーカーは、外資を含めて生産体制の拡充を急いでおり、供給体制に問題ないと明言しています。 
 
一方で、厚労省には、ジェネリックの促進策を危惧する声もあります。
1.製薬産業育成の必要性
2.ジェネリックの同一性を疑問視
3.ジェネリック促進策にかかる費用(診療報酬)

 

6月に出される報告書にどのように記載されるか、政府の財政建直しが求められている中、予断を許さない状況と言えます。

 

このようにジェネリックの促進策が明確になってくると、各製薬メーカーは、投資を集中するため、自社の方向性を明確に打出す必要が出てきます。その結果、次の4つの体系に分かれるでしょう
1.アンメットニーズを追求する開発メーカー。
2.新薬中心だが、別会社でジェネリックのビジネスを並行して行う
3.新薬とジェネリックを同時に展開する
4.ジェネリック専門メーカー  

 

これからが、MRにとっても、本当の変化の時代に突入します。

 

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国内メーカーの決算から

2015年5月20日 水曜日

国内メーカーの3月期決算発表がほぼ終了しました。最近は、連結決算が重視され、国内市場の変化が見えなくなっていますが、今回は、国内市場における売上に注目します。

 

その前に、連結決算のトピックスを挙げると、武田薬品がアメリカで訴訟の和解のため3,000億円を支払うことになり、大幅赤字に陥ったことでしょう。しかし、この件がなくても、今回の決算において営業利益面でアステラスに逆転を許しました。また、営業利益で前期を上回ったのは、大手ではアステラスと田辺三菱しかなく、その要因も、海外の売上やロイヤリティーとなっており、国内市場での苦戦がはっきりとしています。その原因は、ジェネリックのシェア(GE)が大幅に伸びたことと薬価改定によるものです。

 

 国内の医薬品販売(億円)
武田薬品     5613   △3.6%
アステラス    4817   △6.6
第一三共     4805   △1.1
田辺三菱     3239   △5.2
エーザイ     2455   △13.0
塩野義      1613   △4.1
大日本住友    1566   △8.9
杏林       1118   +1.9
科研       915     +5.8 (医薬品以外も含む)
旭化成      806     △8.4
日本新薬     800     +4.5
キッセイ     596     △2.3
沢井       1054   +17.0
東和       714     +16.0

 

営業利益が伸びたのは、中堅の杏林・科研・日本新薬とGEの沢井・東和となっています。上位メーカーは、軒並み売上げを落としており、年度途中で決算予想を下方修正したメーカーも多く、GEの影響を過小評価しトレンドを読み切れていなかったといえます。

 

政府はGEの普及率を17年度末に60%以上を目標としていますが、80%以上を主張する関係者もいて、先発品を患者が選ぶ場合、自己負担を増やす仕組みを検討しています。先発品を選ぶ場合のGEとの差額を患者負担とし、患者が安いGEを選ぶよう促し、医療費を抑える狙いがあります。このように考えると、GEによる影響はこれからも続くことが予想され、その影響を厳しく捉え経営計画を作成することが求められます。

 

この現状に、大日本住友の多田社長は次のように述べています。
「国内事業では長期収載品は大幅に縮小している。MRは長期収載品のプロモーションを基本的にはしていないが、コストはコストであり、ロナセンやアイミクスなどで今の体制を維持するだけの拡販ができないとなると、経営の効率、必要な利益の確保ができなくなる。経営的に考えて、それ(MR数)をある程度縮小していくことは考えざるを得ない」

 

次回は、各社の決算を辛口で評価します。

 

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MRの知識の幅

2015年4月30日 木曜日

前回、前々回と製薬メーカーの構造変革について考えてみました。その中で述べたように、これからの医薬品は、相対的に治療への貢献度が低下してきます。特に、オンコロジーや希少疾患では、医薬品は主要な治療手段とならない場合もあります。プライマリケアの領域では、医薬品の治療における貢献度が高く、80%以上の患者に効果が認められ、アドヒアランスの向上を追求することで医薬品の売上に貢献してきました。この領域では、自社の医薬品に対する知識が主で、対抗品の知識があればMR活動に大きな問題はありませんでしたが、今後は、求められる知識の幅が大きく広がってきます。医療の現場が、治療のベストミックスを模索するとき、その話についていけないMRは、邪魔な存在として退場するしかありません。

 

週刊ダイヤモンドの4/18号に『がん』の特集が組まれています。新薬として小野薬品のオプジーボが大々的に紹介されています。オプジーボに関しては、日本で初めて認可されたPD-1抗体で、世界のPD-1抗体の開発競争の先頭に立っていることは有名ですが、アメリカでは、メルクもメラノーマの治療薬としてオプジーボに先駆けてPD-1抗体を発売しています。オンコロジーを担当するMRとして、世界のトレンドを知っておくことは非常に大事なことです。同時に、この特集では、ダヴィンチや重粒子線も大きく取り上げられています。

 

ダヴィンチとは、腹腔鏡手術をロボットの支援で進化させたものです。アメリカで開発され、2005年ごろ東京医大に導入され10年が経過しました。当時から、ニュースでも取り上げられ、前立腺がんの手術で高い成功率を誇っていましたが、日本の医師の器用さもあってアメリカほど評判にはなっていませんでした。しかし、過去の慈恵医大や現在問題となっている群馬大学や千葉県がんセンターの腹腔鏡手術を見るにつけ、ダヴィンチは患者にとって安全な手術との認識が急速に広まっています。2012年前立腺がんが保険適用になり、多くの病院で導入が進む中、がん研有明病院では様子を見ることにしました。その結果、前立腺がんの手術が大幅に減り、急遽、昨年秋に導入し、手術数は回復しているようです。患者やその家族はインターネットでダヴィンチが導入されている施設を選んで受診していることがうかがえます。既に、腎・膀胱・肺・直腸・食道・膵臓・甲状腺といった臓器のがんに使用され、婦人科や耳鼻科での導入も始まりました。今後、がんの手術が大きく変わっていくでしょう。

 

重粒子線治療は、以前から放射線医学総合研究所で行われていましたが、現在は兵庫、群馬、佐賀に開設され、今後も横浜、大阪、山形、沖縄に予定されています。重粒子線のメリットは、X線が正常な細胞を傷つけてしまうのに対し、がん細胞にピンポイントで照射できることにあります。私も、放医研の施設を見学したことがあります。診察室はMRIのような放射線の照射装置があるだけですが、地下にはサッカーグランド大の発生装置があり、陸上トラックのような加速器の中で光速に近い重粒子線を発生させ、がんに照射しています。放医研は、日本で最初の施設で医学以外の用途の研究にも利用されているので、驚くほどの規模が必要でしたが、最近の施設は、医療に限定したために1/3の面積と直径20mの加速器が設置されています。それにしても大がかりな装置に違いありません。今後は、重粒子線だけでなく、陽子線やX線の新しい制御技術も開発されており、放射線治療の進化に弾みがかかるでしょう。

 

ダヴィンチや重粒子線のような新しい技術を導入すれば、ベストミックスが刷新され、医薬品の使われ方も変わります。MRがグループ医療の参加者として認められるには、医薬品にとどまらず幅広い知識が必要となります。まずは興味を持って知識を蓄えていくことです。不勉強なまま医師に面会しても邪魔者扱いされるでしょうが、基本知識に基づいた医師への質問は、MRの評価を高めることになります。

 

参考
ダヴィンチは、東京医大のホームページで大々的に情報が公開されています。オペ室の見学は難しいかもしれませんが、WEB上に情報はいくらでもあります。
http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/davinci/top/index.html

 

放射線医学総合研究所は年1回一般開放されていますから、積極的に見学を申込み体験することも必要でしょう。
http://www.nirs.go.jp/index.shtml

 

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構造変化‐2

2015年4月15日 水曜日

今回は、『薬剤販売を超えたサービスモデルの構築』をとりあげます。
前回のテーマを振り返ってみると、今後メーカーに突きつけられる課題として下記の三点を挙げました。

 

・開発の難しさ
・治療満足度の低下=薬剤貢献度の低下
・営業生産性の低下

 

特に、治療における薬剤貢献度の低下は、今までのような薬剤の売上に直結したサービスでは対応できない状況を作り出しています。また、社会的批判によって、医師への直接的サービスが非常に難しい状況が訪れています。既に、メーカーは、新聞やテレビでの疾患啓蒙活動や紙やWEBでの服薬サポートなど新しい取組を進めていますが、これらは、今までのプロモーションの延長線上であり、新しいサービスの展開とは言えません。実際に疾患啓蒙活動は、消費者から厳しい批判を浴びることもあり、厚労省からの規制強化も聞こえてきます。服薬サポートは、紙やWEBで展開されていますが、評価はさまざまで答えを見いだせないのが現状です。

 

しかし、この暗中模索の状況でも、確実にメーカー間の取り組みの差は開いています。ローランドベルガーの報告では、医療関係者に『薬剤販売に留まらないサービス』を受けたことがあるどうか尋ねたところ、メーカー間で8倍の差が報告されています。こうした『顧客経験価値』が長中期的な医師の処方意向に確実に影響を及ぼしているとし、サービスモデルの構築は取り組むべきかどうかではなく、取り組まなければ競争で劣後してしまうほど緊急の課題となっている。と締めくくっています。私は、メーカーに医療関係者や患者への情報提供ツールの企画提案を行っていますが、環境が厳しくなればなるほど売上げに直結する提案が求められ、時代の流れを捉えられないメーカーに疑問を抱くことも度々あります。

