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ホーム > NewsWEEC Pick Up > 健康人事委員会便り > ~健康人事委員会便り 第12号~




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~健康人事委員会便り 第12号~

2015年6月17日 水曜日

先日、6月12日(金)私ども健康人事委員会が事務局を務め、一般社団法人日本ヘルスケア産業振興協会の主催でシンポジウム「企業と社員を取り巻くストレスを考える」を開催致しました。

 

基調講演の演者は、小林恵智博士と江口尚博士です。

 

小林博士は、ストレス学の租であるハンス・セリエ博士(ハンガリー系カナダ人の生物学者)に師事。「性格とストレス」を研究し、FFS(Five-Factors and Stress)理論を提唱。その理論は、現在、企業組織の改善と生産性向上に活用されています。

 

また、江口博士は、企業の産業医を経験され、経営学を学び、医学博士となり、現在、北里大学医学部公衆衛生学の助教として活躍されております。

 

会場となった東京丸の内ビルディング・カンファレンスルームは、定員50名を超える盛況で、18:30から20:30過ぎまで熱気に包まれました。

 

今号から3回にわけて、各セッションの要旨をお伝えしていきます。

 

第一部では、そもそも「ストレス」とは何か、と小林博士から問題提起がなされました。

 

・ストレスは外的な圧力のこと

・ストレスには「肉体的ストレス」と「心理的ストレス」がある

・ストレスマネジメントとは、ストレスをゼロにするのではなく活用すること

・会社はメンタンルヘルス不調者をなくしたいの?復職をスムーズにしたいの?

・ストレスマネジメントは個人の問題ではなく、組織の課題と捉えて取り組む

・ストレスチェック義務化は1次予防が目的

 未然防止はもとより、働きやすい環境を整え生産性を上げることを目指す

・ストレスが掛かると何が起きるかを理解しておく

 トップが変わらなければ組織は変わらない

・(社内でも)競争させるのか、それとも共創なのか

・自分の情報を出しても損にならないことを企業文化として根づかせる

・目の前の人を救えない会社が、どうして社会を救えるのか

・戦略的に組織作りを考えているのか

・単なる健診の一環としてのストレスチェックなら意味がない

 

本題のポイントを記します。

 

・ストレスがなければ進化は無かった。適度なストレスは成長と発展を与える。

・問題なのは過剰なストレス、過小なストレス。

・外圧を受けて感じる気持ちが内圧。外圧と内圧を受けてどう反応するか=個人の解釈。

 解釈(=価値観)に即した対策を、発病しているか診断し、休ませ、復帰の機会を与えると考えがち。本当に大事なのは、会社と各従業員がどうあれば幸せなのかを追求すること。

・一例として、ルートセールスに適している人と新規開拓に適している人が存在する。この個性は大きく異なる。ルートセールス型で成功した上司と、新規開拓型の部下がチームになったと想像する。上司は自分の成功パターンを部下に押しつける。成功パターンの違いに目を向けようとしない。つまり自らの成功パターンを相対的なものではなく普遍的なものだと勘違いする。結果、上司の成功体験が部下の成功に繋がらない。部下には過剰なストレスが掛かる。まずは自分の思考行動様式の傾向を知ること。

・ストレスは思考行動様式に大きく関わり、感じ方は人によって全く違う。

例えば長時間労働の問題がある。やりたくてやっている人にとっては、長時間働くことは心地よさになる。ただし、そうではない人もいるということを理解しておかなければいけない。

・企業がすべきことは、発病する前に互いに助け合える組織編制を行う事。

・過剰ストレスを発生させない環境が重要(過少も良くないので)。

適度なストレスを発生させ、組織生産性を上げる最適な組織やチーム編成を行うこと。適切なストレスが成長の起爆剤になる。

・改革型に改善を要求し、改善型に改革を期待するから無理が生じる。

・目的と目標は違う。戦略概念と戦術概念の違いを理解しておくこと。

・ストレチェック制度が義務になる。

義務化をうけて、企業は「CSR的な行動」をしたいのか、労働を「適正」にマネジメントしている会社です、とPRしたいのか。自分たちが「どういうことを言いたい会社なのか」をもっと思考して明確にする

・会社のために、個人のためにという二元論的な思考ではない時代

・競争させたいのか、共創したいのか。

ストレチェック義務化を組織戦略を考えるきっかけにする

 

最後に、健康人事委員会の所感です。

まず重要なのは、ストレスチェックをする意義をはっきりさせること。言葉の定義や、自分たちのありたい姿を明確にし、定義をきちんとつくること。そのうえで「目的に向かって行動を始めることが重要だ」と強調されていたのが、とても印象的でした。

 

ストレス・ゼロを目指すのではなく、社員個々に向け、適切で適度なストレスがかかる状態に組織を編成することが重要であり、その適切性を知るには「個人の価値観や思考行動様式」を知らなければいけない。この様に、マクロの視座からミクロ視点にフォーカスしていくこと、つまり複眼を常にもつことの必要性を感じました。

 

これはリスクマネジメントでも同様のことが起きがちだなぁと感じたのですが「メンタルヘルス不調者をださないために、ストレスをゼロにする」という発想にそもそも無理があり、適度なストレス環境をいかに維持していくのか、が成長の源泉になる。というのはとても興味ふかい視点でした。そういわれれば「ストレスとはネガティブなもの」という思い込みでいろいろ考えている自分にも気づいた話でした。

 

次号は、北里大学江口先生の講演内容をお届します。

 

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