 

さて、サービスモデルの構築にとって鍵を握るのは何でしょうか。答えは患者です。もっと具体的に言えば、患者目線です。メーカーが学術レベルをいくら向上させたところで、医師の知識には勝てません。ましてや、オンコロジーや希少疾患で薬剤貢献度が低くなればなるほど、生半可な知識で接することは、かえって診療の妨げになると思われます。MRの知識レベルを上げ、MSLを配置することは必要であっても目的ではありません。患者は、医師に対して弱者の立場にあり本音を必ずしも語っているとは限りません。実は、医師は患者目線の情報が欠けていることが多いのです。メーカーは、個々の患者には接触できませんが、多くの患者の本音を受け取ることはできます。メーカーの的確な患者向けサービスが、医師の診療上のメリットにつながれば『薬剤を超えたサービスモデル』になりえるでしょう。

 

生き残るMRになるためには、有用な情報を医師に提供できるかどうかにかかっています。それが、患者目線からの情報であれば、中長期的な売上確保にも繋がっていくでしょう。今回は、『薬剤販売を超えたサービスモデルの構築』をとりあげます。

 

前回のテーマを振り返ってみると、今後メーカーに突きつけられる課題として下記の三点を挙げました。

 

1.      開発の難しさ
2.      治療満足度の低下=薬剤貢献度の低下
3.      営業生産性の低下

 

特に、治療における薬剤貢献度の低下は、今までのような薬剤の売上に直結したサービスでは対応できない状況を作り出しています。また、社会的批判によって、医師への直接的サービスが非常に難しい状況が訪れています。既に、メーカーは、新聞やテレビでの疾患啓蒙活動や紙やWEBでの服薬サポートなど新しい取組を進めていますが、これらは、今までのプロモーションの延長線上であり、新しいサービスの展開とは言えません。実際に疾患啓蒙活動は、消費者から厳しい批判を浴びることもあり、厚労省からの規制強化も聞こえてきます。服薬サポートは、紙やWEBで展開されていますが、評価はさまざまで答えを見いだせないのが現状です。

 

しかし、この暗中模索の状況でも、確実にメーカー間の取り組みの差は開いています。ローランドベルガーの報告では、医療関係者に『薬剤販売に留まらないサービス』を受けたことがあるどうか尋ねたところ、メーカー間で8倍の差が報告されています。こうした『顧客経験価値』が長中期的な医師の処方意向に確実に影響を及ぼしているとし、サービスモデルの構築は取り組むべきかどうかではなく、取り組まなければ競争で劣後してしまうほど緊急の課題となっている。と締めくくっています。

私は、メーカーに医療関係者や患者への情報提供ツールの企画提案を行っていますが、環境が厳しくなればなるほど売上げに直結する提案が求められ、時代の流れを捉えられないメーカーに疑問を抱くことも度々あります。

 

さて、サービスモデルの構築にとって鍵を握るのは何でしょうか。答えは患者です。もっと具体的に言えば、患者目線です。メーカーが学術レベルをいくら向上させたところで、医師の知識には勝てません。ましてや、オンコロジーや希少疾患で薬剤貢献度が低くなればなるほど、生半可な知識で接することは、かえって診療の妨げになると思われます。MRの知識レベルを上げ、MSLを配置することは必要であっても目的ではありません。

患者は、医師に対して弱者の立場にあり本音を必ずしも語っているとは限りません。実は、医師は患者目線の情報が欠けていることが多いのです。メーカーは、個々の患者には接触できませんが、多くの患者の本音を受け取ることはできます。メーカーの的確な患者向けサービスが、医師の診療上のメリットにつながれば『薬剤を超えたサービスモデル』になりえるでしょう。

 

生き残るMRになるためには、有用な情報を医師に提供できるかどうかにかかっています。それが、患者目線からの情報であれば、中長期的な売上確保にも繋がっていくでしょう。

 

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構造変化‐1

2015年4月1日 水曜日

ローランドベルガーのレポートにある「4つのシフト」というキーワードに注目したいと思います。

 

プライマリー市場で逆風が吹き荒れる中、メーカーは新たな収益源として4つの領域に経営資源をシフトしています。

 

(1) スペシャリティー/希少疾患へのシフト
(2) 薬剤販売を超えたサービスモデルの構築
(3) ジェネリック薬品への参入
(4) 新興国への本格参入

 

この事業領域へのシフトにより、大競争時代に突入したといえます。今回は、MRとの関連性が強い「(1) スペシャリティー/希少疾患へのシフト」を取り上げます。

 

癌・アルツハイマー・リウマチは、プライマリーの疾患に比べて患者の治療満足度が低く、アンメットニーズも同様です。その中には希少疾患も含まれます。メーカーは「スペシャリティー/希少疾患」にシフトし、多くの新薬が開発されています。その結果、「ヒュミラ」や「レミケード」と言った「リピトール」に変わるブロックバスターを誕生させました。一見このシフトが成功したかのようにも見えますが、同時に幾つかの新たな課題が浮き彫りになったのも事実です。

 

1. 開発の難しさ
2. 治療満足度の低下=薬剤貢献度の低下
3. 営業生産性の低下

 

抗体医薬などで新薬の開発が難しくなる中、有望なシードの囲い込みが激しくなり、ライセンスやM&Aが活発に行われています。また、研究範囲が拡大し、自社の研究所では対応できず、オープンイノベーションと言った大学や研究機関との連携も必要となります。そのため、新薬の開発には今まで以上に多額の費用がかかることになりました。そのうえ、病気のメカニズムが複雑過ぎて、進行を遅らせることは出来ても、回復や治癒に繋がらないケースが増えています。

 

従来のMRの営業スタイルから、薬剤を超えて治療に貢献できるMA(メディカル アソシエート)と言った専門性の高いスタイルへの転換が求められます。

 

そもそも「スペシャリティー/希少疾患」は魅力的な市場なのでしょうか。

 

リウマチ市場こそ魅力的に見えますが、大半の疾患はプライマリー領域と比べて患者が少なく、年商も100億円に満たないものがほとんどです。仮に専門性の高いMAが増えたとしても、既存の薬剤との関連性が乏しければ、新たな訪問先を設定する必要があり、営業生産性は大きく低下します。

 

このように「スペシャリティー/希少疾患」へのシフトは、課題を多く含んだものと言えます。この解決のためには、営業の構造変化が求められ、特にMR活動の効率化は避けて通れないものとなります。

 

次回は、MR活動と関連性が強い『(2) 薬剤販売を超えたサービスモデルの構築』を取り上げます。

 

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医薬品と特許

2015年3月18日 水曜日

今迄このコラムでは、「ジェネリック」「パテントクリフ」「オープンイノベーション」と色々な言葉の解説をしてきましたが、すべての元にあるのは特許制度です。そこで今回は、特許についてみていきます。

 

医薬品に限らず特許というのは、特許の内容公開を条件に、独占的に20年間その特許を使用する権利を与えるものです。医療用医薬品の場合は研究開発に要した期間のうち、治験に要した期間と新薬の承認審査に要した期間が「特許期間の延長」の対象となり、最長で5年間延長できます。そのため、申請が承認されれば医薬品の特許期間は最長25年ということになります。

 

医薬品の開発には、10年から15年はかかりますので、特許によって独占的に販売できるのは10年程度となります。『独占』という言葉は悪い印象を与えますが、企業活動の中で、投資を回収して利益を上げるというビジネスサイクルを保証し、安心して研究に投資できるシステムです。

 

しかし、特許が満了してもジェネリックが発売できない場合があります。先発品が再審査期間中は、ジェネリックであっても承認申請にあたって先発品と同等の資料が要求されるため、再審査が終了するまではジェネリックの承認申請は実質的にはできません。

 

基本特許以外に周辺特許(セカンダリー)により、ジェネリックが発売し難くすることをエバーグリーンと呼んでいますが、これには反発が強く、その手法を取りづらくなっています。数年前には、特許の申請をできるだけ遅らせ、似たような製剤の開発とジェネリックの参入を遅らせるといった手法を取ろうとしたメーカーがありましたが、外部に情報が洩れづらいかわりに、他社に先を越されたらすべて終わりです。結局、特許に関しては、今以上の対応策がないというのが現状です。

 

昨年は、ブロックバスターのディオバンとブロプレスの特許が切れ、ディオバンは処方の60%以上、ブロプレスもオーソライズドジェネリックを含め40%がジェネリックに置換わっています。各社とも流れは同じで、今後、医薬品流通量の60%は国の方針通りジェネリックになるでしょう。唯一例外の製品は、アステラスのプログラフです。2008年にアメリカで特許が切れ、一度は販売が停滞しましたが、現在ではグローバルで再成長を達成しています。この例からもわかるように、領域によってはパテントクリフの影響を最小限に抑えることが可能です。スペシャリティー領域をキーワードで表すと、オーファン、オンコロジー、アンメットニーズ、抗体医薬に集約されます。

 

今年は、アメリカでエビリファイの特許が4月に切れます。売上6,000億円の内90%がアメリカでの売り上げですので、4000億円以上が消えることになります。国内では、13年に基本特許が切れている国内売上トップのプラビックスが、再審査期間や周辺特許も終了し6月にジェネリックが発売となります。(海外ではすでに発売済)

 

2017年には、生活習慣病のブロックバスターのすべての特許が切れ、多くの製薬メーカーにとって、プロフィットクリフが立ちはだかります。当然、リストラはMRにも及ぶでしょう。MRとして生き残るためには、自らを磨いていくしかありません。又、企業の選択も重要となります。得意分野を極めるのであれば、特定の企業に属さない方が有利になるかもしれません。この数年間は、後で後悔しないための行動が必要です。

 

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メガファーマの分れ道

2015年3月4日 水曜日

2014年12月期決算から、数社の状況を参考に今後のメガファーマの方向性を見てみたい。
                                       
■ノバルティス 
売上579億ドル(1)       
純利益102億ドル(11)
  
医療用医薬品世界第1位 アルコン(眼科)とサンド(ジェネリック)が好調で売上プラスを確保。グリベック・タシグナ・アフィニトールといったオンコロジー領域が好調だった半面、特許が満了したディオバンは33%減少。今後は、オンコロジー領域を伸ばすとともにサンドを活用してジェネリックで新興国を伸ばす。日本では、副作用報告の問題で3/5~営業停止の命令が出たが、ディオバン問題はまだ解決しておらず、行政の処分内容によってはリストラを含めた次の展開がある。

 

■ロシュ
売上498億ドル(1)       
純利益98億ドル(▲16)

 

特許失効によるブロックバスター転落や肝炎領域の競争激化によるマイナスはあったものの、アバスチン・ハーセプチン・パージェタ・アクテムラ等が順調、売り上げは好調に推移。減益は研究開発費や一般管理費の増加が原因。今後もバイオ医薬に一段と注力し、高収益を維持する方針。医療用医薬品ではファイザーを抜き世界第2位、時価総額では第1位、売上世界1位も視野に入る。

 

■ファイザー            
売上496億ドル(▲4)      
純利益91億ドル(▲58)

 

後発品事業で大型買収。ブロックバスター10品目中7品目で減収。パテントクリフから回復しきれない厳しい状況で売上は3位に後退。売上の半分を占めるエスタブリッシュ部門が9%減、イノベーション部門も3%減、ワクチン・オンコロジーは伸びるが、本体のマイナスは補えず。今後はオンコロジーで売上3位を目指すとともに、買収(2兆300億円)した   (注射薬やバイオ医薬の後発品)の製品をファイザーの販売網で世界中に販売。既に売り上げの半分以上はエスタブリッシュで、そのウエートがますます増大する。

 

■アストラゼネカ        
売上260億ドル(1)       
純利益12億ドル(▲52)

 

アメリカでネキシウムのジェネリックが登場、16年にはクレストールも特許切れを控える。糖尿病薬は順調に推移(113%アップ)したが、パテントクリフの脅威は当分続き、大手では利益率が最も低い。幸い、オンコロジーの新薬候補が豊富なので17年からの収益の回復を見込む。その分、研究開発費は増大し収益を圧迫するのでリストラは避けがたい。日本はアメリカより遅れてパテントクリフが到来するが、今後はオンコロジー中心の再編が本格化。

 

■テバ                  
売上202億ドル(0)       
純利益30億ドル(143)

 

売上は伸び悩んだが、順位は全体の10位以内に浮上、純利益は2.4倍に拡大。多発性硬化症治療剤コパキソンは42億ドルを超え新薬も伸びる。利益率では、サノフィ・GSK・AZを上回る。

 

■ギリアド              
売上249億ドル(122)     
純利益121億ドル(295)

 

C肝治療薬ソバルディ、発売1年で100億ドル突破、100億ドルは史上3製品目の快挙。同社は売り上げで10位以内を確保した。一方で薬剤費8万ドルには批判も多く、日本でも今年の発売が予定されるだけにその動向が注目される。一方、批判をかわすためか新興国向けにインドの後発品メーカーと提携した。その他のHIV関連の製品も順調に伸びている。

 

昨年の決算を見る限り、業績を伸ばしているのは後発品メーカーか希少疾患を含むアンメットメディカルニーズを開拓したメーカーに限られ、メガファーマは軒並み苦戦を強いられている。上記以外のメルク・GSK・サノフィ・リリーも同様だ。

 

各社生き残りをかけた選択を迫られ、新たな戦略が試される時が来た。

 

(1)新薬に一段と注力 ロシュ
(2)新薬を伸ばし、新興国では後発品で市場確保(両面作戦)ノバルティス
(3)後発品事業の本格参入 ファイザー

 

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オープンイノベーション

2015年2月18日 水曜日

弊社(WEEC=ウィーク)は東京都文京区本郷、東大の赤門から100mの距離にあります。赤門をくぐること200mにある『創薬オープンイノベーションセンター』とはご近所様です。オープンイノベーションは、特に製薬メーカーが生き残るうえで欠かせない戦略と位置付けられています。

 

オープンイノベーションをウィキペディアで引くと、『自社技術だけでなく他社や大学などが持つ技術やアイデアを組み合わせ、革新的なビジネスモデルや研究成果、製品開発につなげる方法』とあります。

 

アメリカでは、新薬シーズの60%が大学、大学発のベンチャーから生まれたと言われます。既に欧米ではオープンイノベーションが一般化し、メーカー研究所のあり方が様変わりしました。外資のメガファーマは、約10年前から日本の研究拠点を閉鎖し、医薬品研究から撤退。原因は、日本の成長鈍化とアジアの急成長、円高によるコスト増を挙げていましたが、最大の要因は、研究の中心が生活習慣病からオンコロジーや抗体薬に変化する中、日本の体制が遅れていたことと考えられます。

 

〇日本の研究拠点を廃止したメガファーマ
ファイザー  2007年 愛知
GSK     2007年 筑波
バイエル   2007年 神戸
ノバルティス 2008年 筑波
メルク    2009年 筑波

 

ここにきて『日本版NIH』の創設で状況は一変しています。その変化を日経新聞から抜粋しました。

 

・基礎研究における日本の実力は高い。

・iPS細胞開発など再生医療で世界をリード。

・基礎研究を製品につなげる仕組みも整い始めた。

・2011年までの4年間、ネイチャー・メディシンなど主要科学誌3誌に掲載された医学論文の著者は米国、ドイツ、英国に次ぐ。

・2014年11月施行の医薬品医療機器法(旧薬事法)は再生医療製品のスムーズな承認を可能にした。

・医薬品医療機器総合機構(安全審査)は、4年後までに751人の常勤職員数を4割増やす方針。

 

以上によって、改めて外資が研究所を開設し、大学やベンチャーに熱い視線を送っています。

 

〇新たな研究施設を設置する外資
ファイザー 糖尿病やがんの治療薬
GSK    バイオエレクトロニクス
バイエル  iPS細胞の共同研究

 

日本にも以前から産学共同の取り組みはありましたが、メーカーの意向を受けて大学が研究を行うに留まり、イノベーションを起こすような成果は限られています。京都大学の研究成果を製品化した小野薬品のオプジーボがありますが、欧米での販売権はBMSが持っています。

 

ここにきて、日本のメーカーも事の重大さに気付き、オープンイノベーションに取り組み始めましたが、外資には既に欧米で培ったノウハウがあり、明らかに優位な立場にあります。結果として抗体薬を飛び越え、次世代の核酸薬で巻き返そうとしています。

 

今後、日本でも大学やベンチャーを捲き込んだシーズの獲得競争が激しさを増すとともに、欧米ではフェーズⅢから携わるケースが多い、学術知識や治験ルールに習熟したMSLが増やされてゆくことになるでしょう。

 

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MR考

2015年2月3日 火曜日

MRの6万人超えが話題となっていますが、私がチームリーダーだった20年前にも話題になったことがあります。その時は、医療費増大の対策として薬剤費の見直し論のひとつとして、MR数が取りざたされました。当時の厚生省は、全国の医療機関をカバーするMR数は1社平均600人と算定。この発言の真偽は不確かですが、私の会社では提携会社へ100名以上が転籍しました。厚生省がメーカーに圧力をかけていたのは事実です。しかしその後もMRは増え続けました。その理由は外資の日本進出です。日本企業との合弁でスタートした外資は、日本市場が成長した30年前から一斉に単独進出に切り替えました。まずMRを増やすことでシェア拡大を目指し、厚生省の方針を非関税障壁として強く反発しました。その後Share of Voiceが定着し、「コール数=売上」が常識となってしまいました。

 

当時の基準を現在に当てはめると、600人×72社(製薬協加盟会社数)=43,200人となり、現状より2万人少ない計算となります。3倍の市場があるアメリカですら、MRは10万人から7万人に減少しています。この比率からみても、日本は適正を大幅に超えていることが分かります。ただ、日本とアメリカではMRの活動内容が異なりますので、一概に比較はできませんが、パテントクリフに対応し増大する研究開発費を捻出するためにはMRを含めたリストラは必然と考えます。

 

それでは、この状況にMRはどう対応すべきなのでしょうか。まずは、10年後・20年後を見据えあるべき姿を想定し、実現に向けて努力することです。同様の取り組みにより、私の同期MR(プロパー時代)から、人事部長(執行役員)、法務部長(執行役員 薬学部出身)、アメリカ子会社社長、海外営業部長が生まれています。私は内勤が生に合わないので営業を選びましたが、新規事業の立上げを目標に据え、情報収集のために業界外の幅広い人間関係を築き、実現に至りました。その際の人脈や知識が、図らずも営業成績に結びついたことも事実です。もし、MRとして活躍を続けるのであれば、自分の強みを最大限に活かせるMR像を持つことです。アプローチの方法は一律ではないはずです。まずはご自身の得意分野を見極めることから始めてはいかがでしょうか。

 

最近の専門メディアはこぞってMR業務の質の変化を取り上げています。中には、オンコロジーや希少疾患はメーカーMRが担い、生活習慣病はCSO(コントラクトMR)に移行するといった論調もあります。私は全く逆の見解です。オンコロジーや希少疾患は、1社から新薬がコンスタントに上市されることは少なく、MRを持て余すことになりかねません。それこそCSO(コントラクトMR)の活躍できる市場になります。専門性を持ったコントラクトMRは、薬剤ベースでなく、疾患ベースで常に最新医療と向き合うことができるのです。生活習慣病は売上額での貢献が期待されます。企業にとって売上に貢献できる人材は社内に多く抱えたいはずです。当分はカオスの世界に迷い込む覚悟をする必要がありそうです。

 

私は、MSLのような新しい部門が出来たとしても、MRの基本業務は変わらないと考えています。
1. 情報の的確な伝達
2. 営業としての実績
その上で、歯車としてのMRではなく、自分の意思を持ったMRになることをお勧めします。

 

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前門の虎、後門の狼

2015年1月7日 水曜日

昨年は、ジェネリックのシェアが大幅に伸び、新薬メーカーが苦戦を強いられる年でした。今年は新薬メーカーにとってどのような年になるか。

 

ことわざで表現すれば『前門の虎、後門の狼』の年になると考えています。

 

趙弼『評史』 にある「前門に虎を拒ぎ後門に狼を進む(表門で虎の侵入を防いでいるときに、裏門からは狼が侵入してくる)」から、前後から虎と狼に挟み撃ちされては勇者であってもたち打ちできず、窮地を脱する手立てがないさまを表しています。

 

ここでいう虎はジェネリック(GE)に、狼は抗体医薬に置き換えてください。言い換えると『前門のジェネリック、後門の抗体医薬』となります。

 

昨年の調剤報酬の改定は、虎であるGEのシェアが拡大すると共に、パテントクリフが立ちはだかります。

 

一方、抗体医薬がなぜ狼となるのか。そこには、研究・開発の高いハードルが存在するからです。最近の新薬において、メガファーマですら自社での創薬は半分程度になっています。特にバイオ医薬品(抗体医薬含む)は、ノウハウを持たないメーカーが簡単に研究・開発に着手できるものではありません。そのため、外部のベンチャーや大学に活路を求め、M&Aやオープンイノベーションを探ることになります。

 

過去のM&Aや産学共同との違いは、回収見込みが立つまで投資を控えていては競合に先を越されることから、研究の早い段階から囲い込む多額の費用が必要となることです。とは言え、パテントクリフで利益が大幅に減ることから、リストラに頼ることになります。

 

その一例として、GSKはアメリカの研究所のリストラを発表しています。日本においても、生活習慣病の低分子薬の研究分野はリストラ対象と考えられます。更に、開発力の乏しいメーカーは、新たな立ち位置を見つけなければなりません。

 

グローバルメガファーマですら激しい競争にさらされている状況では、国内メーカーは更に厳しい環境が待っているといえます。昨年、小野薬品が抗PD-1抗体のオプシーボをメラノーマの適応で発売しましたが、日本・韓国・台湾を除く販売権はBMSが持っています。アメリカでは、メルクがBMSに先んじて承認を受けました。このように、小野薬品がどこまでリードを保て利益を享受できるか微妙な状況です。最大手の武田薬品では、新薬はいくつか出ていますが、消化器系や循環代謝系の領域でイノベーションを感じません。やはりグローバルメガファーマに対抗できる国内メーカーは1社か2社なのでしょうか。30年前から言われてきたことですが、ここにきて時間が無くなってきました。

 

市況の変化は、MR業務の分化をもたらすことになります。一部の業務はMSL(メディカルサイエンスリエゾン)に移行し、一部はCSOや医薬品卸へのアウトソーシングが採用されるでしょう。

 

次回は、MR業務の分化について考えてみます。

 

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メガファーマの動向

昨年は、医薬品業界の激変の時代を予感させる年でした。今年は、各社が生き残りをかけた戦略を試み、変化に対応できなければ淘汰されると思われます。

 

内資メーカーに関しては、決算から状況を判断できますが、外資については、日本と本社の状況が異なることが多く、日本の市場だけで判断すると大きな間違いを引き起こします。

 

例えば、ノバルティスはファイザーを抜き世界の売上トップに立っていますが、日本ではパテントクリフとデータ問題が重なり大苦戦。逆に、アストラゼネカは、日本では好調ですが、海外でパテントクリフを迎え、売上を落とす結果に。両社揃って日本でリストラを実施しています。

 

そこで今回は、メガファーマの現状を取り上げました(日経新聞参照)。

 

〇メガファーマ2014年第1&2四半期業績
(億ドル・8/25為替レート)

           売上    純利益 見通
ノバルティス  286(1%)  54(12) ↑
ロシュ     252(▲1)  60(▲7)  ↑
ファイザー   241(▲5)  52(▲69)↓
メルク     211(▲2)  37(48)   ↑
サノフィ    206(▲1)  24(30)   →
GSK        189(▲15)  22(▲34)↓
アストラゼネカ 128(2)   13(▲29)↓
イーライリリー  96(▲17)   14(▲47)↓
アッヴィ     94(5)    20(2)   ↑

 

■ノバルティス
2014/10/29      純利益44%増 7~9月期
利益率の高い新薬が2割増収、全体の3分の1を占めるまでに成長。経費削減の効果も。先進国の増収率が2%増にとどまったが、中国、ブラジル、ロシアの売上高は20%前後伸びた。多発性硬化症や白血病の新薬が好調、ディオバンは先進国でジェネリックの影響から売上半減。               
2014/10/28     事業売却 インフルワクチン、豪社に300億円で
2014/7/16       グーグルから技術 コンタクトレンズで健康管理
2014/4/22       GSKから160億ドルで抗癌剤部門買収
75億ドルでワクチン部門GSKに売却、コンシューマー部門はGSKと合弁設立36.5%出資、動物薬は54億ドルでリリーへ売却。ノバルティスは多角化路線と決別し、抗がん剤など医療用医薬品に投資を振向け、バイオで先行するロシュ(スイス)などに対抗する構え。
2014/4/24       純利益23%増 1~3月期

 

■ロシュ
2014/9/4        焦らぬロシュ、世界一に王手 

                       上期売上高、ファイザー抜く
過去にはノバルティスにM&Aを仕掛けられたこともあるが、安定株主が独立を選択、その後バイオ専念、売上の6割がオンコロジーと安定した経営基盤。建設中の新社屋はノバルティスの本社を見下ろす位置にあり、営業利益率は35%とノバルティスの2倍の高い水準。治療方針を決める際に役立つ診断薬部門でも世界大手。
2014/8/26       欧米の製薬「稼ぎ手」争奪
GSKやサノフィが興味を示す米バイオ医薬インターミューン社を83億ドルで買収

 

■ファイザー
2014/12/16      成長ホルモン製剤開発・販売で提携
2014/11/18      利益見通し下方修正、独メルクと提携で
2014/10/29      7~9月、3%増益 リストラ費用軽減で
7~9月期の決算は、純利益が前年同期比3%増の26億6600万ドル。売上高は2%減、主力薬の特許失効に伴う処方薬の販売減が重荷。前年同期に比べてリストラ関連費用が少なく増益に。
2014/8/27       メルクと肺がん治療の研究で提携
2014/7/30       純利益79%減 4~6月
特許失効後のブランド薬や後発薬を扱う部門が減収になった半面、がん治療薬やワクチン部門は増収。14年12月期通期の売上高見通しは、後発薬での競争激化を見込み下方修正。
2014/5/27       アストラゼネカの買収を断念
2014/5/6         米ファイザー純利益15%減 1~3月、後発薬との競争激化

 

■メルク
2014/12/25      ワクチン事業を強化 エボラ熱や子宮頸がん向け
2014/12/19      スイスのバイオ製薬会社を450億円で買収発表
2014/12/15      CEO、新薬ベンチャー積極買収 がんなど4領域集中
がん、糖尿病、ワクチンに加え、急性期医療と呼ばれる病気の発症や急変時に用いる薬の4領域を事業の柱。大型買収と並行し、技術を持つベンチャーのM&Aにも注力。各領域で不足している新薬候補のもととなる化合物や抗体の獲得が目的。他社が持つ新薬候補の開発販売権の買い入れも積極的。
2014/12/9       米キュービスト社(新タイプの抗生物質)買収 1兆円で
2014/9/5         がん免疫薬、米で承認 

                       「キートルーダ」(一般名ペンブロリズマブ)
抗PD-1抗体薬が悪性黒色腫(メラノーマ)への適応で米食品医薬品局(FDA)の承認。抗PD-1抗体では小野薬品工業がこのほど、世界に先駆け日本で「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)の販売を開始。
2014/7/30       純利益2.2倍の20億400万ドル 4~6月
2014/6/10       米バイオ製薬会社を買収 3900億円で
2014/5/14       参天薬に眼科用医薬品事業を売却
2014/5/6         1.4兆円で大衆薬事業をバイエルに売却

 

■サノフィ
2014/11/4       デング熱ワクチンが効果 仏、来年にも実用化
2014/10/29     CEOを解任 取締役会と関係悪化
2014/9/25       上海に研究開発本部を設立
上海にアジア太平洋地域の研究開発機能をとりまとめる研究開発本部(R&Dハブ)を設立。サノフィの2013年売上高は329億5100万ユーロ(約4兆5900億円)。うち非欧米市場が約45%を占め、今後もアジアを中心に成長が期待。

 

■GSK
2014/10/2      HIV薬大手を上場へ 16年にも
ヴィーブヘルスケアの上場を計画。GSKは保有株の一部を売却する方針。あわせて年間約10億ポンド(約1760億円)のコスト削減。本業の大幅減益と中国での贈賄罪による巨額の罰金で環境は厳しく、対策を急ぐ。
2014/10/10      特許切れ薬販売を南ア大手に移管
2014/4/22        ノバルティスと3部門で事業再編
160億ドルで抗がん剤部門売却、インフルエンザを除くワクチン部門71億ドルで買収、コンシューマー部門合弁会社設立し63.5%出資
2014/9/19       中国、過去最大の罰金530億円 贈賄事件

 

■アストラゼネカ
2014/9/30       CEO医薬品買入れに重点 がん糖尿病でファイザー提案拒否強調
主要領域をがん、循環器や糖尿病、呼吸器に設定して投資。がんについては人間の免疫機能に働きかける新しいタイプの抗がん剤の開発も進め、このような薬と既存の薬を組み合わせて利用。呼吸器領域の新しい医薬品は、ぜんそく薬の『シムビコート』があるだけだったが、現在は多様な医薬品候補が存在。慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった肺の患者に軽症から重症まですべての治療の選択肢を用意。糖尿病もインスリン以外の治療薬はすべて保持。クレストールやネキシウムの米国での特許切れを控え、17年の初めまでは我慢が必要。一方で呼吸器分野や新興国での成長が期待(ファイザーの提案は、その後アメリカ政府の税制変更で実質上不可となった)。
2014/7/31        呼吸器系治療薬を最大2100億円で買収

 

■アッヴィ
2014/10/16      アイルランドシャイアーの買収撤回発表
米政府が節税目的の本社移転の規制を強化したため、買収の効果が不透明になったと判断した
2014/7/26        3%増益、主力薬の販売増 4~6月ヒュミラ16年に特許失効
売上高は5%増。主力の関節リウマチ治療薬「ヒュミラ」の売り上げが26%増と好調だった。同薬が売上高全体に占める割合は7割近くに達し、年間120億ドル超のトップ医薬品。ただ16年末に米特許の失効を控えており、収入源の多角化が生き残りへ急務となっている。同社は今月、総額約5兆5000億円でシャイアー買収を決めたのは、シャイアーが強みを持つ希少疾患に事業を広げる狙いがある。

 

■バイエル
2014/10/16     日本の売上高3000億円目標 17年12月期
2014/9/18       化学品部門を分離
2014/5/7         1.4兆円で買収 米メルクの大衆薬事業 首位J&Jを追撃
2014/5/16       医療機器事業を売却 米ボストンに420億円で
2014/2/28       中国の大衆薬メーカー買収

 

日経新聞の記事を参照していますが、量にばらつきが大きく、全く取り上げられないメーカーもあれば、特集を組まれたメーカーもあります。特集の代表格はロシュと言えるでしょう。オンコロジー・バイオに特化した強みがここで大きく花開いています。

 

多くのメーカーが、ファイザーのようなM&A爆食を諦めて、特定領域に集中する方針に切り替えています。特に大型の企業買収は、アメリカの税制の規制強化で頓挫したこともあり今後の方向性が見えてきません。今後の医薬品の開発には、今まで以上の費用が必要で、その捻出のためにリストラは避けられません。当然、MRの皆さんへの要求も変わってくることでしょう。今までのような、生活習慣病に対する一律のプロモーションではなく、癌や希少疾患の患者さんに寄り添うような活動を求められるでしょう。

 

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パテントクリフ

2014年12月17日 水曜日

パテントクリフ(=特許の壁)とは、アメリカでブロックバスターの特許が切れ、ジェネリック参入により業績が急落する状況を意味します。製薬メーカーは、世界No.1市場のアメリカで新薬を販売すれば多大な利益を得ることができます。半面、国民皆保険ではなく、特許が切れると一気に90%以上がジェネリックに置き換わります。

 

日本でも、この春の診療報酬改定でジェネリックへの置き換えが加速しています。今までは初年度20%程度でしたが、「ディオバン」は既に60%をジェネリックに奪われ、他の製剤も同様の傾向を示しています。アメリカほど極端でないにせよ、日本もヨーロッパ並みのジェネリックの普及率を示すようになりました。

 

パテントクリフに苦しむ顕著な例がファイザーでありエーザイです。武田は脱出の糸口を見つけたように見えますが、低分子製剤では数年後にまたパテントクリフの恐怖が襲い掛かります。ちなみに、2015年に大塚の「エビリファイ」(5000億円)が、2016年に第一三共の「オルメテック」(3000億円)、塩野義の「クレストール」(AZの売り上げを含め7000億円)がパテントクリフを迎えます。

 

パテントクリフに対応できた企業を探してみると、外資ではロシュとアッヴィ、日本ではアステラスと小野薬品と言えます。このメーカーに共通するキーワードは、バイオ医薬ないしアンメットメディカルニーズとなります。

 

パテントクリフは新薬メーカーの宿命ですが、乗り越えるにはコンスタントに新薬を出すしかありません。ただし、高分子のバイオ医薬やアンメットメディカルニーズ領域での新薬開発には、推測で研究費4000~5000億円程度が必要となります。これでも自社創製には限度があり、今後はバイオベンチャーの取り込みやオープンイノベーションといった手法が主力となるでしょう。

 

製薬メーカーは、レッドオーシャンといわれる生活習慣病領域からアンメットメディカルニーズ領域に舵を切っています。そこで働くMRも仕事内容が大きく変化し、適正な配分も問われるでしょう。この流れを止めることはできません。MRが6万人を超える中、生き残るためには何をすべきかを真剣に考え行動する必要があります。

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バイオシミラー

2014年12月3日 水曜日

今年は、ジェネリックが話題の中心ですが、バイオ医薬品のジェネリックとでもいうべき「バイオシミラー」も数多く取り上げられています。 最近のバイオシミラー(BS)情報をまとめてみました。

 

▼サンド    グラン(白血病)のBSを発売。持田、日本化薬につづき3番目

▼日本化薬       レミケード(リウマチ)のBS承認(韓国から導入)

▼持田製薬       ヒュミラ(リウマチ)のBS開発(韓国から導入)

▼陽進堂         エンブレル(リウマチ)のBS開発。 ルピン社(インド)と提携

▼第一三共      エンブレル(リウマチ)のBS、P3開始

       リツキサン(リンパ腫)も(米国コヒーラスと契約)

▼リリー         ランタス(インスリン)のBS承認

 

また、グリペック(白血病)のバイオシミラーにも注目が集まっています。 さて、上記の先発薬を見ていると、最近のブロックバスターであることがわかります。数年前までは生活習慣病の薬剤が上位を占め、そのGE出現とともに、新たに上位を独占しているバイオ製剤です。これらの共通点は、非常に薬価が高いことです。今後は、GEと同様にバイオシミラーが医療費や患者負担の抑制の手段として表舞台に登場してきます。

 

「バイオシミラー」は日本で「バイオ後続品」と呼ばれ、「先発医薬品の特許が切れた後に発売されるバイオ医薬品」です。今では「バイオシミラー」が一般的名称となっています。日本語にすると先発薬に似ているバイオ薬品という意味です(シミラー=似ている)。

 

GEは先発品と比べた時、有効成分が全く同じですが、バイオ医薬品の場合は製法も違い全く同じである事を証明するのが難しく、同等性・同質性を問われることになります。バイオシミラーはGEと比べると開発費と時間がかかるだけに、数十社が競合することもないでしょう。今後は、長期収載品で食べていけなくなった中堅メーカーが、新薬でもGEでもなく、バイオシミラーに注力することが考えられます。既に、日本化薬や持田製薬は複数のバイオシミラーを販売し、そこを目指しているようにも見えます。中堅メーカーの生残り戦略の選択肢として、バイオシミラー専門メーカーの出現があるかもしれません。

 

ただ残念なのは、ここに書かれた薬剤はすべて海外からの導入品です。海外では、メルクやリリーといったメガファーマからシンガポールや韓国の国策ベンチャーまで激しい競争を繰り広げています。中堅といえども開発から生産まで一貫して取り組めないと生残りは厳しいかもしれません。

 

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中間決算から見えるものⅡ

2014年11月19日 水曜日

前回、国内各社の決算から売上の変化を確認しました。国内は、長期収載品の薬価引下げ、調剤報酬の改定によるGEの伸長がすべてのメーカーに影響を与えています。その影響は、予想を超えたもので、決算予想の見直しを表明した会社も多く存在します。その反面、GEを手掛けるメーカーにとっては神風が吹いている状況です。

 

最新の情報では、ディオバンは、GEが発売され半年で売上が半分以下に落ちています。ペナルティという側面もあるでしょうが、今までに経験したことのない変化です。ブロプレスのAGが9月に発売になり、どのような結果になるのか注目されるところです。 以下、各社の状況を独断と偏見で解説します。

 

▼武田薬品工業  ブロプレスのAGを他社から発売、シェアの維持を図るとともにアジルバへ誘導。一方、海外では潰瘍性大腸炎治療薬に期待するが、不透明感が漂う。企業体質は外資に近いが、営業体質は典型的な日本式で古い。

 

▼アステラス製薬  GEの影響は大きいが、前立腺癌治療薬のイクスタンジが、国内でピーク予想3倍の売上。海外でも拡大が続き得意分野の絞り込みに成功。430名の早期退職と業務のアクセンチュアへのアウトソーシングを進める。次なる合併も視野。

 

▼第一三共  海外子会社売却に続きオルメテックの特許切に備え早期退職を実施。主力品が循環器系だけに今後厳しさを増す。合併の果実は既になく、リストラ後の動向に注目。

 

▼エーザイ  日米でGEに食われ二桁の減収。アリセプトのレビー小体型認知症への適応拡大で復活を図り、リストラを実施するも展望開けず。内藤体制は終焉か。

 

▼大塚製薬  過去最高益。しかし、来年アメリカでエビリファイの特許が切れ6000億円以上の売上が半減、アメリカ国内では80%のダウンも。武田、アステラス、エーザイも通った道ではあるが、一発屋で終わるのか。

 

▼中外製薬  ロシュの完全子会社化ニュースもあったが、単なる噂に終わる。ロシュの傘下に入り、抗癌剤で最も恩恵を受け変貌を遂げた会社。今季も、大幅増収を確保。しかし、ロシュの販売会社の色彩が強く、企業としての成長は限定的。

 

▼田辺三菱製薬  SGLT2阻害薬等のロイヤリティは大幅増だが、海外の販売網は弱く国内減収をカバーできない。レミケードもバイオシミラーの参入で厳しい。三菱グループが頼り。

 

▼大日本住友製薬  国内では苦戦続き。精神疾患領域でアメリカでの展開に期待。高血圧領域は長期収載品が多く現状維持を期待するが画餅。ここもアメリカ頼り。

 

▼塩野義製薬  クレストールのAZとの契約内容を変更し存命処置。クレストール後を模索。塩野義色を維持できるか、生残りをかけ特色ある位置付が必至。

 

▼小野薬品工業  薬価改定の影響が大きく、抗癌剤の大型化に期待。しかし、現営業体制ではオンコロジーに対応できない。メガファーマの参入もあり、どこまで独占的な地位を維持できるか。

 

▼協和発酵キリン  主力品のネスプも5%ダウン。腎臓で強みを持つが、他の領域では長期収載品と小型品が多く苦戦。日本のアムジェンを期待していたが…。

 

▼参天製薬  眼科での強さは折紙付き。他社薬剤のスイッチ点眼薬では受け皿として独占的地位。今後はオリジナルでアンメットニーズに対応できるか。

 

▼久光製薬  モーラステープが薬価改定とGEにより苦戦。スイッチ湿布剤での延命か。

 

▼持田製薬  長期収載品の減収が過大。循環器領域での成長は見込めず、得意の産婦人科領域の専門メーカーにとして生きていくべき。加えてバイオシミラーにも注力か(ヒュミラのバイオGE)

 

▼キッセイ薬品工業  新製品が伸びており薬価改定を吸収した。今後も小粒ながら存在感を出してほしい。ただ、新薬開発の難しさは増しており、この規模で耐えられるか。

 

▼科研製薬  アルツの減収分をGEがカバーした。GEの売上に占めるシェアは20%以上であるが、整形外科領域の専業メーカーとして今後もGEを扱うことは生き残る手段。

 

▼あすか製薬  武田のAGメーカーとして生きるのは正解かも。ブロプレスAGで決算の公表値を大きく上振れする可能性大。

 

▼日本ケミファ  GEが18.4%伸び、全売上も14%増収となった。新薬市場での存在感はないのでこの選択は正しいが、GEメーカーも激しい競争が待っており、安穏とした場所ではない。

 

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中間決算から見えるものⅠ

2014年11月12日 水曜日

先週末までに、国内の主要製薬メーカーの中間決算が発表されています。外資のこの間の売上げは把握できませんが、市場の変化を捉えるには参考になります。

(四半期決算から、国内医療用医薬品の4-9月期の対前年の増減率を抽出)

 

今回の決算の要因は下記の3点に集約されます。

(1)   薬価改定・消費増税前の駆け込み需要の反動

(2)   長期収載品の薬価引き下げ

(3)   調剤報酬の改定によるジェネリックの増加

 

武田薬品                ↓2.6                    連結            ↑2.8

アステラス             ↓7.1                    連結            ↑9.3

第一三共                ↓2.6                    連結            ↑1.7

エーザイ                ↓11.6                  連結            ↓12.8

中外                      ↑2.0(12月決算のため4-9実績で比較)

大日本住友             ↓7.7                    連結            ↓1.7

田辺三菱                ↓9.2                    連結            ↓1.9

塩野義                   ↓4.9

小野薬品                ↓11.8

協和発酵キリン       ↓7.3

大正富山                ↑1.1

参天                      ↓?                     連結           ↑3.8

久光                      ↓0.4(3-8月実績なので4-9月は更に下振れ)

持田                      ↓6.4

キッセイ                ↑1.9

科研                      ↑1.2

あすか                   ↑15.8

日本ケミファ          ↑13.1

沢井                      ↑17.0

東和                      ↑17.0(予想)

日医工                   ↑23.1

 

新薬メーカーの国内販売は、軒並みダウンしています。トップ3社は、海外が好調で連結では増収を確保していますが、オンコ中心の中外と新薬が貢献した数社が手堅く増収を確保した以外は、連結においても減収になりました。その反面、GEが好調だった科研は増収を確保し、ブロプレスAGを発売したあすかを含めGEメーカーは大幅な増収となっています。 次回は、メーカーの戦略と、それがMRに与える影響について見ていきます。    

 

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AG(オーソライズドジェネリック)が意味するもの

2014年11月5日 水曜日

最近、AGという言葉をよく耳にします。GE(ジェネリック)が普及するアメリカでは、かなり以前から使用されていましたが、日本で注目を集めたのは、あすか製薬が本格的なブロプレスAGを発売したからです。今までも、ディオバンやアレグラをはじめとしてAGは存在していましたが、本格的と書いたのは、他のGEに数か月先駆けて発売する初めてのAGとなったからです。

 

AGとは、先発医薬品と全く同じ医薬品をGEとして発売することです。一般的にGEは、先発医薬品と同等性は確保されていますが、添加物・コーティング・製造方法は別物です。今回のブロプレスAGは、武田薬品があすか製薬と契約し供給しますので、ブロプレスと同じラインで生産することになり全てが同じと言えます。アメリカではAGは他のGEに先駆けて180日先行発売が認められています。

 

日本では、今まで特許が終了してGEが発売されても、急激に売り上げが落ち込むことはありませんでした。徐々に減少はしますが、ある程度売上は維持でき、売上の大半を長期収載品が占めるというメーカーも存在します。先発医薬品の売上を食ってしまうようなAGを発売するリスクをとる必要がなかったとも言えます。

 

しかし、ディオバンのGE発売後の売上減に見られるように、調剤報酬の改定はストレートに先発医薬品の売上減に連動しています。アメリカのように80%と言わないまでもかなりの処方をGEに奪われることがはっきりとしました。そこで、背に腹は変えられず、AGを先行して発売してGE市場を囲い込んでしまうことを選択しました。先発医薬品が大きく減少しても、結果的にメリットがあると判断するのは当然と言えます。特に、ブロックバスターと言われる医薬品は、売上だけでなく工場の稼働に及ぼす影響も大きいものがあります。

 

今回のAG発売が意味するものは、日本でも欧米のようにGEが急激にシェアを伸ばすことを意味しています。第2四半期の決算で国内売り上げの不振をGEの影響とするメーカーが多かったことは、想定以上にGEが伸びている証拠です。

 

今後は、GEに先行してAGを発売し、市場シェアを確保しようとするメーカーが増えてくることでしょう。しかし、この施策は、大きな落ち込みを一時的に和らげる緩衝剤の役目をしますが、根本的な解決ではありません。国の護送船団方式で利益が確保出来た時代は終わり、メーカー各社が生き残りをかけて独自の戦略を打ち出す必要に迫られています。

 

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信頼されるMRになるための極意Ⅴ

2014年10月31日 金曜日

○自社の薬剤の弱みと競合品の強みを知る

 

最後は、薬剤についての話です。
以前とは異なり、MRの皆さんはよく勉強しています。メジャーバンクから製薬メーカーに転職してきた方にお聞きしたことがありますが、銀行ではこんなに勉強することはないそうで、MRの勉強量には驚き、業界の特性とおっしゃっていました。

 

しかし、銀行では自分で学ぶことが主で、自己努力を求められます。MRの勉強は、業務の一部ですが画一的で面白みに欠けます。各社が似通った研修を実施し、プロモーションを展開しても、医師は興味を示しません。研修では、自社の強みと他社の弱みはしっかり教えられますが、その逆についてはどうでしょうか。

 

私がMRになりたての頃、先輩が競合製剤のメリット一覧を作成(現在では公競規違反ですが)し、新薬のプロモーションに使用しているのを見て、それまでとは違った医師の反応を知りました。

 

その経験から、薬剤の80%は医師の匙加減で同じ効果を期待でき、20%の患者に使い分けが必要だと思うようになり、この20%の患者には適切な薬剤を積極的に推奨することで、自社の薬剤の評価が高まることを覚えました。他社の薬剤のメリットを正しく話すことができれば、MRとしての信頼は高まります。

 

既存の薬剤が効かない症例では、難しい症例が多く、新薬といえども効かない場合も考えられます。競合薬剤の強みを理解し、各薬剤のポジショニングを明確にできれば、自社の製剤を80%の領域のファーストチョイスに位置づけることが可能です。

 

既に、目標を持っているMRは、その目標に向かって全力で取組んでください。目標を明確にできないMRは、このキーワードを参考に自分の生き残りをかけて一歩踏み出してください。

 

○認知されるまで手を抜くな
○話題は最新、行動は半歩退く
○得意分野を必ずつくる
○自社の薬剤の弱みと競合品の強みを知る

 

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信頼されるMRになるための極意Ⅳ

2014年10月30日 木曜日

○得意分野を必ずつくる

 

MRとして天性の才能を示す人はいるでしょうが、そのような人はごくまれな存在で、ほとんどのMRが何がしかの努力を必要としています。この場合、性格を変えることが出来れば簡単な話でしょうが、私のマネジャーとしての経験から、二十歳を超えた人の性格は変えることが出来ません。これに気付くまでは、部下の欠点を指摘し、その修正を求めることが多々ありました。しかし、欠点を修正することは簡単な事ではありません。特に、性格上の問題であればなおさらです。

 

私のマネジャーとしての最初の壁は、部下の欠点ばかりが目につき、レベルの低さを嘆き、仕事を任せることが出来なくなり自分で抱え込むことでした。その結果、営業所の実績は上がらず、焦りからまた欠点の修正ばかりを求め、ジレンマに陥ってしまいました。

 

1年が過ぎようとした時、一人一人を見ると自分にない輝くものを持っていると感じひらめきました。欠点は治せないが、得意分野であればいくらでも伸ばせるのではないかと。当時の部下は15名でしたが、視点を変えると全員が輝いて見え、私が取り柄のない人間に思えてきました。その中で3名を取り上げ、得意項目を期の目標設定に加えて、より一層努力することを求めました。

 

A PCの達人、得にMacに関してはオタク的存在
B スキー・スノボーA級ライセンス、20フィートヨット所有
C 世界どこへでも一人旅、現地に溶け込み生活を体験

 

医師との会話でも自信を持った話ができると、その自信がプロモーションにも反映してきます。人と違った趣味や経験また努力は、医師の知的興味を呼び起こす最大の武器となります。

 

その結果は、思いのほか早く実績としてでてきました。ワースト10常連の営業所が、評価で60営業所中3位(東京支店内1位)となり、6期継続して本部表彰を受けるまでとなりました。特筆すべきは、この期は全員標準以上の評価が付いたということです。

 

得意領域を持つということは、欠点を隠すというメリットもあります。欠点を直すことは難しいことですが、長所(得意領域)を伸ばすことはそれほど難しいことではありません。

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信頼されるMRになるための極意Ⅲ

2014年10月29日 水曜日

○話題は最新、行動は半歩退く

 

医師は、相反すると思われる二つの性格を持っています。

(1) 知的レベルが高く、新しい話は興味を持つ

(2) 保守的で前例主義(エビデンス)の傾向が強い

 

高校でもトップクラスが集まるのが医学部で、東大の理科一類よりも難しいとさえいわれている医学部も多く存在します。世の中には、同じようなレベルの職種があるかもしれませんが、これだけの数が存在する集団はありません。

 

例えば弁護士の世界ですが、最近急速に増えていても3.5万人しかいません。医師は30万人の登録があります。また、数が増えたことで、弁護士の収入は大きく落ち込んでいます(軒弁と言われる)が、医師は現在も不足が騒がれ、高水準の収入が維持されています。それだけ、社会的影響力が大きい存在です。

 

医師は、知的レベルが高く理解力にも優れ、新しい話題には興味を持っていただけますが、医師会に象徴されるように最も保守的な集団ともいえます。何かしら行動に移そうとすると、『どこで?だれが?』と聞かれるのが常です。医療の世界は、エビデンスが基本ですから、医師の性格の中にもこの保守的な考え方は必然なのかもしれません。知的な吸収力と保守的な前例主義が私の言う二面性です。

 

MRに限らず、医師との商売を希望する人にとっては、陥りやすい罠と言えるかもしれません。一方で、この特性を理解していると、案外御し易い集団かも知れません。医師の知的興味をそそるような話題を提供しつつ、実際には少し退いて行動する必要があります。

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信頼されるMRになるための極意Ⅱ

2014年10月28日 火曜日

○認知されるまで手を抜くな。

 

新規で担当した医療機関に対し、医師や薬局長に存在を認めていただけるまでは、中途半端な営業姿勢は結果として烏合のMR(衆)とみなされるだけです。相手があることですから、何をするかは個々に考える必要がありますが、一生懸命な姿を見せる必要があります。

 

また、認知されるまでの時間もまちまちでしょうから、必ずしも何か月かかるとは言えませんが、担当して半年間必死さを見せ続けることができれば、多くの医師から存在を認めていただけるでしょう。一度認知されると、今度は大きな強みとなります。何か相談があるときには、最初に声を掛けられるようになり、不運にも事がうまく運ばなくても、あいつができなければしかたないと思っていただけます。(失敗が続けば問題ですが) 

 

私の後輩の例を二つ紹介します。

 

(1)  医局訪問が禁止された病院で、半年間、毎週外来訪問を続けました。彼は、毎回最新の話題を準備し、医師に会えなくてもその話題のメモを受付に預けることを繰り返し、その後、その熱心さが評価され医局訪問を許されるただ一人のMRとなりました。彼は、半年間、日曜日の半日はその話題の収集に当て、周到に準備して病院を訪問しました。認知されると、実績もうなぎ上りで、本社の目に留まり、希望のアメリカ勤務を2年間経験し、現在は他社へ転職してオンコロジーのプロマネとして活躍しています。

 

(2)  中小病院ですが、土曜日に院長の信頼する大学医師の外来があり、院長への訪問と土曜日の訪問を半年間続けたMRがいます。キーとなる2名の医師から信頼を得たことで、業績も改善し、院長が大学の医師を招待して実施する食事会にMRで一人だけ参加を許されました。その後、土曜日の訪問は禁止になりましたが、大学の医師から平日に医学部を訪問するように言われています。彼も実績が評価され、大学チームのリーダーを経験後、営業所長で活躍中です。

 

このように他社とのMRと差別化に成功すれば、思いのほか仕事が楽しくなります。現在は公競規で規制されていることもありますが、可能な範囲で、この努力なしに強いMRにはなれないでしょう。

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信頼されるMRになるための極意Ⅰ

2014年10月27日 月曜日

MRの有資格者は6.5万人を超え、諸外国と比較してもかなり多いと言われています。また、最近は大手製薬メーカーでのMRのリストラが話題になり、今後はMR数の調整期に入ると思われます。同時に、MRの中でも業務内容によって階層ができ差別化が図られることでしょう。今、MRには生き残るための努力が求められているのです。

 

MRとはMedical Representativeの略で、訳して医薬情報担当者と言われています。しかし、一般にはMRも営業職と言われているように、社内では売り上げを求められています。医薬情報の提供と収集はMRにとって義務であり、必要不可欠な業務です。逆に考えると、売上を上げなければ評価されないということです。
 
それでは、医薬情報に関する仕事と売上を作る仕事が別のものかというと、実は売上を上げるMRは医薬情報の提供や収集もしっかりできている場合が多いのです。なぜかというと、医師をはじめとする医療関係者からの信頼がないと、医薬品情報もじっくりとは聞いていただけないし、又、売上にもつながないからです。

 

ここで、当たり前のように信頼といいましたが、医師から信頼を得ることは難しいことなのでしょうか。ここでは、いくつかののキーワードをご紹介いたします。

○認知されるまで手を抜くな。
○話題は最新、行動は半歩退く
○得意分野を必ずつくる
○自社の薬剤の弱みと競合品の強みを知る
 
このキーワードは、私の成功体験というより、先輩や部下のMRをみていて学んだことをベースとしています。次回からはこのキーワードについてご紹介してまいります。

 

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新たなMR

2014年10月24日 金曜日

最近何かと話題になるエムスリーですが、新しいコントラクトMR事業(エムスリーマーケティング)を発表しました。

 

エムスリーが「MR君」で製薬メーカーのプロモーション事業に参入したとき、そのアイデアに感心しつつも保守的な医療の世界でどれだけ受け入れられるか疑問を感じました。

 

十数年経って、エムスリーは大成功を収めました。事業としての評価も高く、時価総額は5000億円以上で売上の10倍以上に達しています。インターネットの普及と薬剤コンプライアンスへの要求から、製薬メーカーが求めに応じる際のインフラとして活用されたことは間違いありません。また、医師の会員数という資産が、インターネットビジネスの評価に直結したことも事実です。

 

しかし、インターネットを使うことでMR活動が大転換したかというと、当初の想定から大きく遅れているのが現実で、MR数もこの10年間増え続けています。ビジネスとしては大成功ですが、目的を達成するには道半ばといった状況にあります。

 

ここに来て、製薬業界も経営環境の厳しさが増し、営業組織を再編する企業が増えてきました(国内では、武田・アステラス・エーザイ、外資ではファイザー・ノバルティス・MSD・アストラゼネカと言ったメガファーマです)。この再編には社員のリストラが不可欠となっています。今まで聖域に近かったMRもその存在価値が示されなければ例外ではありません。

 

とは言え、各社ともMRに依存しないプロモーションを模索し、Webやアプリの活用に力を入れていますが、その成果は見えてきていません。MRは必要であるが数は減らしていきたいというメーカーの希望と、インターネットは必要だがその成果が見えないという現実で、新しいMR像が求められています。

 

新たにそこに目を付けたのがエムスリーです。自社が持つ『MR君』というデジタル資産とリアルなMRをコラボさせ、MRの営業効率を倍増させるという提案を行っています。「MR君がMRに取って代わるという発想は捨て、MRの効率を上げるインフラとして活用する」というデジタルとアナログの融合を考えたのです。もしこの試みが成功するなら、製薬メーカーは先を争ってこのシステムを採用するでしょう。その時は、MRの評価にITリテラシーが加わります。MRにとっても自助努力が求められる時代に入ってきました。

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40%の衝撃

2014年10月23日 木曜日

ディオバンのGEが6月に発売され、1ヶ月で調剤薬局の80%が採用し、処方ベースで40%が切替わったとの報道がありました。過去の例から言うとGE発売1ヶ月のシェアは10%前後、1年間で30%と言われていたことから、この数字は衝撃と言えるでしょう。このままいくとアメリカのようにGEのシェア80%という状況も考えられます。実際はメーカーの訴求力も強いので、どこまでGEがシェアを伸ばせるか興味がもたれるところです。

 

ディオバンに関しては、2つの要因が考えられます。

(1)4月の調剤報酬の改定
(2)データ問題のペナルティ

 

他薬剤のGEも30%程度のシェアを獲得しているので、(1)で30%(2)で10%と考えると、今回の要因の8割弱は(1)の調剤報酬の改定にあると考えます。調剤薬局も一度経験すると慣れが生じるので、今後のGEは発売時点で40%以上のシェアを占めるのが当たり前と考えるべきでしょう。

 

その衝撃を緩和するためには、AG(オーソライズ・ジェネリック)を発売するメーカーも増えていますが、衝撃を和らげる効果があっても解決策とはなりません。ある新薬メーカーの幹部は、「特許切れは甘んじて受ける。後発品の浸透はマクロ的にはいいことだ。」と言い切りました。

 

今後、この傾向はますます顕著になり、すべてのメーカーが営業戦略を見直す必要に迫られるでしょう。特にMRの位置づけは大きく変わってくると思われます。将来のシミュレーションから、MRの数をリストラする企業が増えてきましたし、一部の戦力をCMR(コントラクト=派遣)に切り替える企業も増えています。

 

また、CSOも単純なMRの派遣ビジネスから、製剤、領域、エリア、施設単位でプロモーションを一括受託し、数百人規模の営業組織を提供するといった組織ビジネスへの転換を模索しています。

 

一方、エムスリーはエムスリーマーケティングを設立し、ネットと融合させ訪問効率を倍増するCMRのサービスを開始しました。

 

今後、営業部門を本社から切り離し分社するメーカーや、MRを持たずマーケティングだけ行い販売を委託するメーカーも現れるかもしれません。その時に、生き残れるMRになるためには何が必要か、考えて行動する時代が来たようです。

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ベスト5にギリアド

2014年10月22日 水曜日

前回、日本の時価総額を話題にしましたので、今回は世界の時価総額を見てみます。

 

先日、アリババがアメリカでIPO(株式公開)を実施し時価総額25兆円企業になり、その筆頭株主のソフトバンクが8兆円の含み益を得たことはご存知と思います。この金額は、日本のトップ企業のトヨタ自動車の22兆円を超えるもので、世界でもトップ30に入る企業となりました。

 

製薬メーカーでも、急速に時価総額を拡大している企業があります。それは、ギリアド・サイエンシズという会社で、タミフルやHIVの治療薬で躍進を続けるベンチャー企業です。昨年までは、売上で武田薬品規模の会社でした。

 

この企業が開発し昨年末に発売したC型肝炎ワクチン治療薬(ソバルディ)が、この第1四半期22億7000万ドル、第2四半期34億8000万ドルを売上げ、年間では100億ドルを大幅に超えることが予想されます。一気に世界のトップ薬剤に躍り出る勢いです。世界展開はこれからですから(日本では申請中)、まだまだ成長の余地を残しています。

 

日本でのP3の結果は、治癒率が100%に近い結果だったようです。このおかげで、株価は高騰し製薬メーカーで世界5位の時価総額を実現しました。

 

この20年、M&Aで新薬を取り込みトップに君臨したファイザーが、特許満了に伴う売上の減少に直面し、スイスのロシュやノバルティスにトップの座を譲ったこととは対照的な出来事です。年末には、再度アストラゼネカへM&Aをかけると言われています。

 

薬品開発も、生活習慣病の時代が終焉し、アンメッド・メディカル・ニーズを掲げる企業が増えています。開発も抗体医薬がその中心を占め、難しくなることから研究費もかさむようになります。ベンチャーから躍り出てくる企業がある一方で、大企業といえども経営を維持できない企業も出てくるでしょう。製薬企業の再編の第二幕が始まる予感がします。

 

9月末時点の時価総額(10億ドル)

製薬メーカー
10位 ロシュ          251
17位 ノバルティス 228
27位 ファイザー    188
36位 メルク          171
39位 ギリアド       161
44位 サノフィ       148

 

全企業
1位 アップル         603
2位 エクソンモービル        401
3位 Google           398
4位 Microsoft        382
7位 J&J                300
15位 ペドロチャイナ      235
20位 JPモルガン     227
25位 Facebook      205
30位 トヨタ自動車  186
35位 インテル        172
38位 サムスン電子  167
40位 シティーGr     157

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アステラスが武田を抜く

2014年10月21日 火曜日

国内製薬メーカーNo.1である武田薬品工業(以下武田)ですが、ある指標でアステラス製薬(以下アステラス)に一時トップを譲りました。それは、時価総額という指標です。皆さんも聞いたことはあるかと思いますが、ウィキペディアでその意味を調べてみました。

 

時価総額(じかそうがく)

株式時価総額とは、ある上場企業の株価に発行済株式数を掛けたものであり、企業価値を評価する際の指標である。時価総額が大きいということは、業績だけではなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味する。時価総額は企業尺度や企業の実力の一面にしかすぎないが、市場の期待値を反映した尺度の一つであり、一般には企業の利益や資産が大きいほど時価総額も高くなる。しかし、株価は時に過大(過小)評価される場合があるため、絶対的なものではない。

 

今まで時価総額で武田の半分でしかなかったアステラスが、この一年で逆転した理由とはなんでしょうか。 まず考えられるのは武田の自滅です。

(1)ブロックバスター4品が特許切れ、売上はM&Aで維持も利益は大幅減。

(2)それに取って代わる新薬の開発が頓挫してしまった。

 

では、アステラスの成長要因はなんでしょうか。

(1)ブロックバスターの特許切れで苦戦も、それを補う新薬が育っている。

(2)自社の存在価値を特定市場に定め、目標がしっかりとしている。

 

しかし、これだけではアステラスが武田を逆転した理由にはなりません。なぜなら、武田の時価総額も増えているからです。それは、市場からの要請と期待がアステラスに向けられたということでしょう。

 

武田が社長をGSKから招聘し、国際化という名のもとに外資へと変貌しつつあるとき、ナショナルシップとしてアステラスへの期待が高まり、それに応えるべく、畑中社長は東洋経済誌上で「買収の標的になるような会社でありたい。アステラスの名前がなくなっても構わない」とまで言い切っています。

 

同時に、第一三共との合併が噂されています。元々、三共・山之内・エーザイ・藤沢の4社合併を画策し、最終的に山之内と藤沢によるアステラス製薬が誕生したという経緯もあり、10年を経て大合併という結実を見るかもしれません。もし実現すれば売上2兆円を超え、世界9位のメガファーマとなります。これをきっかけに、外資を交えたM&Aの第2ラウンドが始まります。

 

10/10時点の時価総額(単位:10億円)

製薬メーカー 

17位 武田薬品工業            3622

18位 アステラス製薬         3618

40位 大塚HD                    2092

50位 中外製薬                  1844

75位 エーザイ                  1257

84位 第一三共                  1162

93位 小野薬品                  1067

 

全企業  

1位 トヨタ自動車             21259

2位 ソフトバンクHD          8525  

3位 三菱UFJFG                 8251

5位 NTT                          7174

10位 みずほフィナンシャルGr      4602

15位 ファーストリテイリング       4019

20位 三菱商事                  3359

25位 JR東海                     2932

30位 キーエンス               2746

35位 野村HD                    2350

45位 東芝                        1932

60位 楽天                        1546

70位 大和証券グループ      1388

80位 JXホールディングス   1201

90位 アイシン精機            1088

96位 JAL                         1017

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『他山の石』と『対岸の火事』

2017年12月20日

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ベーシックインカム

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新規参入者

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